最初に読むべき1記事
【IT業界の職種一覧】IT職種とは?6分類から就活市場の43種類をわかりやすく一挙解説!
1.IT職種とは? IT職種とは、一言でいえば「IT(情報技術)を活用して企業の課題解決やサービスの創出に貢献する仕事」全般を指す。必ずしもIT業界に限定されるものではなく、今やあらゆる業界でIT技術は不可欠な存在だ。 そのため、IT職種はIT業界の企業で働く人々だけでなく、メーカーや金融、商社などで情報システム部門やDX推進部門に所属する人々も含まれる。 1-1.IT職種と非IT職種の違い IT職種と非IT職種の最も大きな違いは、業務の中核に「IT技術への深い理解と活用」があるかどうかだ。 IT職種に求められる絶対的な条件として、技術的な知見が不可欠であるという点だ。技術的な話がわからないのであれば、それはIT職種とは言えないし、ただの汎用的な職種という位置付けになる。 上記の営業の例で言えば、IT製品を提案しているだけではIT職種とは言いにくく、IT製品を活用して技術的な話まで踏み込んでいるのであれば、IT職種と言えるといった具合だ。 つまり、IT職種と非IT職種の最大の違いは、IT知見やスキルを持ち合わせた人材が担当する職種が、IT職種というにあたって相応しいだろう。 1-2.国が定めるIT人材の定義 国(経済産業省)は、IT人材を「ITの活用や情報システムの提供を主な事業としている『IT企業』に所属する人材」と「IT企業以外の事業会社に所属し、情報システムの企画、設計、開発、運用などに従事している人材(いわゆる社内SEなど)」の2つに大別している。 さらに、IPA(情報処理推進機構)が公開している「ITスキル標準(ITSS)」では、IT人材の職種を11種類に分類し、それぞれの専門分野とレベルを定義している。 No.職種 (Job Category)概要1マーケティング市場動向の分析、事業戦略・製品戦略の策定、販売チャネル戦略の立案などを担う。2セールス顧客のビジネス課題に対し、ITを活用した製品やサービスの提案・販売を行う。3コンサルタント顧客企業の経営戦略やIT戦略の策定を支援し、課題解決に導く。4ITアーキテクトビジネス戦略に基づき、ITシステムの全体構造(アーキテクチャ)を設計する。5プロジェクトマネジメントプロジェクト全体の責任者として、品質・コスト・納期(QCD)を管理し、成功に導く。6ITスペシャリスト特定の技術分野(プラットフォーム、ネットワーク、セキュリティ等)における専門家。7アプリケーションスペシャリスト特定の業務領域(金融、製造等)におけるアプリケーション開発・保守の専門家。8ソフトウェアデベロップメントソフトウェア製品の開発(要件定義、設計、実装、テスト)を行う。9カスタマーサービスIT製品やサービスの導入支援、ユーザーからの問い合わせ対応、サポートなどを担う。10ITサービスマネジメントITシステムの安定稼働を維持するための運用管理、パフォーマンス管理、改善を行う。11エデュケーションIT人材の育成計画の策定、研修コースの設計・実施、評価などを行う。参照:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)|ITスキル標準(ITSS) これは、IT人材に求められる能力を可視化し、育成やキャリア形成の指針とすることを目的としたものだ。国がこのように定義を整備していることからも、IT人材が社会全体でいかに重要視されているかがわかる。 この中でも厳密には、職種に該当するがIT人材ではないものなども存在するため、ここに書かれているものが100%IT人材になるかといったらまた別の話だ。 このように、かなりギャップがあり、「IT人材=IT業界」にはならないことを押さえておいて欲しい。裏を返せば、だからこそ職種と正しく選択する必要があるともいえるのだ。 2.就活市場におけるIT業界の新卒採用の職種分類 IT業界の職種は多岐にわたるが、新卒採用の現場では、大きく6つの職種群に分類して募集されることが多い。 学生にとって、興味や適性がどの領域にあるのかを把握しやすくするための工夫でもあるが、逆手に取って、騙して釣ろうとしている思惑も含まれている。 だからこそ、この6つの分類を理解し、IT業界の全体像を掴んでほしい。 2-1.営業・コンサルタント職 企業の課題をヒアリングし、ITの力で解決策を提案する、いわば企業のアタッカーのような職種群だ。 そのため、顧客と技術者の間に立つ橋渡し役として、プロジェクトを成功に導く牽引力が求められる。高度なコミュニケーション能力はもちろん、最新のITトレンドから業界知識まで幅広い知見が不可欠だ。 文系出身者が対話能力を最も活かせる領域の一つであり、顧客の事業成長に直接貢献できる大きなやりがいを感じられるだろう。 2-2.コーポレートスタッフ職 企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を管理・最適化し、事業活動の土台を支える重要な職種群だ。 一般的にバックオフィスとも呼ばれるが、その役割は守りだけにとどまらない。 IT業界特有のスピード感や、SaaSのような新しいビジネスモデル、リモートワークといった多様な働き方を理解し、柔軟に対応できる専門性が求められる。 組織全体のパフォーマンスを最大化させる、縁の下の力持ちといえる存在だ。 2-3.クリエイティブ職 Webサイトやアプリ、ゲームなどのデザインやコンテンツ制作を通じて、ユーザーに「楽しい」「使いやすい」といった魅力的な体験を届ける職種群だ。 WebデザイナーやUI/UXデザイナー、CGクリエイターなどが含まれ、それぞれの専門領域で高いスキルが求められる。 自分の作ったものが世に出て、ユーザーからダイレクトに「いいね」といった反応が返ってくるのは、この仕事ならではの大きなやりがいだ。 目に見える形で成果を実感したい、自分の創造力で世界を彩りたいという人にとって、これ以上ないほど魅力的な仕事ない。 2-4.マーケティング・企画職 市場や顧客のニーズをデータに基づいて分析し、自社のサービスやプロダクトを「誰に」「何を」「どのように」届けるかの戦略を立案・実行する、事業の司令塔ともいえる職種群だ。 単なる思いつきではなく、客観的なデータという根拠に基づいた意思決定が求められるため、高い論理的思考力が不可欠だ。また、変化の激しい市場のトレンドを常にキャッチアップし、次の一手を予測する洞察力も重要となる。 自分の戦略でビジネスを成功に導く、ダイナミックな面白さを味わえる職種だ。 2-5.エンジニア(技術)職 ITサービスの設計、開発、運用を担う、IT業界の根幹を支える技術のプロフェッショナル集団だ。 華やかなサービスの裏側には、地道で緻密な作業が隠されている。物事を順序立てて考える論理的思考力や、エラーの原因を粘り強く突き止める問題解決能力が何よりも重要だ。 自分の手でモノを作り上げたい、技術の力で世の中を便利にしたいという純粋な思いを持つ人にとって、最もやりがいを感じられる職種といえるだろう。 2-6.IT(技術)サポート職 IT製品やサービスを利用する顧客や社内ユーザーが抱える「困った」を解決に導く、頼れる技術アドバイザーのような職種群だ。 単にマニュアル通りに回答するだけでなく、相手のITリテラシーや状況を汲み取り、根気強く問題解決まで伴走する姿勢が必要だ。 そのため、技術的な知識以上に、顧客の課題に寄り添うホスピタリティや丁寧なコミュニケーション能力が重要となる。 顧客から直接「ありがとう」という感謝の言葉をもらえる機会が最も多く、人の役に立つことに喜びを感じる人にとって最適な仕事だ。 3.IT業界の営業・コンサルタント職の代表職種7種類 IT業界の営業・コンサルタント職は、単にモノを売るのではなく、顧客の課題を解決する「ソリューション提案」が中心となる。 そのため、ITに関する知識と顧客のビジネスを深く理解する能力が不可欠だ。ここでは、その代表的な7つの職種を紹介する。 3-1.インサイドセールス インサイドセールスは、電話やメール、Web会議ツールなどを活用して、社内から顧客にアプローチする内勤型の営業職だ。 外勤の営業(フィールドセールス)に質の高い商談を繋ぐための重要なポジションであり、近年多くのIT企業で導入が進んでいる。 なかには、ただのテレアポ(アポインター)業務だったりするため、応募する際には慎重に仕事内容を吟味したほうがいい。とはいえ、効率的に多くの顧客と接点を持てるため、若手のうちから営業経験を積むには最適な職種の一つといえるだろう。 3-2.フィールドセールス フィールドセールスは、顧客先を直接訪問して商談を行う外勤型の営業職だ。 顧客の経営層や担当者と対話し、課題の核心を捉え、自社のソリューションがいかに貢献できるかを説得力をもって伝える必要があり、高いコミュニケーション能力はもちろん、プレゼンテーション能力や交渉力が不可欠だ。 大型の案件を受注した際の達成感は大きく、企業の売上に直接貢献できる花形の職種といえる。 3-3.セールスエンジニア(プリセールス) セールスエンジニアは、営業担当者に同行し、技術的な側面から商談をサポートする職種だ。別名として、プリセールスとも呼ばれることもある。 顧客に対して、製品やシステムの技術的な仕様、導入方法、メリットなどを専門家の視点から説明し、技術的な質疑応答に対応する。 基本的にはエンジニア出身者が営業に行きたい場合などに検討すればよく、後々キャリア選択ができるので手招きでおすすめはしないでおく。 能力的には、最新技術への深い理解と顧客にわかりやすく伝える翻訳能力が求められる、まさに文理融合の職種だ。 3-4.カスタマーサクセス カスタマーサクセスは、自社サービスを契約した顧客が、価値を最大限に引き出し、成功体験を得られるように能動的に支援する職種だ。 顧客の成功が自社のサービスの継続利用(リテンション)や追加契約(アップセル)に繋がるため、SaaSビジネスの成長に不可欠な存在だ。 顧客と長期的な関係を築き、その成長を支えることにやりがいを感じる人に向いている。 3-5.ITコンサルタント ITコンサルタントは、企業の経営課題に対して、IT戦略の策定からシステム導入、業務改革の実行までを支援する専門家だ。 責任は重いが、企業の変革に直接関わることができる、非常にダイナミックでやりがいのある仕事だ。 新卒で目指すには難易度が高いが、多くの就活生が憧れる職種でもある。 とはいえ、最近は現場を知らないITコンサルタントって微妙だよね。という風潮が強くなり、エンジニアから目指す人の割合が年々増加している。 3-6.パッケージ/プロダクト営業 パッケージ/プロダクト営業は、会計ソフトやセキュリティソフト、CRMツールなど、既に完成された自社製品(パッケージソフトウェアやクラウドサービス)を販売する営業職だ。 ただし、競合製品との差別化を明確に伝えたり、複数の製品を組み合わせて提案したりするなど、工夫次第で成果は大きく変わってくる。 製品知識の探求が好きな人に向いており、営業職のなかでも市場価値を上げやすいため、私個人としてはおすすめの職種だ。 3-7.SIer営業 SIer(エスアイヤー)営業は、顧客の要望に応じてオーダーメイドのシステム開発を請け負う企業の営業職だ。 プロジェクトの規模が大きく、期間も長期にわたることが多いため、顧客や社内のエンジニアと粘り強く調整を続ける交渉力やプロジェクト管理能力が求められる。 金融機関や官公庁などの大規模な社会インフラとなるシステムに携わる機会もあり、社会貢献性の高い仕事といえる。案件受注などはSES営業と似た部分があるが、よりシステムに対しての理解が求められる職種だ。 4.IT業界のコーポレートスタッフ職の代表職種6種類 IT業界の急成長と変化の速さを支えるのが、コーポレートスタッフ職だ。バックオフィスとも呼ばれるが、その役割は守りだけではない。 先進的な人事制度の導入や、M&Aに伴う法務・財務対応など、攻めの経営を支える重要な役割を担っている。 4-1.人事 IT業界の人事は、採用、育成、評価、労務管理などを通じて、企業の最も重要な資産である「人材」の価値を最大化する役割を担う。 また、リモートワークやフレックスタイムなど、多様な働き方を支えるための労務管理の知識も求められ、人の成長に喜びを感じ、組織づくりに興味がある人にとって、非常にやりがいのある仕事といえるだろう。 ただ、会社の基本機能としての職種になるため、IT業界にこだわる必要はない。 4-2.経理・財務 経理は、日々の取引の記録や決算業務を通じて、会社の財政状態を正確に把握する仕事だ。 一方、財務は、経理が作成したデータをもとに、資金調達や資産運用、M&Aの検討など、会社の未来の資金計画を立てる仕事である。 数字に強く、会社の経営を根幹から支えたいという志向を持つ人にぴったりだ。 こちらも、会社の基本機能としての職種になるため、IT業界にこだわる必要はあまりない。 4-3.法務 法務は、契約書の作成・レビュー、知的財産権(特許、著作権など)の管理、法令遵守(コンプライアンス)体制の構築、紛争対応など、企業の事業活動に関わる法律問題を専門的に扱う。 論理的思考力と、条文を正確に読み解く読解力、そして誠実さが求められる職種だ。 IT製品関連はかなり法規チェックなどが多いので、逆にIT業界は忙しいかもしれない。 4-4.総務 総務は、オフィスの管理、備品の発注、社内イベントの企画・運営、株主総会の運営支援など、他の部門が担当しない幅広い業務を引き受ける「会社の何でも屋」だ。 その業務範囲の広さから、事務界隈におけるゼネラリストとも呼ばれる。 ホスピタリティ精神が高く、人をサポートすることにやりがいを感じる人に向いている。こちらも業界を指定せず、幅広く見ることをおすすめする。 4-5.広報・PR 広報・PRは、メディアリレーションズ(報道関係者との関係構築)やプレスリリースの配信、SNS運用などを通じて、自社の製品・サービスや企業活動の魅力を社会に発信する仕事だ。 文章力や企画力はもちろん、社内外の多くの人と円滑な関係を築くコミュニケーション能力が求められる。 広報・PRはマーケティングの知見が求められることも多いため、マーケティング部に席をおくケースもあり、求人は細かくチェックしておくほうがいい。 4-6.情報システム(社内SE) 情報システム部門、通称「情シス」は、社内で使われるITインフラ(ネットワーク、サーバー)や業務システム(PC、各種ツール)の企画、導入、運用、管理を担当する。 自社のビジネスを深く理解し、ITの力で社内をより良くしていくことに魅力を感じる人に向いている。 社内SEはIT人材に該当するが、スキルが身に付かなくて将来が不安といった理由から後悔することが多く、新卒で社内SEを目指すのは正直おすすめしない。 5.IT業界のクリエイティブ職の代表職種7種類 クリエイティブ職は、論理や機能だけでなく、感性や美しさ、使いやすさといった「体験価値」を創造する仕事だ。 ユーザーが直接触れる部分を担当するため、成果はサービスの評価に直結する。ここでは、デジタル領域を中心に活躍する7つのクリエイティブ職を紹介する。 5-1.Webデザイナー Webデザイナーは、企業のWebサイトやLP(ランディングページ)などのデザインを担当する職種だ。 クライアントの目的をヒアリングし、それをデザインという形で具現化する能力が重要となる。 自分の作ったものがWeb上で多くの人に見られることに喜びを感じる人に向いているが、結論から言えば就職するのがバチくそ難しい。 フリーランスで事足りることもあり、求人数も少なく、美大卒レベルじゃないとなかなか内定が取れないのが実情だ。 5-2.UI/UXデザイナー UI/UXデザイナーは、Webサイトやアプリケーションの「使いやすさ」と「心地よい体験」を設計する専門家だ。 ユーザー調査やデータ分析に基づいて課題を発見し、それを解決するための最適な画面設計や機能の流れを考える。 論理的思考とユーザーへの共感力が求められる、近年非常に重要視されている職種だ。 マーケティングの視点とデータ分析の視点、エンジニアリングの視点と求められる要素も多く、こちらもいきなり目指すのはかなり難しい。 5-3.グラフィックデザイナー グラフィックデザイナーは、Webサイトに使われるバナー広告やロゴ、アイコン、SNSの投稿画像など、主に静止画のデザインを担当する。 IllustratorやPhotoshopなどのデザインツールを使いこなし、細部までこだわり抜く探求心のある人に向いている。 グラフィックデザイナー自体は業界的に飽和していることと、一部のハイレベル層に依頼が集中しているため、こちらも美大レベルじゃなければおすすめはしない。 5-4.CGクリエイター/CGデザイナー CG(コンピュータグラフィックス)クリエイター/CGデザイナーは、専用のソフトウェアを使い、2Dや3Dのデジタルアートやアニメーションを制作する職種だ。 想像力とデジタルでリアルに表現する技術力を兼ね備えた専門職といえるだろう。 結論を言えば、ガチで難しい。ゲーム業界やアニメ業界などで人がひーひー言っている現状を考えれば求められるレベルの高度さがわかるはずだ。 5-5.映像クリエイター/動画エディター 映像クリエイターは、動画コンテンツの企画、撮影、編集までを一貫して手がける職種だ。 一方、動画エディターは、撮影された素材をカットしたり、テロップやBGM、エフェクトを加えたりして、魅力的な一本の動画に仕上げる編集作業を専門に行う。 PremiereProやAfterEffectsなどの編集ソフトを扱うスキルと、視聴者を引き込むための構成力や演出力が求められる。 直近では需要が高まっているものの、専門の会社などでしか正社員としての求人が少なく、ほぼフリーランスや副業が中心のような職種となっている。 5-6.ゲームデザイナー/ゲームプランナー ゲームデザイナー(またはゲームプランナー)は、新しいゲームの企画立案から、世界観、キャラクター、ストーリー、ルール、システムといったゲームの根幹となる仕様を設計する仕事だ。 市場のトレンドを分析する能力、独創的なアイデアを生み出す発想力、そしてプロジェクトをまとめるコミュニケーション能力が不可欠だ。 エンターテインメントで人々を楽しませたいという強い情熱が求められる。 とはいえ、情熱だけというわけにはいかないのが面白いところで、任天堂などを想像してもらえればわかるが、ぶっちゃけ新卒は超高学歴しか入れないのが現状だ。 5-7.Webライター/シナリオライター Webライターは、Webサイト上のコラム記事やメルマガ、広告のキャッチコピーなど、Webコンテンツの文章を作成する仕事だ。 読者やユーザーの心を動かす構成力と表現力が重要となる、言葉のプロフェッショナルである。 残念ながら、生成AIの発展により専門的に選択してやるべき職種ではない。むしろ、ただのスキルの1つという位置づけに今後はなっていくだろう。 6.IT業界のマーケティング・企画職の代表職種3種類 IT業界のマーケティング・企画職は、データを駆使して市場や顧客を理解し、事業成長のための戦略を描く頭脳的な役割を担う。 感覚や経験だけでなく、論理とデータに基づいた意思決定が求められるのが大きな特徴だ。 6-1.Webマーケター Webマーケターは、Webサイトへの集客を最大化し、最終的な成果(商品購入、問い合わせなど)に繋げるためのあらゆる施策を企画・実行する職種だ。 Google Analyticsなどの分析ツールを用いて効果測定と改善を繰り返す、PDCAサイクルを回す能力が不可欠だ。 論理的思考力と変化の速いWeb業界のトレンドを追い続ける探求心が求められる。 マーケター界隈でよく言われることとして、戦略・企画から組めるマーケターとただSNSや広告を回しているオペレーターと2種類に分かれる。 インターンで募集されている大半はオペレーターに該当するため、本選考では本当の難易度が現れ、高学歴しか通らないのが実情だ。なお、当社でもマーケターの採用を行っているので、チャレンジしたい方はぜひ応募して欲しい。 6-2.データアナリスト データアナリストは、事業活動によって蓄積された膨大なデータ(ビッグデータ)を分析し、ビジネス上の課題解決や意思決定に役立つ知見を見つけ出す専門家だ。 統計学の知識や、SQLなどのデータ抽出言語、PythonやRといったプログラミング言語のスキルが求められることが多い。 数字の裏側にある意味を読み解き、ビジネスの成長に貢献することにやりがいを感じる人に向いている。データサイエンティストより、範囲が狭く施策の見直し等が中心となる。 6-3.Webアナリスト Webアナリストは、データアナリストの中でも特にWebサイトのアクセスデータ分析に特化した職種だ。 その分析結果をもとに、Webサイトの改善点やマーケティング施策の効果を可視化し、具体的な改善案を提案する。 Webマーケターと密に連携し、データという客観的な根拠をもって、Webサイトのパフォーマンスを最大化させる役割を担う。 Web業界特有の職種と言っても過言ではないが、多くの場合はWebマーケターが兼任しているのが実態だ。 7.IT業界のエンジニア(技術)職の代表職種14種類 IT業界の根幹を支え、イノベーションを生み出す源泉となるのがエンジニア職だ。その専門分野は細分化されており、それぞれに高度な技術力が求められる。 ここでは、就活市場でよく目にする14種類のエンジニア職を解説する。 7-1.システムエンジニア(SE) システムエンジニア(SE)は、顧客の要求をヒアリングし、それを基にシステムの仕様を決める「要件定義」や、システムの全体像を設計する「基本設計」といった、開発プロジェクトの上流工程を主に担当する。 顧客の業務を理解する力、コミュニケーション能力、プロジェクト全体を俯瞰するマネジメント能力が求められる。 文系出身者も多く活躍しており、技術とビジネスの橋渡し役を担う重要な存在だ。 7-2.プログラマー(PG) プログラマー(PG)は、システムエンジニアが作成した設計書に基づき、プログラミング言語を用いて実際にコードを書き、システムを開発する職種だ。 Java,Python,C#など、プロジェクトによって使用する言語は様々で、正確なコーディング能力と論理的思考力が不可欠だ。 地道な作業も多いが、自分の手でモノを作り上げる達成感は大きい。 まずはプログラマーとして経験を積み、将来的にシステムエンジニアを目指すキャリアパスが一般的である。 7-3.Webエンジニア/フロントエンド・バックエンド Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの開発を専門とするエンジニアだ。 ユーザーが直接目にする部分(ブラウザ側)を開発する「フロントエンドエンジニア」と、サーバー側でデータの処理や保存を行う「バックエンドエンジニア」に分かれる。 フロントエンドはHTML,CSS,Java Scriptを、バックエンドはJava,PHP,Ruby,Pythonなどを用いる。 フロントエンドエンジニアは、バックエンド開発もできて当たり前という風潮が大きいため、Webエンジニア=バックエンド開発と考えておくのが無難だ。 Webサービスが好きな人、新しい技術を学ぶのが好きな人に向いている。 7-4.アプリケーションエンジニア/ソフトウェアエンジニア アプリケーションエンジニアは、様々な目的のアプリケーションソフトウェアを開発するエンジニアの総称だ。 企業の会計や人事などで使われる「業務系アプリ」、ブラウザ上で動作する「Webアプリ」、スマートフォンやタブレットで使われる「スマホアプリ」など、開発対象は多岐にわたる。 それぞれの領域で求められるプログラミング言語や開発環境が異なるため、専門性が高い。 人々の生活や仕事を便利にするアプリケーション開発に直接関われるのが魅力だ。 ひとくくりにすると扱う言語や技術が異なるため、ソフトウェアエンジニア募集やアプリケーションエンジニア募集の求人を見るときは何を開発するのかをしっかりと確認しておいてほしい。 7-5.制御・組み込み/IoTエンジニア 制御・組み込みエンジニアは、家電製品や自動車、産業用ロボットなどに内蔵されるコンピューターシステム(組み込みシステム)を開発する。 ハードウェアを直接制御するための専門的な知識が求められる。 ソフトウェアだけでなくハードウェアにも興味があり、モノづくりが好きな人にとって非常に魅力的な分野といえるだろう。 ハードウエアの知識とソフトウェアの知識の両方が必要になるため、文系でもなれるが理系におすすめの職種と言える。 7-6.インフラエンジニア/ネットワーク・サーバー インフラエンジニアは、ITシステムの基盤(インフラ)となるサーバーやネットワークの設計、構築、運用、保守を担当する。 ITサービスが24時間365日安定して動き続けるための「縁の下の力持ち」だ。 サーバーの構築・管理を行う「サーバーエンジニア」と、ネットワーク機器の設計・構築を行う「ネットワークエンジニア」などに大別される。 地道で責任の重い仕事だが、社会の基盤を支えているという実感を得られる。 インフラエンジニアは現在、需要が高まっており、開発職と比べても年収が同じかちょっと高いため、急激に人気を集めている職種だ。 私がまたエンジニアを目指すなら間違いなくインフラエンジニアを選択するだろう。 7-7.クラウドエンジニア/SREエンジニア クラウドエンジニアは、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud(GCP)といったクラウドサービスを活用して、インフラを設計・構築・運用する専門家だ。 物理的な機器を自社で持たず、柔軟で拡張性の高いシステムを迅速に構築できるのが特徴である。 クラウドエンジニアはいきなり目指すのではなく、インフラエンジニアからスタートしてキャリアアップしていくイメージでいるといいだろう。募集の数は多くないが、新卒からでも目指すことは可能だ。 7-8.データベースエンジニア(開発・運用) データベースエンジニアは、膨大なデータを効率的に管理・活用するためのデータベースの設計、構築、運用、保守を専門とする職種だ。 SQLという専門言語を駆使するスキルが不可欠だ。データを扱う正確性と論理的思考力が求められる。 データベースエンジニアは開発側から目指すこともできるため、インフラエンジニアと開発エンジニアの中間職と言ってもいいだろう。 7-9.セキュリティエンジニア/ホワイトハッカー セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃から企業のIT資産を守るための専門家だ。 中でも「ホワイトハッカー」は、ハッカーと同じ技術を用いて意図的にシステムに侵入テストを行い、弱点を見つけ出して改善を促す。※厳密には違いがあるが、同義で扱われることが多い。 正義感と高い倫理観、そして常に最新の攻撃手法を学ぶ探求心が求められる。 セキュリティエンジニアはインフラエンジニアやシステムエンジニアからのキャリアアップが一般的だ。 しかし、直近では、新卒にがっつり教育して育てる会社も多くでてきており、就活でも狙える職種となっている。 7-10.AIエンジニア/機械学習エンジニア AIエンジニアは、AI(人工知能)、機械学習の技術を用いて、データから特定のパターンやルールを学習するモデルを開発し、システムに実装する。 未来の技術を自らの手で創り出したいという強い意欲を持つ人に向いている。 よくAIに関わりたいという方が勘違いしていることが多いのだが、AIエンジニアは先端IT人材に分類され、理系大学院で研究している人が対象だ。 多くの人がイメージするのは、ツールに組み込むみたいなものが多く、それ自体はAPI連携でできるためアプリケーションエンジニアの領域となる。 何が言いたいのかというと、ガチで難しいからプログラミング言語や統計など、何も触ったことがない人は、いきなり目指せないよってことを覚えて帰って欲しい。 もちろん、教育からやります。という企業もあるが、基本的にはキャリアアップ先となる。 7-11.データサイエンティスト/データエンジニア データサイエンティストは、AIや統計学の知識を駆使してビッグデータを分析し、ビジネス課題の解決や新たな価値創造に繋がる知見を見つけ出す専門家だ。 データサイエンティストになるためのアプローチ方法はいくつもあるが、現実的には、理系で情報系または数学を研究レベルで扱っている人の進路だ。 さらに、PythonやR言語といったデータ分析に強い言語は最低限必要で統計学や経営学なども必要となる。東京一工、旧帝レベル、早慶理系が最低ランクといったところだ。 7-12.テストエンジニア/QAエンジニア テストエンジニアは、開発されたソフトウェアが設計書通りに動作するか、不具合(バグ)がないかを検証する「テスト」を専門に行う。 テスト計画の立案から、テスト項目の作成、テストの実施、結果の報告までを担当する。 細かな点に気づく注意力と、品質に対する高い意識が必要だ。 最近では、QAエンジニアの需要が増えており、プログラミング言語が扱えなくてもなれるエンジニア職種のため、ここから目指す人も少なくない。 7-13.ゲームプログラマー/ゲームエンジニア ゲームプログラマーは、ゲームプランナーが作成した仕様書に基づき、キャラクターの動きやゲームシステムなどをプログラミングによって実現する。 熱中するような爽快なアクションや、没入感のある世界観は、じつはエンジニア界隈の中でも相当に高度な技術力で支えられている。 少なくとも個人でゲーム開発をしたポートフォリオの提出がないと、まず書類選考が通過しない。 通る場合も入ったらゲームテスターみたいなパターンもあるので、理系でC言語を扱ったことがない人は避けたほうがいいだろう。 7-14.AR/VRエンジニア AR(拡張現実)/VR(仮想現実)エンジニアは、現実世界にデジタル情報を重ねて表示するAR技術や、仮想空間を創り出すVR技術を用いたコンテンツやアプリケーションを開発する。 ただ、AR/VRはゲームやエンターテインメント分野だけでなく、医療現場での手術シミュレーションや、製造業での遠隔作業支援など、産業応用も進んでいる。 3Dグラフィックスや空間認識に関する専門知識が求められるが、将来性が非常に期待される分野だ。 8.IT業界のIT(技術)サポート職の代表職種6種類 ITサポート職は、技術的な知識を活かして顧客やユーザーを直接支援する、ホスピタリティが求められる仕事だ。 IT業界の「顔」として顧客と接する機会も多く、企業の信頼を支える重要な役割を担っている。エンジニアほどの高度なITスキルは求められない場合も多く、文系出身者も挑戦しやすいのが特徴だ。 8-1.サービスデスク/ヘルプデスク サービスデスクやヘルプデスクは、主に社内の従業員や社外の問い合わせのITに関する問い合わせ窓口となる職種だ。 原因を特定し、解決策を提示する問題解決能力と、相手のITリテラシーに合わせた丁寧な説明力が求められる。社内の様々な部署の人と関わるため、コミュニケーション能力も重要な職種だ。 システムエンジニアやインフラエンジニアなどの職種では、最初にヘルプデスクデスクに付けさせる企業もあるので求人はしっかりと吟味することをおすすめする。 8-2.テクニカルサポート/カスタマーサポート テクニカルサポートやカスタマーサポートは、自社製品・サービスを利用している社外の顧客からの技術的な問い合わせに対応する職種だ。 製品知識はもちろん、顧客の困りごとに寄り添う共感力と、クレームにも冷静に対応できるストレス耐性が必要だ。 エンジニア出身者が担うことも多いので、あえて狙いにいく必要は薄い。 8-3.サポートエンジニア サポートエンジニアは、テクニカルサポートの中でも、より高度で複雑な技術的問題の解決を担当する。 顧客から寄せられた問い合わせのうち、一次対応では解決できない問題がエスカレーションされ、ログの解析やソースコードの調査など、エンジニアリングの知識を駆使して原因を特定し、解決に導く。 時には開発部門と連携して製品の不具合修正にあたることもある。顧客対応能力と技術的な問題解決能力の両方が求められる専門職だ。 8-4.フィールドエンジニア/オンサイトサポート フィールドエンジニアは、顧客先に直接出向いて(オンサイト)、自社製品であるハードウェア(サーバー、ネットワーク機器など)の設置、設定、保守、修理を行う。オンサイトサポートとも呼ばれる。 会社のネットワークが変になったから機器を見にきて、みたいなイメージが最も近い。 8-5.導入コンサルタント/導入支援 導入コンサルタントは、自社のソフトウェアやシステムを契約した顧客に対して、その導入がスムーズに進むように支援する専門家だ。 単に使い方を教えるだけでなく、システムを導入することで顧客の業務がどのように改善されるかをコンサルティングする視点も持つ。 顧客の事業成功に深くコミットできるやりがいのある仕事だ。 8-6.マニュアルライター/テクニカルライター マニュアルライターは、製品やサービスの使い方を説明する取扱説明書やオンラインヘルプ、FAQといったドキュメントを作成する専門家だ。テクニカルライターとも呼ばれる。 文章力はもちろん、製品の仕様を深く理解する力や、ユーザーがどのような点でつまずきやすいかを想像する力が不可欠だ。 この職種もAIの登場で先行きが怪しくなってきているが、おそらくファクトチェック(事実確認)の作業は残るだろう。 9.IT業界を目指すならエンジニアが最もメリットが大きい もしあなたがIT業界で長期的なキャリアを築き、高い市場価値を持つ人材になりたいと本気で考えるなら、新卒でエンジニア職を目指すのが最もメリットが大きい。 9-1.ITスキルが身に付くため市場価値が高い エンジニアとしてキャリアをスタートすることで、IT業界の根幹をなす「モノづくり」のスキル、つまりプログラミングやシステム設計の能力が直接的に身につく。これは他の職種では得られない、極めて専門性の高いスキルだ。 技術がわかる営業、技術がわかるマーケターは、そうでない人材に比べて市場価値が格段に高いのだ。 厚生労働省が示すように、IT人材は意外と枠組みが広いため、年齢制限のあるIT業界になんで若いうちに入っておかないのか、逆に疑問が生まれるぐらいの市場規模が上がると言っていいだろう。 9-2.IT業界はエンジニアが必要不可欠で入りやすい 現在のIT業界は、深刻なエンジニア不足に直面している。 経済産業省の調査でも、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されている。 これは裏を返せば、エンジニアの需要が非常に高く、未経験の新卒者に対しても門戸が広く開かれていることを意味する。 特にポテンシャルを重視する新卒採用においては、文系・理系を問わず、学習意欲さえあればエンジニアとしてキャリアをスタートできるチャンスが豊富にある。これは他の職種にはない、大きなアドバンテージといえるだろう。 9-3.キャリアパスが豊富で将来性と安定性が高い エンジニアとして技術力を磨いた先には、多様なキャリアパスが広がっている。 これほど多様な選択肢がある職種は他にない。技術という普遍的なスキルを軸に、自分の興味や適性に合わせてキャリアを柔軟に設計できるため、将来性と安定性が非常に高いのだ。 キャリアパスの豊富さというのは、何かあった時でも別の職種にいって潰しが効くということになる。会社が仮につぶれたり、いらない職種が出てきたりしても活躍の場があるというのが本当の意味での安定性と言える。 9-4.年収面や待遇面においてもエンジニアが最強 専門性が高いエンジニアは、他の職種と比較して年収水準が高い傾向にある。 スキルを磨けば磨くほど、それが正当に評価され、収入や待遇として返ってくる。 世渡り上手みたいな人が評価される日本社会において、かんばれば、がんばるほどお金や待遇という形で返ってくるのは非常に嬉しい部分と言えるだろう。 9-5.将来的な働き方の自由度も高くて時代に合う エンジニアの仕事は、PCとインターネット環境さえあれば、場所を選ばずに働くことが可能だ。そのため、リモートワークやフレックスタイムといった柔軟な働き方を最も実現しやすい職種といえる。 フリーランスとして独立すれば、働く時間や場所、受ける案件などを自分でコントロールできるようになり、自由を手に入れることも夢ではない。 10.事実:エンジニア以外ならほかの業界でも変わらない 少し厳しい言い方になるかもしれないが、事実として、IT業界におけるエンジニア以外の職種はIT業界を選択する理由としてはかなり薄い。 しかし、顧客と交渉する力、組織を動かす力、数字を管理する力といったコアスキルは、メーカーだろうが金融だろうが、どの業界でも求められる普遍的なものだ。 だからこそ、「IT業界でなければならない理由」を突き詰めて考えたとき、その答えは「IT技術そのものを生み出し、活用するスキル」に行き着く。 この業界でしか得られない専門性を身につけ、自分自身の市場価値を最大化したいのであれば、やはりエンジニアという選択肢が最も合理的になる。 11.IT業界の職種選びで重要な失敗しない4つの考え方 自分に合った職種を見つけ、後悔のない就職活動をするためには、いくつかの重要な考え方がある。 憧れやイメージだけで判断するのではなく、以下の4つの視点から冷静に自己分析と企業研究を進めてほしい。 11-1.職種におけるの就活の難易度を理解する 職種によって、新卒採用における採用人数や求められる専門性は大きく異なる。 まずは各職種の難易度を客観的に把握し、自分の現在地から現実的に目指せる範囲を見極めることが重要だ。 だいたい、就活でいつまで経っても終わらない人は身の丈に合っていない職種を選択していたり、短期で辞めてしまう人は運よく難しい職種に付けてついていけないということが起こる。 11-2.職種ごとの向き不向きを理解する それぞれの職種には、求められる特性、つまり「向き不向き」が存在する。 顧客の課題に深く寄り添うのが得意な人もいれば、データを分析して客観的な事実を見つけ出すのが得意な人もいる。 自分の性格や価値観、得意なことを深く掘り下げ、どの職種であれば自分の強みを最も活かせるのかを考えることが、入社後のミスマッチを防ぐ上で不可欠だ。 実際、転職でも業界を変えるというより、職種を変えるというのが最も顕著に見られる傾向となっている。 11-3.IT職種は職能(職業スキル)で選択する IT業界でのキャリアを考える上で極めて重要なのが、「職能」、つまりポータブルな職業スキルで仕事を選ぶという視点だ。 会社の看板や知名度だけで選んでしまうと、その会社が傾いたときに何も残らないリスクがある。 新卒の段階で、どの職種が最も市場価値の高いスキルを身につけられるかを真剣に検討してほしい。 職能がないまま転職をしようとしてガチで詰んでしまう大人がいることを考えれば、賢いあなたならわかるはずだ。 11-4.新卒採用で求められるスキルを準備する IT業界の就職活動、特にエンジニア職を目指す場合、学生時代の経験が評価されることが多い。もちろん、高度なスキルが必須というわけではない。 しかし、「IT技術に興味があり、自ら学んでいる」という姿勢を示すことは極めて重要だ。 何も準備せずに「やる気はあります」と言うだけでは、他の学生との差別化は難しい。言葉よりも結果や行動が求められるのもIT業界の特徴だ。 裏を返せば、ガクチカにあまり自信がないひとでも、資格取得をすればカバーできてしまうということでもある。 SNSで見かけた面白い投稿に「陰キャでもスキルがあれば人権を得られるのがIT業界の魅力だ」なんていっていたのも、いまの日本に対する社会風刺だと思う。 12.比較してよくわかるIT職種のタイプ別ランキング ここでは、様々な角度からIT職種をランキング形式で紹介する。 あくまで一般的な傾向であり、企業によって難易度や人気は異なるが、職種選びの参考にしてほしい。実際に、学生の認知と市場感が大きくゆがんでいることがわかるはずだ。 12-1.最難関のIT職種ランキングTOP10 基本的には、理系の大学院で研究などをしていないと身に付かないスキルがある職種は当然ながら難しい傾向にある。 順位職種名難易度の理由1位AIエンジニア最先端の論文を実装する数学・統計学の深い知識と、修士以上の研究実績が求められるため。2位データサイエンティスト高度な分析能力に加え、ビジネス課題を特定し、経営層に提案するコンサルティング能力も不可欠なため。3位AR/VRエンジニア3DCG、空間認識、光学など複合的な専門知識が必須であり、新卒採用枠が極めて少ないため。4位CGクリエイター/CGデザイナー高度なデザインツールスキルとデッサン力に加え、センスが問われるポートフォリオの質が極めて重要なため。5位Webデザイナー/UI/UXデザイナーデザインスキル、コーディング知識、人間中心設計の知見など、幅広いスキルセットと質の高いポートフォリオが必須なため。6位Webアナリスト専門的な分析ツールの習熟に加え、データからビジネス改善に繋がる具体的な施策を立案する能力が求められるため。7位Webマーケターデータ分析、広告運用、SEO、心理学など、文理の枠を超えた複合的なスキルと実績が求められ、採用枠も少ないため。8位ゲームプログラマーC++など高度なプログラミングスキルに加え、物理演算や描画処理の最適化など、専門的な知識が求められるため。9位ITコンサルタント高い学歴と地頭の良さが前提。技術知識、経営知識、そして激務に耐えうる精神力と体力が求められるため。10位制御・組み込みエンジニアハードウェアとソフトウェア両方の深い知識が不可欠で、特定の専門分野での経験が重視されるため。 そのほかに、前提として求人数が少なかったり、複合的なスキルが必要だったりする職種は傾向として難しい。 12-2.入りやすいIT職種ランキングTOP10 難易度が高い職種がある一方で、入りやすい職種も存在する。 順位職種名入りやすい理由1位サービスデスク/ヘルプデスク技術スキルよりも対人スキルが重視され、未経験・文理不問の求人が圧倒的に多いため。IT業界の入り口として最適。2位サポートエンジニアヘルプデスクからのステップアップ職。より技術的な問題解決を行うが、ポテンシャル採用の枠もまだ多い。3位テクニカルサポート/カスタマーサポート顧客対応が中心。製品知識は入社後に学ぶことが前提であり、コミュニケーション能力が最も重視されるため。4位テストエンジニア/QAエンジニアマニュアルに沿った業務から始めやすく、緻密さや集中力が評価される。未経験者向けの求人が豊富。5位インフラエンジニア/ネットワーク・サーバー企業の根幹を支えるため需要が安定。未経験からでも研修制度の整った企業でキャリアをスタートしやすい。6位プログラマー(PG)特にSES企業では人手不足が深刻で、研修前提のポテンシャル採用が非常に多い。7位システムエンジニア(SE)特にSIerでは顧客との折衝能力が重視され、文系出身者も多く採用し、入社後の研修で育成する文化があるため。8位導入コンサルタント/導入支援顧客の業務理解とコミュニケーションが中心。製品知識やITスキルは入社後に習得可能。9位アプリケーションエンジニア/ソフトウェアエンジニア分野は広いが、特に業務アプリ開発では未経験者向けの研修が充実している企業が多い。10位Webエンジニア/フロントエンド・バックエンド人気企業は難関だが、全体的な需要は高い。ポートフォリオがあれば未経験でも挑戦可能な企業が見つかる。 ※ITスキルが身につかないものは除外。 ITサポート系の職種が難易度が低めにランクインしているが、開発系の職種は正直、転職から入るのはかなり大変だ。 そのため、6位以下は新卒カードを使ってでも入っておきたいというのが本音である。 12-3.文系でも入れるおすすめのIT職種ランキングTOP10 次に文系という観点からおすすめできる職種を見ていこう。 順位職種名対象大学レベル(目安)文系におすすめの理由1位システムエンジニアMARCH・関関同立レベル以上顧客との折衝やプロジェクト管理で対話力や調整力が活きる。大手SIerでは文系採用が多く、研修制度が充実。2位インフラエンジニア全大学対象論理的で体系的な知識が中心。需要が高く未経験採用も多い。クラウドの基礎となり将来性が高い。3位ITコンサルタント上位大学レベル以上高度な論理的思考力や課題解決能力が求められる。学歴で示されるポテンシャルが重視され、技術は入社後に学ぶ。4位プログラマー全大学対象IT技術の根幹を学ぶ最短ルート。特にSES企業ではポテンシャル採用が多く、実務経験を積む第一歩として最適。5位アプリケーションエンジニア全大学対象業務理解が重要な領域では文系の視点が活きる。研修制度が整っている企業が多く、専門スキルを習得可能。6位Webエンジニア全大学対象自主学習が評価されやすい分野。ポートフォリオ次第で学歴を覆せる可能性があり、BtoCサービスでやりがいを感じやすい。7位クラウドエンジニアMARCH・関関同立レベル以上今後も需要拡大が見込まれる成長分野。資格取得でスキルを証明しやすく、インフラの知識を応用できる。8位社内SEMARCH・関関同立レベル以上社内調整やベンダー管理などコミュニケーション能力が重要。自社のビジネスに深く貢献できる。9位IT営業系全大学対象対話力や関係構築力が成果に直結する。インサイドセールスやカスタマーサクセスなど職種も多様化。10位サービスデスク/ヘルプデスク全大学対象IT業界の「最初の扉」。幅広いITの困りごとに触れることで、基礎知識を体系的に身につけられる。 文系出身者が新卒カードを切るべき職種はシステムエンジニア(SE)だ。 正直、転職からシステムエンジニアを目指す場合は、25歳程度の年齢が付いているし、多くの場合は新卒で入るより良い会社にいけない。 次案としては、インフラエンジニアで入ってクラウドエンジニアにキャリアアップする方向性で就活を進めるのがいいだろう。 文系のIT職種選択で大事なのは、キャリアを単発で考えないという柔軟性をいかに持てるかだ。 12-4.理系だからこそおすすめのIT職種ランキングTOP10 理系であれば、基本的には何を専門的に勉強しているかが大きな焦点になる。 順位職種名対象となる専門分野(例)おすすめの理由1位AIエンジニア情報科学、数学、統計学、物理学研究で培った数理モデルの構築能力やアルゴリズムの理解を直接活かせる。論文実装など、アカデミックな素養が最も輝く分野。2位データサイエンティスト統計学、情報科学、経済学、生命科学自身の研究で実践してきたデータ分析、仮説検証のプロセスそのものが仕事になる。専門分野の知見を活かした分析ができる。3位制御・組み込みエンジニア電気電子、機械、情報工学、物理学ハードウェアの知識や物理法則の理解が不可欠。C言語など低レイヤーの技術を駆使し、現実に動くモノを創り出せる。4位クラウドエンジニア情報科学、電気電子、システム工学物理的な制約から解放され、論理的なコンポーネントの組み合わせでインフラを構築できる。システム全体の設計思考が活かせる。5位セキュリティエンジニア情報科学、数学(暗号理論など)論理的思考力、粘り強さが求められる。CTFなどで実績を積めば、学歴以上に専門スキルが評価されやすい実力主義の世界。6位ゲームプログラマー情報科学、物理学、数学物理演算や描画処理の最適化など、理系的な知識がゲームのクオリティを左右する。UnityやUnrealEngineの経験も強みになる。7位アプリケーションエンジニア/ソフトウェアエンジニア情報科学、各専門分野自身の専門知識(例:化学、金融工学)を活かした専門アプリケーション開発で、他のエンジニアと差別化できる。8位システムエンジニア情報科学、システム工学複雑なシステムを論理的に分解し、再構築する能力は、研究活動で培った問題解決能力そのものである。9位インフラエンジニア情報科学、電気電子ネットワークやサーバーといったITの根幹を支える。物理層に近い知識から論理的な設計まで、幅広い専門性を活かせる。10位データベースエンジニア情報科学データを構造的に捉え、正規化や効率的なクエリを設計する能力は、研究データの扱いに通じる。論理性の高さが求められる。 もし、Pythonなどの勉強をしているのであれば、いま最もホットな話題であるAIエンジニアやデータサイエンティストがおすすめになる。 とはいえ、学習していなくても工学系に進んでいれば、制御・組み込みエンジニアはIot分野でかなり将来性が高いから狙ってみるといいだろう。 現在、日本の学生の理系比率は3割程度のため、企業は喉から手が出るほど欲しい状況のため、IT業界においては文系より圧倒的に選択幅が広く有利といえる。 12-5.新卒人気が高いIT職種ランキングTOP10 ここまで理系や文系におすすめな職種をお伝えしてきたが、実際は難易度に反して、難しい職種に人気が集まっているのが実情だ。 順位職種名人気の理由1位ITコンサルタント高年収、ステータスの高さ、若いうちから成長できる環境が魅力なため。2位データサイエンティスト最先端の分野であり、専門性を活かして高年収が狙えるイメージがあるため。3位Webエンジニア身近なWebサービス開発に携われ、自由な働き方がしやすいイメージがあるため。4位ゲームプランナー/プログラマー「好き」を仕事にでき、エンターテインメントを創出できる魅力があるため。5位システムエンジニア(大手SIer)安定性が高く、大規模な社会インフラに関われる魅力があるため。6位マーケティング・企画職華やかなイメージがあり、事業の成長に直接関われるやりがいがあるため。7位AIエンジニア将来性が非常に高く、未来の技術を創れるという魅力があるため。8位UI/UXデザイナーおしゃれなイメージがあり、ユーザーの体験を創造するクリエイティブな仕事だから。9位カスタマーサクセス顧客に寄り添い、成功を支援するという新しい働き方が注目されているため。10位広報・PR企業の顔として活躍でき、華やかなイメージがあるため。 特に文系学生は見栄を重視しているのかな?というぐらい難しい職種を受けたがる傾向にある。 しかし、よく考えて欲しいがここで難航してくれる人がいるから、適切に難易度を見極め対策をするひとが勝ちを取れているという側面もあるのだ。 まさか、本人たちも職種選択で失敗しているとは気づいていないので、ここでアドバンテージをとって楽に終わらせてしまおう。 13.IT職種でわからないことはユニゾンキャリアまで ここまでIT業界の様々な職種について解説してきたが、「自分一人で職種を選ぶのは不安だ」「もっと詳しく話を聞いてみたい」と感じる人も多いのではないだろうか? それも当然だ。IT業界は変化が速く、Web上の情報だけでは実態が掴みにくい部分も多い。 そんな時は、ぜひユニゾンキャリアに相談してほしい。 当社はIT業界に特化した就活支援サービスを展開しており、業界を熟知したキャリアアドバイザーが、あなたの強みや価値観を丁寧にヒアリングした上で、最適な職種や企業を一緒に見つけ出す。 当社は転職支援サービスも行っているので、単に内定を取るだけでなく、その先のキャリアプランまで見据えた長期的な視点でのアドバイスができるのが強みだ。 この記事を読んで少しでもIT業界に興味を持ってくれたなら、ぜひ一度、下のボタンから無料相談に申し込んでみてほしい。 私たちがあなたの就職活動を全力でサポートすることを約束する。
