記事の概要
特別な実績やリーダー経験がないと『学生時代の取り組み』では評価されないという思い込みが、多くの学生の手を止めている。
実は、企業が見ているのはエピソードの希少性ではなく、課題への気づき・自分で考え・行動し・何を得たかという思考と成長のプロセスの説得力だ。
エントリーシート「学生時代の取り組み」設問をガクチカや自己PRと混同して書く学生が少なくない。採用担当者が求める答え方は職種ごとに異なり、設問意図を見極めることが通過率を左右する。
この記事では、エントリーシート「学生時代の取り組み」とは何を答える設問か、企業が「学生時代の取り組み」で見ているポイント、書く前に整理すべきエピソードの選び方について解説していく。
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1.【選考別】エントリーシートはいつから作成すべきか?
エントリーシートの作成は、選考スケジュールに合わせて計画的に進める必要がある。
ここでは、選考段階別にエントリーシート作成の適切な時期を解説していく。
1-1.大学3年の5月からは夏インターンのために作成
夏インターン選考に向け、大学3年の5月頃から準備を始めるのが望ましい。
夏インターンは、本選考に先駆けて業界や仕事への理解を深め…
1.エントリーシート「学生時代の取り組み」とは何を答える設問か
エントリーシートの「学生時代の取り組み」欄は、読者が何をしたかではなく、どう考え行動したのかを見ている設問である。自己PRやガクチカと混同しやすいが、それぞれが問う内容と役割は異なる。
このセクションでは、「学生時代の取り組み」の本質を理解し、自己PR・ガクチカとの使い分け方を整理する。
- 「学生時代の取り組み」が問う内容の本質
- 自己PRとの違い(過去の経験か現在の強みか)
- ガクチカとの違いと共通点
- 同じエピソードを使う場合の調整ポイント
1-1.「学生時代の取り組み」が問う内容の本質
「学生時代の取り組み」は、過去の経験に対してどのように思考し行動したのか、その思考プロセスや課題解決の工夫を評価する設問である。
採用担当者が知りたいのは「何をしたか」という事実ではなく、「なぜそう考えて、どう動いたか」という意思決定や行動の軸だ。
平凡なテーマでも、課題をどう認識し、自分でどう工夫したか、そこから何を学んだかが明確に伝われば評価される。逆に派手な実績であっても、プロセスが見えなければ採用担当者には響かない。
企業がこの設問を通じて確認しているのは、学生が仕事の中で直面する課題にどう対処するかという適応力と思考力だ。
サークルのイベント企画、アルバイトでの工夫、研究の進め方など、どんな経験でも課題→行動→成果→学びという流れで論理的に説明できれば、採用試験を突破する材料になる。
つまり、「学生時代の取り組み」の評価軸は「実績の大きさ」ではなく「思考と行動の説得力」にある。自分のエピソードがこの軸で説明できるなら、テーマは何でも大丈夫だ。
1-2.自己PRとの違い(過去の経験か現在の強みか)
自己PRは「今のあなたが持っている強み」を伝える設問であり、「学生時代の取り組み」は「過去の経験を通じた思考プロセス」を伝える設問である。同じエピソードでも、強調する軸が異なる。
自己PRでは「リーダーシップがある」「分析力に優れている」といった現在の人物像や能力を前面に出す。一方、学生時代の取り組みは「こういう状況で、こう考えて、こう動いた」という過去の行動の流れ自体が主役だ。
自己PRは強みの「掲示」、学生時代の取り組みは強みの「立証」と捉えるとわかりやすい。
この区別がつくと、同じエピソードを複数のES設問に活用できるようになる。詳しくは後続セクションで説明するが、まずは「自己PR=強みの宣言」「学生時代の取り組み=行動の証拠」という役割の違いを押さえておくことが大事だ。
1-3.ガクチカとの違いと共通点
「学生時代の取り組み」と「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」は、企業や設問によってほぼ同義で使われることが多い。両者はどちらも過去の経験を通じた思考プロセスを問う設問であり、区別する必要はない。
ただし企業によって強調点が微妙に異なることがある。「学生時代に力を入れたこと」という表現は、その経験にかけた時間やエネルギーの大きさをやや重視する傾向がある。
一方「学生時代の取り組み」は、規模よりも課題解決のプロセスや思考の工夫をより重視しやすい。しかし実際のES評価では、この違いがそこまで大きく影響することはまれだ。
むしろ同じエピソードで両方の設問に答える場合、書き手が「力を入れた理由」と「具体的な取り組み内容」のどちらを優先するかで、微妙に文脈が変わる程度と考えてよい。
企業の設問文を読み比べて、明らかに別の経験を求めていると判断した場合だけ、エピソードを変えるというスタンスで問題ない。
1-4.同じエピソードを使う場合の調整ポイント
同じエピソードを「学生時代の取り組み」「ガクチカ」「自己PR」で複数回使う場合、強調する軸をずらす必要がある。同じエピソード、同じ文脈で繰り返し書くと、採用担当者には「引き出しが少ない」と感じられる。
例えば「学園祭の企画委員」というテーマの場合、自己PRでは「チームマネジメント力」を、学生時代の取り組みでは「企画立案から実行までの課題解決プロセス」を、ガクチカでは「来場者数の目標達成への粘り強さ」といったように、視点を変える。
同じ事実でも、どの側面に光を当てるかで、採用担当者に与える印象が大きく変わる。
同じエピソードでも、ES設問の意図を読み取り、強調する軸を意識的にずらすことで、採用担当者には「深い自己理解」と「応答の柔軟性」が伝わる。このスキルが身につくと、限られたエピソードでも複数企業のES対策が効率的に進む。
2.企業が「学生時代の取り組み」で見ているポイント
「学生時代の取り組み」で採用担当者が見ているのは、あなたが何をしたか(実績)ではなく、どう考え行動したか(プロセス)である。派手な成果や特別な経験がなくても、課題に気づき、自分の頭で考え、行動に移し、そこから何を学んだかを伝えられれば、採用担当者の心は動く。
このセクションでは、企業が実際に評価している4つのポイントを解説する。これを理解することで、自分のエピソードをどう磨き、どこに重点を置いて書くべきかが見えてくる。
- 人柄や価値観を知りたい理由
- 課題に対する思考プロセスと行動力の確認
- 入社後の再現性(活躍イメージ)を見る視点
- 企業規模・業界による評価傾向の違い
2-1.人柄や価値観を知りたい理由
採用担当者にとって、あなたの経験は人間性と価値観を推し測るための窓口である。どんな場面で決断を下し、どんなことに価値を感じ、困難にぶつかったときどう対処するのか。
例えば、「サークルで部長をやった」という事実そのものより、「新入生の企画提案が却下されたとき、メンバーの声に耳を傾け、『なぜ却下されたのか』を問い直し、改善案を一緒に作った」という行動パターンの方が、あなたの人柄(傾聴力・問題意識・行動力)をはるかに鮮明に映す。
採用後の配置や配属決定、一緒に働くチームの相性を見極めるためにも、人柄の理解が欠かせない。経験談を通じて、あなたがどんな考え方を持ち、どんな行動原理で動くのかを知ることが、企業にとって最大の関心事なのである。
採用担当者は、あなたの一つひとつの経験から、職場でどんな判断をし、どんなチームプレーができる人なのかを想像する。その想像がリアルであるほど、面接や内定後のマッチ度も高まる。
2-2.課題に対する思考プロセスと行動力の確認
「学生時代の取り組み」で最も重視されるのは、課題をどう発見し、どう解決へ向かったか、その思考と行動の筋道である。結果の大きさより、問題を直視する勇気と、自分の手で動く力を見ている。
採用担当者が知りたいのは、君が仕事の現場で即戦力になるかどうかである。指示を待つ人間か、自ら課題を見つけて動く人間か、その判断の癖と行動パターンが、入社後の働き方をそのまま予測させる。
学生時代の小さな実績でも、「受け身か主体的か」「課題を放置か掘り下げか」が鮮明に映っていれば、それで十分評価される。
多くの学生は結果(「売上10倍」「企画が採用された」)に注力するが、採用担当者の目は結果より前段階の「考え方の質」に集中している。君の思考の癖が、企業の風土や職場の課題解決力にマッチするか、その相性を判定しているのだ。
2-3.入社後の再現性(活躍イメージ)を見る視点
採用担当者が最後に確認するのは、この学生が入社後、同じように課題を見つけ、周囲を巻き込みながら動けるかという「再現性」である。学生時代の経験が、仕事の現場でも活かされる可能性があるか、その見立てが内定の判断に大きく影響する。
企業の現場はサークルやアルバイトと異なり、高度な判断と制約が常にある。
その環境で君の問題解決能力がどう発揮されるか、上司や先輩とのコミュニケーション経験は活きるか、学生時代の小さな環境から企業という大きな環境へ、その経験をどこまで拡張できるかが評価の鍵となる。
例えば、「サークルで人間関係の軋轢を調整した」という経験は、営業職では「クライアント間の要望の相違を整理し、落としどころを見つける能力」として再現される可能性がある。
このように、職種や環境が変わっても通用する「コア能力」を、採用担当者は学生時代の経験から読み取ろうとしている。
再現性が高い経験とは、単なる「やったこと」ではなく、「その環境で何に気づき、どう判断し、その判断が周囲にどう影響したか」が明確に言語化されているものである。
2-4.企業規模・業界による評価傾向の違い
同じエピソードでも、企業規模や職種によって、評価される軸が大きく異なる。大企業とベンチャー、文系職と理系職では、「活躍イメージ」が全く変わるため、書き方の重点の置き方を調整する必要がある。
大企業は「システムや制度の中で、いかに主体的に行動できるか」「複数のステークホルダーの意見を調整し、チーム全体で目標へ向かえるか」を重視する。
一方、ベンチャーは「不確実な環境で、自分で判断し、即座に行動できるか」「失敗を恐れず、試行錯誤で課題を解く姿勢」を評価する。
同じ「企画を提案した」という経験でも、大企業なら『根回しと調整』、ベンチャーなら『スピード感と実行力』に重点を置く必要がある。
職種による評価の違いも大きい。営業職や企画職は「人間関係の構築と課題解決」を重視するが、企画職やエンジニア職は「論理的思考と問題分析」に比重が置かれる。次の表に、代表的な企業規模と職種による評価軸の違いをまとめた
| 企業規模・職種 | 重視される能力 | エピソード選びのコツ |
|---|
| 大企業・営業職 | 協調性、根回し、チームワーク | 個人の成果より、集団でどう動いたかを強調 |
| ベンチャー・営業職 | 行動力、主体性、実行スピード | 失敗から何を学び、即座に改善したか |
| 大企業・事務職 | プロセス理解、ルール遵守、計画性 | 課題を論理的に整理し、手順立てて解いた経験 |
| 企業・技術職 | 問題分析、試行錯誤、学習意欲 | 困難な技術的課題に、どう向き合ったか |
自分が応募する企業の特性を理解した上で、どの経験を、どの側面から語るかを戦略的に選ぶことで、採用担当者の目に刺さるエピソードになる。派手でなくても、企業が求める人物像と一致していれば、評価は大きく変わる。
3.書く前に整理すべきエピソードの選び方
エピソード選びで手が止まるのは、実績の派手さだけを求めているからかもしれない。採用担当者が本当に見ているのは「何をしたか」ではなく「課題にどう向き合い、何を学んだか」というプロセスである。
つまりどんな経験でも、構成と描写次第で評価される材料に変わる。ここでは、手元にある経験から最適なエピソードを選び出し、書きやすい状態に整理する方法を4つのステップで解説する。
- 経験を洗い出すステップ
- 志望企業が求める人物像との照合
- 複数候補から1つに絞る判断基準
- 「実績の大小」にこだわらない選び方
3-1.経験を洗い出すステップ
まず大切なのは、自分の過去4年間の経験を一覧化することだ。サークル・バイト・学業・資格取得・ボランティア・インターンシップなど、学生生活のあらゆる場面を思い出す。
この段階では「これは書く価値がある」「これは平凡すぎる」と判断してはいけない。採用担当者の視点がまだ入っていないからである。
経験の大小ではなく、課題や工夫が存在する場面を見つけることが次のステップの成功を左右する。だからこそ、まずは全ての経験を出し切ることが重要である。
書き出した経験に対して、次のような質問に答えてみてほしい。その経験の中で、「困ったこと」「工夫したこと」「続けるために頑張ったこと」があるか見つけ出そう。
3-2.志望企業が求める人物像との照合
経験を洗い出した後は、志望企業がどんな人物像を求めているかを確認する段階に進む。企業の採用ページや説明会資料、社員インタビューから「主体性」「課題解決能力」「コミュニケーション」など、求められる素質を見つけ出す。
そして手元の経験リストと照らし合わせ、その企業の評価軸に合いやすいエピソードを絞り込んでいく。
同じエピソードでも、企業の求める人物像に沿って表現を調整すれば、評価される可能性は大きく変わる。
例えば「サークルで企画を立てた」という経験は、コンサルティング志望なら「課題分析と施策立案」を、営業志望なら「チームの協調と目標達成」を強調する方向で描写する。
採用担当者に「この学生は弊社で活躍する素質がある」と思わせるには、あなたの経験が企業の経営課題や職務内容とどう結びつくかを、書き手が明示する必要がある。
したがって、経験選びの前に企業研究をしっかり行い、求める人物像を言語化することが欠かせない。
3-3.複数候補から1つに絞る判断基準
複数の適切なエピソードが見つかった場合、最終的には1つに絞る必要がある。その判断軸は「課題・行動・成長が説明しやすいか」という一点に絞られる。
構成が整理しやすく、数字や具体的な学びを加えやすいエピソードこそが、最も説得力を持つ文章に育つ。
例えば、ある学生が「サークルの新人教育を企画した」と「バイト先の売上目標達成に向けて工夫した」の2つのエピソードを持っていたとする。前者は「背景→課題の発見→企画立案→実行→結果と学び」という流れが明確である。
一方、後者は「何が課題だったのか」「自分は具体的に何をしたのか」を詰める作業が複雑になる可能性がある。こうした場合、構成が明快な前者を選ぶ方が、400字や600字の制限内で説得力を持たせやすい。
迷った時は、より詳しく話せるエピソードを選ぶ。言葉が詰まるエピソードは、あなた自身がまだ整理できていない可能性が高い。
3-4.「実績の大小」にこだわらない選び方
ここで気づいておくべき罠がある。採用担当者の中には「部長や代表経験がないと評価されない」「研究やボランティアなど特別な活動でないと印象に残らない」という思い込みが採用側にあると、一部の就活生は信じている。
だがこれは誤りである。実績の大小は、あまり重要ではない。むしろ採用担当者が評価しているのは「小さな課題にどう気づき、どう行動し、何を得たか」という思考の質である。
例えば「毎日のルーチン業務の中で非効率さに気づき、独自の方法を試してみた」というレベルのエピソードでも、そこに課題認識と主体的な試行錯誤があれば十分に評価の対象になる。
つまり「リーダー経験や大きな実績がない」という不安は、エピソード選びの障壁にはならない。むしろ、日常の中の小さな工夫や気づきを、論理的に説明できる力を磨く方が、選考突破につながる。
自分の経験リストから「課題と工夫と学びが詰まったエピソード」を見つけ出すことに専念してほしい。
4.「学生時代の取り組み」を書くための構成の作り方
採用担当者が「学生時代の取り組み」から評価するのは、何をしたかではなく、どう考え行動したかというプロセスだ。だからこそ、平凡な経験でも構成次第で説得力を持つ文章に仕上がる。
ここではSTAR法(状況・課題・行動・結果)という構成フレームワークを使い、実際の文章構成手順を段階ごとに解説する。このフレームワークを理解することで、自分のエピソードを採用担当者の評価軸に合わせた形で言語化できるようになる。
- STAR法(状況・課題・行動・結果)の基本構成
- 状況と課題を簡潔に伝える書き方
- 行動プロセスを具体的に描写するコツ
- 結果と学びを数字で裏付ける方法
4-1.STAR法(状況・課題・行動・結果)の基本構成
STAR法とは、Situation(状況)→ Task/Trouble(課題)→ Action(行動)→ Result(結果)の順で経験を構成するフレームワークのことだ。採用担当者はこの流れに沿って読むことで、読者が課題にどう向き合い、何を学んだかを自然に理解できる。
なぜこの順序が重要かというと、読者は「なぜこの行動をしたのか」という背景があってはじめて行動の意味を評価できるからだ。いきなり行動や実績だけを述べられても、その重要性や工夫が伝わらない。
状況と課題を先に明示することで、その後の行動がなぜ必要だったのか、どんな判断のもとで実行されたのかが伝わり、採用担当者の納得度が高まる。
実際の構成では、各要素を以下の順で組み立てる。まず状況では、いつ・どこで・何の活動に取り組んでいたかを簡潔に述べる。次に課題では、その活動の中で自分が気づいた問題や改善すべき点を明示する。
そして行動では、課題に対して自分が実際に何をしたか、どう工夫したかを具体的に描く。最後に結果では、その行動の成果を数字や具体的な変化で示し、そこから何を学んだかを述べる。
このフレームワークを軸にして文章を構成すれば、どんなエピソードでも採用担当者に伝わりやすい形に仕上がる。
4-2.状況と課題を簡潔に伝える書き方
多くの学生が陥る失敗は、状況説明に文字数をかけすぎることだ。「大学〇年時に〇〇サークルに所属し、毎週金曜日に〇〇で活動していました」と背景を長々と述べても、採用担当者の関心は「その中で何に気づき、何をしたか」に向く。
状況は背景ではなく、課題が生まれた舞台を示すもの。背景説明は20〜50字程度に絞り、課題の説明に文字数を割くことが重要だ。
具体的には、状況では「〇〇の活動で」と一言で済ませ、課題には「その活動の中で自分が具体的に何に困ったのか、何が課題だったのか」を明示する。課題が曖昧だと、その後の行動の意義が伝わらない。
「営業成績が上がらない」「チームの連携がうまくいっていない」「自分の提案に説得力がない」など、具体的な困りごとを述べることで、読者は「この人は課題を認識し、向き合おうとしている」と感じ取る。
NG例は「大学時代、〇〇サークルの代表として活動していました」と背景だけ述べることだ。OK例は「〇〇サークルの代表として、新入生確保が課題だった」と、背景と課題を一文で結びつける書き方だ。
このようにコンパクトに状況を述べてから課題へ進めば、文字数を節約しながら説得力が高まる。
4-3.行動プロセスを具体的に描写するコツ
採用担当者が最も見ているのは行動の部分だ。なぜなら、行動には個人の思考、判断基準、工夫が最も強く表れるからだ。
「営業ノルマを達成した」という結果だけでは評価されない。その達成のためにどう考え、何を試し、どう改善したかという過程が、採用担当者にとっての評価軸になる。
行動を具体的に述べるコツは、「何をしたか」だけでなく「なぜそうしたか」「どう工夫したか」を同時に述べることだ。例えば「営業先を100社開拓した」では工夫が見えない。
「営業先が不足していたため、既存顧客へのヒアリングから新規開拓の優先順位を決め、対象企業100社をリスト化した。その結果、営業効率が30%向上し、月間契約件数が過去最高を記録した」と述べれば、思考プロセスと工夫が明確に伝わる。
実例では「飲食店のバイトで客数が減少していたため、既存メニューの売れ筋をデータ分析し、仕込み量を最適化する提案を店長にした。
結果、廃棄ロスが前月比45%削減され、同時に客単価も5%向上した」というように、思考→実行→成果の流れを短く凝縮する。
このように行動プロセスを描くことで、採用担当者は「この学生は課題に向き合い、主体的に考えて行動する人だ」と判断する。
4-4.結果と学びを数字で裏付ける方法
結果の部分で多くの学生が失敗するのは、成果を数字で示さず、「チームが成長した」などの抽象的な表現に留まることだ。これでは採用担当者は懐疑的になるため、結果は定量的なデータで示し、客観性を高めることが重要だ。
定量的な結果がない場合でも、「参加者からの具体的な評価」や「その後の変化」を具体例で示すことで説得力は高まる。
「連携が改善された」ではなく「連携ミスが月5件から1件に減少し、納期を短縮できた」と述べたり、外部からの評価や波及効果を伝えたりするのが有効だ。
また、論文の選出や発表機会といった成果を具体的に述べた上で、そこからの学びが職業人生にどう活きるかを示すことも欠かせない。そうすることで、採用担当者は「経験から主体的に学んでいる」と評価する。
このように、結果と学びを数字や具体例を用いて構成すれば、平凡なエピソードであっても説得力のあるES文に仕上がる。
5.文字数別に見る書き方の調整ポイント
「学生時代の取り組み」は設問の字数制限に応じて、盛り込む情報量と表現の深さを戦略的に調整する必要がある。
200字と600字では読者に与えるべき情報が異なり、同じエピソードでも字数に応じて構成を変えなければ、採用担当者に伝わる説得力が大きく変わる。
このセクションでは、字数別の書き方のコツと、実際の例文を通じて、どうやって自分のエピソードを最適な形に調整するかを解説していく。
- 200字程度:結論と要点を凝縮する書き方
- 400字程度:ストーリー性を持たせる書き方
- 600字程度:背景と学びまで詳述する書き方
- 文字数オーバー・不足時の調整テクニック
5-1.200字程度:結論と要点を凝縮する書き方
200字という短い枠では、状況→課題→行動→結果の流れを最小限に圧縮し、最も重要な「気づき」だけを選んで述べる要約力が問われる。
限られた字数で採用担当者の注意を引くには、余分な修飾語や詳細な背景説明を削り、核となるメッセージを直線的に伝えることが不可欠だ。
この字数で陥りやすいのが、複雑な経験を無理やり圧縮して、何を学んだのか不明確になる失敗。
代わりに、1つの課題と1つの解決行動に絞り、そこから得た学びを1文で結論づけることで、採用担当者は短時間であなたの思考パターンを理解できるようになる。
例えば、サークル運営の経験を200字で書く場合、「新歓イベントの参加者が前年比30%減という課題に直面し、SNSでの告知方法を工夫して50%増に転換した。
情報発信の工夫がターゲット層への到達を左右することを学んだ」という形で、導入から結論まで一気に流すイメージだ。
冗長な説明を避け、採用担当者が最後まで読み切れる密度を意識すること。
5-2.400字程度:ストーリー性を持たせる書き方
400字になると、単なる事実の羅列ではなく、課題にぶつかった時の思考プロセスと、そこからの試行錯誤を読者が追体験できるストーリー構成が求められる。
採用担当者は「何をしたか」だけでなく、「なぜそうしようと思ったのか」「うまくいかない時はどう考えたのか」というあなたの判断基準や粘り強さを知りたいのだ。
最初の試みがうまくいかず、別のアプローチに切り替えたというプロセスを入れることで、あなたが課題に対して受け身ではなく能動的に対応したこと、柔軟に考え方を変えられることを印象づけられる。
400字では「最初の試み→壁にぶつかる→視点を変える→成功」という起伏のある構成にすることで、採用担当者の興味を保ち続けられる。
例えば、アルバイトの経験なら「顧客対応で不満が多いという課題に気づき、まずマニュアルを厳密に守る対応を徹底したが改善せず、むしろ顧客が求めているのは柔軟な対応だと気づいた。
その後、個別ニーズに応じた対応に切り替え、満足度が向上し、リピート率が20%増加した」というように、思考の転換点を明確に示すと、単なる成功例ではなく、あなたの学習プロセスが伝わる。
5-3.600字程度:背景と学びまで詳述する書き方
文字数が600字まで増えると、課題が生じた背景、行動の詳細、結果後の内省、そして将来への展開まで、立体的で説得力のある物語として構成できる。
これにより、採用担当者はあなたがその経験から何を本当に学び、それが仕事にどう繋がるのかを深く理解できる。さらに、困難に対する悔しさや工夫、視点の変化といった人間らしい葛藤を織り交ぜることで、より心に残る内容になる。
たとえば学園祭実行委員の経験なら、「イベント3ヶ月前に来場者予測と予算計画が立たない課題に直面し、過去データだけでなくSNS分析やアンケート調査を取り入れた。
多角的なデータ収集によって正確な予測が可能になり、結果として来場者は目標比115%を達成した。この経験から多面的なデータ収集の重要性を学び、貴社の営業企画でも顧客ニーズの分析に活かしたい」というようにまとめる。
こうすることで、背景から将来の活用まで一貫した説得力のある説明が可能になる。
5-4.文字数オーバー・不足時の調整テクニック
実際のES作成では、指定字数に対して意図せず長くなったり短くなったりすることがよくある。その際、むやみに文字を削ったり足したりするのではなく、文構成と情報の優先順位を明確にして調整することが重要だ。
字数が足りない場合は、単語や副詞を足すのではなく、圧縮された情報に具体的な数字や感情表現を加えることで、説得力を保ちながら字数を伸ばせる。
字数をオーバーしている場合は、最も主張したいメッセージを直線的に伝え直すことで、スッキリした表現に変わる。
例えば、当初600字の枠に書いたものが800字超になってしまった場合、「背景の詳細な説明」「複数の試行錯誤」「複数の学び」から、最もインパクトのある1つだけを選んで、その1点を深掘りする形に構成し直すと、800字→650字程度に調整できる。
逆に、指定が400字なのに250字しか書けなかった場合は、「課題に気づいたきっかけは何か」「行動に踏み切った理由は何か」という問いかけに短く答える形で、30字程度の追加説明を挿入することで自然に字数を埋められる。
無理やり同義反復や装飾的な表現を足すのではなく、読者が「なぜ?」と思う部分に答える情報を補足する意識を持つこと。
6.「学生時代の取り組み」でありがちな失敗と改善の方向性
採用担当者が見ているのはエピソードの派手さではなく、課題への気づきと行動のプロセスである。にもかかわらず、多くの学生が抽象的な表現、専門用語の羅列、盛りすぎた表現によって、本来伝わるべき内容を曇らせてしまう。
ここではよくある4つの失敗パターンと、それぞれの改善方法を紹介する。自分の文章を見直す際の視点が身につく。
- 抽象的すぎる文章のNG例と改善例
- 専門用語が多すぎる文章のNG例と改善例
- 盛りすぎ・誇張表現のNG例と改善例
- テーマ選びの誤解によるNG例と改善例
6-1.抽象的すぎる文章のNG例と改善例
ESにおいて評価を下げる最も一般的な失敗は、何をどう工夫したのかが読み手に伝わらない抽象的な表現だ。
「頑張った」「工夫した」「改善した」といった言葉を並べるだけでは、採用担当者は君の具体的な行動や思考プロセスを全くイメージできない。理由は明確で、採用担当者はそのようなありきたりな表現を何百件も見ているからだ。
具体的な数字・行動・結果が伴わなければ記憶に残らず、評価の対象外になる可能性が高い。特に400字以上の記述枠では、この具体性の差が評価に大きく響く。
例えば、「営業のアルバイトで、成約率を上げるために頑張ってアプローチを工夫し、結果的に成績が向上した」というNG例では、どのような行動をとったのかが不明確だ。
これを改善し、「営業のアルバイトにおいて、顧客の潜在ニーズを引き出すために独自のヒアリングシートを作成し、提案内容を顧客ごとに個別化した。その実践結果、成約率が20%から32%に上昇した」と書く。
このように、具体的な手法と変化を示す数字が入ることで初めて文章に説得力が生まれ、採用担当者も君の実力や思考力を正当に評価できるようになるのだ。
6-2.専門用語が多すぎる文章のNG例と改善例
研究やサークル活動で得意分野がある学生は、専門用語をそのまま使いがちだ。しかし、採用担当者が全分野の知識を持っているわけではなく、用語の説明がなければ内容は伝わらない。
専門用語が多用された文章は読み手の認知負荷を高め、せっかくのエピソードの価値を半減させてしまう。一度で理解できる平易な言葉を使えば、君の実績や工夫はストレスなく相手に伝わる。
改善のコツは、専門用語を使わずに別の表現に言い換えるか、初出時に簡単な説明を加えることだ。
例えば、「STP分析を実施し、セグメント別のプロモーション施策を実行した」というNG例は、「ターゲット層(高校生女性)の特徴を分析し、その層に合わせた広告方法(SNS投稿)と宣伝文を作成した」と改善できる。
このように「STP分析」という専門用語を避け、「ターゲットを分析して宣伝を工夫した」と平易に言い換えるだけで、採用担当者へ圧倒的に伝わりやすい文章になる。どうしても用語が必要な場合でも、1〜2語の補足説明を加えるだけで十分だ。
6-3.盛りすぎ・誇張表現のNG例と改善例
エピソードが平凡だと感じて、「革新的な提案をした」「劇的に変わった」などと無意識に話を盛ってしまう学生は多い。
しかし、長年の経験を持つ採用担当者には裏付けのない誇張は見抜かれ、かえってマイナス評価につながる。「初めて達成した」のような絶対化表現は避け、等身大のエピソードを正直に伝える方が信頼を勝ち取れる。
改善のポイントは、誇張を削り、実績を正確かつ前向きな数字で表現することだ。
例えば、「私の企画で参加者が劇的に増加し、史上最高の盛況となった」というNG例は、「前年比15%増を目指して新しい企画を3つ立案し、結果として年間参加者が50人から58人に増えた」と改善できる。
「劇的に」「史上最高」といった誇張を省き、具体的な数字と「目標設定から複数案の検討、そして結果」というプロセスを明確にするのだ。これにより、一見平凡なエピソードであっても信憑性が増し、圧倒的に説得力のある文章に仕上がる。
6-4.テーマ選びの誤解によるNG例と改善例
「学生時代の取り組み」で高評価を得ようと、部長やリーダー経験ばかりを探す学生は多い。しかし、採用担当者が見ているのは役職や実績の大きさではなく、課題への向き合い方と工夫である。
リーダー経験がないからと劣等感を抱く必要はない。一般的な立場で限られた権限の中で工夫を重ねる姿勢の方が、かえって実務に近い思考力や対応力を示せる場合すらある。
エピソード改善のコツは、「規模」ではなく「工夫」に目を向けることだ。「部長として新人育成制度を導入した」という役職と実績だけを語るNG例では、思考プロセスが全く伝わらない。
これを「新人の退部が相次ぐ課題に対し、実践重視の育成法を提案。月2回の座談会で関係構築の時間を増やし、退部者をゼロにした」と改善する。
立場が明記されずとも、「課題認識から原因分析、具体的な工夫、結果」に至るプロセスが明確になれば、君の問題解決能力が伝わり、十分に評価される文章に仕上がる。
7.通過率を左右する「学生時代の取り組み」の評価基準
企業が「学生時代の取り組み」を聞くのは、実績の大きさではなく「課題に気づき、主体的に行動し、経験から学ぶ」という思考プロセスを評価するためだ。
派手なリーダー経験や特別な実績がなくても、「課題認識→仮説→実行→検証」の過程を論理的かつ具体的に伝えられる学生は高く評価される。
また、同じエピソードでも設問の意図に応じた使い分けが不可欠だ。「自己PR」では結果から得られた強みを、「ガクチカ」では投じた熱量や規模を、「学生時代の取り組み」では課題認識と工夫のアプローチに比重を置く。
これらを使い分けず同じ内容を使い回すと、思考が浅いと判断されてしまう。さらに、営業職なら顧客視点、エンジニアなら技術的改善など、志望職種が重視する基準に合わせることも合否を分ける鍵だ。
最後に、説得力を高める「言語化の具体性」を意識すべきだ。客観性を持たせる「数字」、行動の理由となる「思考」、そして入社後の活躍を想像させる「学びの将来への展開」の3点を盛り込む。
これらを徹底するだけで、平凡な経験でも説得力が大きく変わり、採用担当者の心を動かす文章に仕上がるのだ。
8.エピソードが見つからないときの考え方
学生時代の取り組みを書く際に、「何を書けばよいか思いつかない」と悩む就活生は多い。特別な経験やリーダー経験がないと感じると、さらに不安は大きくなる。
自分がどんな場面で感情が動き、何に継続力を発揮し、どんな困難を乗り越えたのかを振り返る質問に丁寧に答えることで、選考を通過するエピソードは多くの場合見つかる。
- 「悔しい」「嬉しい」と感じた瞬間を振り返る質問
- 継続していること・工夫したことを振り返る質問
- 苦手を克服した経験を振り返る質問
- 掘り起こした経験をエピソードに変換する視点
8-1.「悔しい」「嬉しい」と感じた瞬間を振り返る質問
感情が大きく動いた瞬間は、あなたが何に価値を感じ、どんなときに行動に駆き立てられるのかを示す重要な手がかりだ。
「悔しい」「嬉しい」といった感情にはあなたの行動軸や価値観が表れており、採用担当者が人物像を深く理解するための判断材料となる。
その感情の裏にある自身の目標や信念を掘り下げるためには、以下の問いに向き合うとよい。
- 直近1年で「悔しい」と感じた出来事は何か
- その悔しさに対して、自分は具体的に何をしたか
- 結果として何が変わったか(あるいは変わらなかったか)
- 「嬉しい」「達成感があった」と心が満たされた経験は何か
- その際、自分は周囲に対してどう貢献していたか
学業での挫折で何を取り戻したかったのか、サークルの成功で何を大切にしていたのか、アルバイトで感謝された際にどんな行動ができていたと実感したのか。
こうした小さな出来事に対する問いに丁寧に答えることで、自身の行動パターンや大切にしている価値観が明確になる。
採用担当者は、これらの回答から「この学生は特定の状況下でどう考え、どう動くのか」を正確に読み取る。感情の源泉から自身の行動を紐解き言語化できれば、一見平凡なエピソードであっても、格段に説得力のある文章に仕上がる。
8-2.継続していること・工夫したことを振り返る質問
継続は、困難に直面しても前に進もうとする姿勢を示す。「3日以上続けたこと」や「自分なりに工夫したこと」は、あなたの粘り強さや創意工夫の力を最も直接的に伝えられるテーマになる。
特に採用担当者は、結果の大きさより、その過程でどんな試行錯誤をしたか、障害にぶつかったときにどう工夫を重ねたかを重視する。有給実績がなくても、小さな工夫を積み重ねた経験は十分に評価される。
以下の質問に答えて、あなた自身の継続と工夫の源泉を掘り起こしてみてほしい。
3日以上続けたことや自分なりの工夫を思い出す質問
- 学生時代に3ヶ月以上続けたことは何か(勉強、運動、趣味、アルバイトなど)
- 続けるのが辛かった時期はあるか、あればどう乗り越えたか
- その過程で、自分は何か工夫や改善を加えたか
- その工夫で、どんな小さな変化や成果が生まれたか
- その継続から学んだことは何か
これらの質問の答えが、あなたのエピソードの骨格になる。「毎日1時間勉強を続けた」という事実より、「最初は集中力が続かなかったから、15分ごとに休憩時間を入れて工夫した」という試行錯誤の過程の方が、採用担当者の目には格段に魅力的に映る。
8-3.苦手を克服した経験を振り返る質問
誰もが苦手分野を持っている。その苦手とどう向き合い、どのように少しずつ改善していったかという経験は、学習能力や課題解決力の証拠になる。
大事なのは、苦手を完全に克服することではなく、苦手に気づき、自分なりの対策を立て、粘り強く改善しようとしたプロセス。この プロセスこそが、入社後の成長性を測る重要な指標になるのだ。
以下の質問で、あなたの課題解決能力を言語化してみてほしい。
苦手だったことが少しでも良くなった経験を思い出す質問
- 学生時代に苦手だったことは何か(科目、スポーツ、対人関係など)
- その苦手さが直面する課題は何だったか
- その課題を乗り越えるために、自分は何をしたか
- 実際に状況は改善したか、あるいはどの程度改善したか
- その経験から、自分は何を学んだか
「数学が苦手だったけど、参考書を3冊試して、自分に合ったものを見つけた」「プレゼンテーションが怖かったから、友人の前で何度も練習した」—こうした小さな克服経験も、十分に選考を通過させるエピソードになり得る。
8-4.掘り起こした経験をエピソードに変換する視点
上記の質問で見つけた経験を、選考を通過させるエピソードに育てるには、STAR法を使って論理的に構成する必要がある。見つけた小さな経験を、「状況(S)→課題(T)→行動(A)→結果(R)」の順で言語化することで、採用担当者にとって説得力のあるストーリーに変わる。
例えば、「サークルで後輩指導をした」というシンプルな経験も、STAR法で整理すると次のようになる。
具体例:後輩指導の経験をSTAR法で構成
状況:30人規模のサークルで、毎年新入生が脱落するという課題があった。理由を聞くと「何をすればよいか分からない」という声が多かった。
課題:新入生の不安を払拭し、やる気を継続させる環境をつくること。
行動:先輩・後輩のペアリングシステムを作り、週1回の進捗確認面談を立ち上げた。
結果:半年後、新入生の脱落率が前年比で30%減少した。
このように4段階に分けて書くことで、単なる「後輩を指導した」という事実から、「課題を発見し、対策を立案し、実行し、成果を測定できる人物」という人物像が立ち上がる。
文字数制限(200字・400字・600字)に応じて、盛り込む情報量を調整することも重要だ。200字では「課題と行動」に絞り、400字では「課題・行動・学び」を、600字では「背景・課題・行動・成果・学び」まで盛り込むといった工夫が必要になる。
掘り起こしたエピソードを、指定字数に合わせて磨き上げることで、初めて選考を通過させるESが完成する。
9.書き上げた「学生時代の取り組み」を見直すためのチェック観点
エントリーシートは書き終えた瞬間がゴールではない。提出前の見直しで通過率は大きく変わる。
ここでは4つの観点から、自分の文章を客観的にチェックする方法を紹介する。読み返す視点を持つだけで、気づけなかった弱点が見えてくるはずだ。
- 構成(STAR法の流れ)が崩れていないかの確認
- 具体性・数字が十分に盛り込まれているかの確認
- 自己PR・ガクチカと内容が重複していないかの確認
- 第三者添削を受けるべきタイミングの見極め
9-1.構成(STAR法の流れ)が崩れていないかの確認
まず確認すべきは、状況・課題・行動・結果の順番が途切れていないかという点である。話があちこちに飛ぶと、採用担当者は思考の流れを追えなくなる。
構成が崩れる原因の多くは、途中でエピソードを詰め込みすぎることにある。情報量を増やすほど論理の一貫性が失われやすいため、要素の取捨選択が重要になる。
具体的には、各文がどの要素(状況・課題・行動・結果)に属するかを色分けして見直す方法が有効だ。
何を見るか
- 状況説明が長すぎて行動の記述が短くなっていないか
- 課題と行動の因果関係が明確か
- 結果が数字や事実で示されているか
この4要素が過不足なく揃っているかを確認するだけで、文章の説得力は大きく上がる。次は具体性の側面から見直していく。
9-2.具体性・数字が十分に盛り込まれているかの確認
次に見るべきは、抽象的な表現に頼っていないかという観点である。「頑張った」「努力した」だけでは、何をしたのか伝わらない。
抽象語が多い文章は、読み手に想像を委ねてしまう。具体的な行動と数字を添えることで、初めて説得力のある事実として伝わるのだ。
具体例
例えば「サークル活動を頑張った」だけでは根拠が弱いが、「週3回の練習に加え、後輩指導の時間を週2時間確保した結果、大会出場者が前年比2倍になった」と書けば、行動と成果が明確に伝わる。数字は必ずしも大きな実績である必要はなく、頻度や期間でも十分に説得材料になる。
抽象語を見つけたら、その裏にある具体的な行動や数字を書き足せないか、一文ずつ確認してほしい。この作業だけで文章の解像度は一段上がる。
9-3.自己PR・ガクチカと内容が重複していないかの確認
3つ目の観点は、自己PRやガクチカと同じ強調軸になっていないかという点だ。同じエピソードを使う場合でも、強調するポイントは変えるべきである。
「学生時代の取り組み」は行動プロセスを、自己PRは人物像や強みを見せる設問だ。両方が同じ軸で書かれていると、採用担当者には重複した印象しか残らない。
提出前には、自己PRの文章と並べて読み比べる方法が有効だ。同じ形容詞や同じ結論に偏っていないかを確認し、片方は行動の過程、もう片方は性格や強みに焦点をずらすとよい。
エントリーシートの記入欄をまとめて見返す習慣をつけておくと、こうした重複に気づきやすくなる。
この確認を怠ると、複数の設問すべてが似たような印象になり、応募者としての幅を見せられなくなってしまう。
9-4.第三者添削を受けるべきタイミングの見極め
最後の観点は、自分一人で判断せず第三者の目を入れるべき時期を見極めることである。特に複数社への提出が重なる時期は要注意だ。
自分の文章は繰り返し読むうちに違和感を感じにくくなる。
書いた本人には当たり前でも、初めて読む人には伝わらない部分が多くの場合存在するため、外部の視点が欠かせない。
自分の文章を見直す4つの観点を通しても不安が残るなら、それは第三者の意見が必要なサインである。早めに相談することで、修正の時間も十分に確保できる。
10.エントリーシート「学生時代の取り組み」の例文5選
最後に、多くの就活生が抱く疑問に答える。ここまでの内容を踏まえた上で、細かい不安を一つずつ解消しておこう。
10-1.学業(研究活動):深掘りと粘り強さをアピール
例文
大学のゼミで「行動経済学が消費者の購買意欲に与える影響」について研究した。当初は先行研究の理解に苦戦し、テーマの方向性を見失うこともあった。しかし、諦めずに毎週のゼミで教授や先輩に積極的に質問し、関連書籍を10冊以上読み込んだ。
また、実際にスーパーマーケットに足を運び、顧客の動線を観察する独自のフィールドワークも行った。結果として、理論と実態を結びつけた論文を執筆し、学内の論文発表会で優秀賞を受賞した。この経験から、困難に直面しても自ら行動し、多角的な視点から解決策を見出す粘り強さを学んだ。
学業や研究活動は、学生の本分であり、論理的思考力や課題解決能力をアピールしやすいテーマである。
単に「頑張った」と述べるのではなく、具体的にどのような困難があり、それをどのように乗り越えたのか(教授への質問、文献講読、独自のフィールドワークなど)を明確にすることがポイントだ。
この例文では、インプット(学習)とアウトプット(実践)の両方を行った点が高評価につながる。注意点として、専門用語を多用しすぎず、専門外の面接官にも理解できる平易な言葉で説明することが重要である。
結果として「粘り強さ」という社会人として必須のスキルを説得力を持って伝える効果がある。
10-2.アルバイト(接客業):課題発見と改善策の実行
例文
カフェのアルバイトで、新人研修の効率化に取り組んだ。従来は口頭での指導のみで、人によって教え方にバラつきがあり、新人が業務を覚えるまでに時間がかかっていた。そこで、私は図解を用いた「業務マニュアル」の作成を店長に提案し、他のスタッフと協力して完成させた。マニュアルには、よくあるミスやその対策も盛り込んだ。導入後、新人の独り立ちまでの期間が平均1ヶ月から3週間に短縮され、教える側の負担も軽減された。この経験から、現状の課題を見つけ出し、周囲を巻き込んで改善していく主体性の重要性を学んだ。
アルバイトの経験は多くの学生がアピールするため、差別化を図る必要がある。単なる業務内容の羅列ではなく、「自ら課題を発見し、解決に向けて行動した」エピソードを選ぶことが重要である。
この例文では、「属人的な指導」という課題に対し、「マニュアル作成」という具体的な解決策を実行し、「独り立ち期間の短縮」という定量的な成果を上げている点が優れている。
注意点として、自分一人の手柄として語るのではなく、「他のスタッフと協力して」のように、チームワークの要素を盛り込むとより印象が良くなる。主体性と協調性を同時にアピールできる効果的な構成である。
10-3.サークル活動(イベント企画):リーダーシップとチームビルディング
例文
テニスサークルの副代表として、新入生歓迎合宿の企画・運営を主導した。例年、参加率の低下が課題だったため、アンケートを実施してニーズを調査した。その結果、テニス以外のレクリエーションを求める声が多いことが判明した。そこで、BBQやクイズ大会をプログラムに追加し、広報係と連携してSNSでの告知を強化した。準備段階ではメンバー間で意見の対立もあったが、こまめにミーティングを開き、全員が納得するまで話し合った。結果として、過去最多の50名の参加者を集めることができた。目標達成に向けてチームをまとめ上げるリーダーシップを培った。
サークルや部活動の経験では、組織の中での役割や人間関係構築力が問われる。
特にリーダーや役職経験者は、単に「まとめました」と言うのではなく、どのようにチームを動かしたのか、困難(意見の対立など)をどう乗り越えたのかを具体的に描写することが求められる。
この例文では、アンケート調査に基づく仮説検証(ニーズの把握)と、それに対する具体的な施策(プログラム変更、SNS告知)が論理的に展開されている。これにより、目標達成意欲とチームを牽引する力を示すことができる。
10-4.ボランティア活動:多様な価値観の受容と貢献意欲
例文
地域の学習支援ボランティアとして、経済的困難を抱える中学生の学習指導に半年間携わった。当初は生徒の学習意欲が低く、なかなか心を開いてくれなかった。そこで、勉強を教えるだけでなく、まずは休憩時間に趣味の話をするなど、信頼関係の構築に努めた。また、生徒の理解度に合わせてオリジナルのプリントを作成し、小さな成功体験を積ませるよう工夫した。徐々に生徒からの質問が増え、最終的には第一志望の高校に合格させることができた。相手の立場に立ち、寄り添いながらサポートする力と、社会に貢献する喜びを学んだ。
ボランティア活動は、利益を目的としないため、その人の本質的な価値観や貢献意欲、ホスピタリティが表れやすい。相手(この場合は中学生)の状況や心情を想像し、どのようにアプローチを変えたのかを丁寧に説明することがポイントとなる。
この例文では、「信頼関係の構築」と「個別の学習支援(オリジナルプリント作成)」という2つのアプローチで課題を解決している。
注意点として、「やってあげた」という独善的な態度はマイナス評価になるため、相手の成長や変化を通じて自分が何を学んだのかに焦点を当てることが重要である。傾聴力や他者支援の姿勢をアピールするのに効果的だ。
10-5.長期インターンシップ:実務経験とビジネススキルの獲得
例文
ITベンチャー企業での長期インターンで、自社サービスの新規開拓営業を経験した。最初はテレアポで断られる日々が続き、アポイント獲得率は1%未満だった。原因は、顧客のニーズを把握せずに一方的な説明をしていることだと気づいた。そこで、事前に企業の課題をリサーチし、自社サービスがどう貢献できるか仮説を立ててから架電するよう改善した。さらに、営業成績優秀な社員のトークスクリプトを分析し、自分の言葉に落とし込んだ。結果、アポイント獲得率は5%に向上し、月に3件の成約に貢献できた。仮説思考とPDCAサイクルを回す実行力を身につけた。
長期インターンシップは、実務に近い経験として、即戦力やビジネスへの適性をアピールできる強力な武器となる。アルバイト以上に、結果に対するコミットメントやビジネスプロセス(PDCAなど)の理解が求められる。
この例文では、低いアポイント率という挫折からスタートし、「原因分析→解決策の立案(事前リサーチ、仮説構築)→実行(スクリプト分析)→結果(率の向上、成約)」というビジネスパーソンとして理想的なプロセスを踏んでいる点が非常に高く評価される。
定量的なデータ(1%→5%、3件の成約)を入れることで説得力が増し、論理的思考力と結果にこだわる姿勢を強く印象付けることができる。
11.IT業界の就活成功を目指すならユニゾンキャリア
IT業界の就活は、他の業界と比べて独特な点が多い。企業ごとに選考の時期や、求める人物像が大きく異なる。
そのため、一人で情報を集めて対策を進めるのは難しい場合もある。
IT業界を専門とする就活エージェントに相談すると、君の就活がうまく進みやすい。ユニゾンキャリアは、エンジニアの就活を専門に支援しているので、ぜひ相談してみてほしい。
11-1.ユニゾンキャリアの就活成功インタビュー①
成功者インタビューより
最初からIT業界で就職活動を進めていましたか?
最初は大学で音楽活動をやってたので、「自分の好きなことを仕事にできたらいいな」と思って、音楽業界で就活していたんですよ。
でも、実際に内定をもらったりする中で、年収や将来性のことで不安を感じるようになって…。音楽業界ってやっぱり給料が低くて、残業時間も月40時間以上あったりもして。
だから、「好き」だけでやっていける世界ではないのかなって、現実を考えちゃいました。
将来性も、今はYouTubeとか面白いものが分散してるじゃないですか?
だから昔みたいに大きなものを作るのは、だんだん難しくなるのかなあって思って。
その点、IT業界なら需要もなくならないだろうし、スキル次第で年収も上げられるって聞いて。将来ITから音楽業界に関わることはできても、その逆はちょっと難しい気がして、IT業界を目指すことにしました。
ユニゾンキャリアを利用してIT業界の理解は深まりましたか?
はい、深まったというか、見方が全然変わりました。
やっぱりIT特化のエージェントさんっていうだけあって、担当キャリアアドバイザーの橋本さんが教えてくれる情報がすごくリアルでした。
例えば、「文系の未経験だと、SESっていう働き方で自分の希望とは違う現場に派遣されちゃうこともあるよ」とか、ほかのエージェントさんでは教えてくれなかったIT業界の現実をしっかり教えてくれたんです。
おかげで、それまで僕がぼんやり考えていた「エンジニア」のイメージと、実際のキャリアパスには違いがあるんだって理解できました!
会社ごとの詳しい情報もたくさん持ってて、自分に合っているか判断するのにすごく助かりました。
ちなみに面接への自信はつきました?
はい、つきました!「AIだけじゃ足りないな」っていう部分を橋本さんに補ってもらいました。
面接に自信がなかったので、自己紹介とか自己PRで話したほうが良いことをしっかり教えてもらえたのはすごく心強かったです。
「IT業界の人にはこういうことを言った方が響くよ」とか、過去の人の回答を見せてもらいながらアドバイスしてくれたので、すごくわかりやすかったです!
企業に合わせて面接で話すことをカスタマイズしていくっていうのは、業界をちゃんと知っている方にお願いしないと難しいので、本当に助かりました。
11-2.ユニゾンキャリアの就活成功インタビュー②
成功者インタビューより
就活で不安だったことは何ですか?
納得して入社できる企業から内定をもらえるかわからなくて不安でした。
自分が働きたいと思える会社があったとしても、そこから内定もらえるとは限らないし…。
「今、内定もらってる企業は自分にとってベストなんだろうか?」って悩んでました。
就活は妥協するものじゃないと思いつつも、どこにも就職できないんじゃないかっていう不安もあって…。気持ちの整理がつかない時期がありましたね。
ユニゾンキャリアではどんな選考対策を行いましたか?
主に面接対策ですね。
私は面接に自信がなかったので、面接で聞かれる質問への回答をまとめて、担当キャリアアドバイザーの橋本さんに添削してもらいました。
実は初めての面接で想定外の質問をされて頭の中が真っ白になったんです…。
橋本さんから面接で聞かれる質問を教えてもらってからは、面接の準備ができたのでどんな質問にでも答えられるようになりました!
今後の目標を教えてください!
まずは基礎をしっかり身につけて、一人前のエンジニアになりたいです。
私と同じように未経験で入ってくる方に、自分が先輩として教えられるようになりたいですね。
女性エンジニアのロールモデルとして誰かの参考になれたらいいなとも思っています。
エンジニアはリモートワークなど柔軟な働き方ができて、女性にもすごくおすすめの仕事だと思うので、もっと女性が増えてほしいです…!
ユニゾンキャリアは、IT業界の就活を専門に支援している。
IT業界の各企業が応募書類で何を見ているか、どんなガクチカや自己PRが評価されるかを把握している。そのため、君が企業から評価されるポイントを理解するのに役立つ。
君がIT業界でどんな仕事に向いているか、どの企業であれば君の良さを最大限に活かせるのかを一緒に見つけていきたい。
まずは、無料相談は下のボタンからしてほしい。