システムエンジニア（SE）とは？仕事内容や新卒で目指すメリットを解説

1.システムエンジニアとは何か？

システムエンジニアとは、顧客の要望を聞き出し、それを実現するための最適なシステムの設計図を作る職種だ。

プログラミングを行うこともあるが、それ以上に顧客とのコミュニケーションや、プロジェクト全体の進行管理を行うことが多い。

また、顧客の要望が曖昧な場合、実際にプログラミングを行う開発者が正確に理解できる仕様書を作成することが求められる。

そのため、ITスキルだけでなく、コミュニケーション能力や調整力が重要であり、文系出身者が多く活躍している。

システムが完成した後も安定して稼働するようにテストを繰り返し、リリース後の保守や運用まで見据えてプロジェクトの完遂を目指す。

IT業界の要として、社会のあらゆる仕組みを支えるシステムの開発に携わる、やりがいのある職種だ。

2.システムエンジニアの仕事内容

システムエンジニアの仕事は、単にパソコンに向かって作業をするだけではない。業務範囲は非常に広く、フェーズごとに求められるスキルも異なるのが特徴だ。

ここでは、システムエンジニアの主要な4つの業務プロセスを解説していく。

2-1.顧客の要望を聞く「要件定義」

システム開発の最初のステップであり、顧客が抱える課題や実現したいことをヒアリングしてまとめるのが「要件定義」だ。

顧客自身も「どんなシステムが必要か」をイメージできていないことが多いため、対話を重ねながら潜在的なニーズを引き出す。

ここで認識のズレが生じると、後の工程で大幅な修正が発生してしまうため、ドキュメント作成能力やコミュニケーション能力が重視される。

このように、要件定義は顧客のビジネスを深く理解し、ITの力でどう解決するかを考える、コンサルティングに近い業務を行う。

2-2.システムの設計図を作る「設計」

要件定義で決まった内容をもとに、実際にプログラミングができるレベルまで詳細な仕様を決めていくのが「設計」だ。

建築士が図面を引くように、システムの完成形を頭の中でシミュレーションし、それを誰が見てもわかる形に落とし込むスキルが必要とされる。

基本設計では、ユーザーにとって使いやすい画面遷移や操作性を考え、顧客に見せて確認を取りながら進めていく。

一方、詳細設計では、プログラマーが迷わずにコードを書けるように、処理の流れやデータの持ち方を論理的に組み立てる作業を行う。

ミスなく設計することが、後の工程でのトラブルを防ぐため、ミスなく仕様をまとめるのが設計では重要となる。

2-3.システムの形を作る「実装」

設計書に基づいて実際にプログラミングを行い、システムを構築していくのが「実装」だ。

同時に、プログラマーからの技術的な質問に答えたり、スケジュール通りに進んでいるかを管理したりする役割も担う。

もしバグが見つかれば原因を特定して修正し、設計通りの動作になるまで調整を繰り返す。

なお、書かれたプログラムが正しく動くかを確認する「単体テスト」や、複数のプログラムを組み合わせて動かす「結合テスト」もこのフェーズで行われる。

チーム全体で一つのものを作り上げる達成感を味わえる、開発の中心的なフェーズといえる。

2-4.システムの修正を行う「運用保守」

システムが完成してリリースしたら終わりではなく、その後も安定して稼働し続けるように見守るのが「運用保守」だ。

「運用」は、日々のシステム監視やデータのバックアップなどを行い、システムを止めることなく継続させる業務を指す。

「保守」は、万が一トラブルが発生した際の復旧作業や、法律の改正などに合わせたシステムの改修・アップデートを行う業務だ。

長期間にわたって顧客と関わり続けるため、信頼関係を築きやすく、新たなシステム提案のチャンスが生まれることもある。

運用保守では、突発的なトラブルにも冷静に対処し、システムを守り抜く責任感が求められる。

3.システムエンジニアと他IT職種との違い

IT業界には多くのエンジニアが存在するが、システムエンジニアとの違いが曖昧な人も多いのではないだろうか？

それぞれの職種には明確な役割分担があり、求められるスキルや働き方も異なる。ここでは、混同されやすい4つの職種との違いを明確にする。

3-1.プログラマーとの違い

システムエンジニアとプログラマーの違いは、「担当するシステム開発の工程」にある。

システムエンジニアは要件定義や設計といった「上流工程」をメインに担当し、プログラマーは詳細設計をもとにコードを書く「下流工程」を担当する。

ただし、企業やプロジェクトによっては、システムエンジニアがプログラミングを行ったり、プログラマーが設計に関わったりすることもあり、違いが曖昧な場合もある。

一般的には、プログラマーとしてプログラミングスキルを身につけてから、システムエンジニアへステップアップするというキャリアパスが多い。

まずはプログラマーとして現場を知り、その後にシステムエンジニアとして全体を指揮する立場になるのが王道のキャリアといえる。

3-2.アプリケーションエンジニアとの違い

システムエンジニアが広義のシステム全般を扱うのに対し、アプリケーションエンジニアは「アプリケーション開発」に特化した職種だ。

また、アプリケーションエンジニアは実際に手を動かして開発する機会が多く、技術志向が強いが、システムエンジニアは顧客との調整やプロジェクト管理に重きを置くことが多く、ビジネス志向が強い。

どちらもシステムを作る点では同じだが、対象とする領域と求められる役割のバランスが異なる。自分が「何を作りたいか」によって、目指すべき職種が変わってくる。

3-3.社内SEとの違い

システムエンジニアが「顧客企業」のシステムを作るのに対し、社内SEは「自社」のシステムを作る、または管理する職種だ。

SIerのシステムエンジニアは、プロジェクトごとに異なる顧客のシステム開発を担当し、納品が完了すれば次の案件へと移っていく。

一方、社内SEは自社の社員が使うシステムの導入や運用、ヘルプデスク業務などを担当し、同じシステムに長く関わり続けることが多い。

幅広い技術を習得して市場価値を高めたいのか、安定した環境で自社事業を支えたいのかを基準にどちらが自分に合うか判断して欲しい。

3-4.インフラエンジニアとの違い

システムエンジニアがソフトウェアを作るのに対し、インフラエンジニアはシステムが動くためのハードウェアを作る職種だ。

インフラエンジニアはサーバーの構築やネットワークの設定、セキュリティ対策などを行い、システムが24時間365日安全に稼働する環境を整える。

システムエンジニアがプログラミング言語を使うのに対し、インフラエンジニアはサーバーOSやクラウドなどの知識が必要となる。

ユーザーが直接操作する画面や機能を作り上げるか、それらが問題なく動作するための土台となる基盤を作り上げるかという担当領域の違いが存在する。

4.新卒でシステムエンジニアになれる企業

システムエンジニアとして働くためには、どのような企業に就職すればよいのだろうか？

IT業界にはさまざまな企業形態があるが、新卒採用においてシステムエンジニアを募集している主な業態は以下の2つだ。

4-1.システムの受託開発を行うSIer

SIerとは、System Integratorの略で、顧客からシステム開発を一括で請け負う企業を指す。

NTTデータや富士通、NECといった大手企業から、特定業界に特化した中小企業まで、数多くの企業が存在する。

大規模なシステム開発に携わるチャンスが多く、チームで協力してプロジェクトを完遂する達成感を味わえるのが魅力だ。

さらに、研修制度が充実している企業が多く、文系や未経験からでも安心してエンジニアとしてのキャリアをスタートできる。

安定した環境で着実にスキルアップしたい人や、大きな仕事に関わりたい人にSIerはおすすめだ。

4-2.技術者の派遣を行うSES

SESとは、System Engineering Serviceの略で、エンジニアを顧客企業に派遣し、技術力を提供する業態のことだ。

SIerが「システムの完成」に責任を持つのに対し、SESは「エンジニアの技術力」に対して対価を得るビジネスモデルとなっている。

若いうちから様々な現場を経験し、幅広い技術や開発環境に触れることができるため、スキルアップのスピードが速い。

一方で、現場が変わるたびに人間関係や環境が変わるため、高い適応力が求められる。

実力をつけて将来的にフリーランスを目指したい人や、色々な現場を見てみたい人にSESは適している。

5.新卒でシステムエンジニアを目指すメリット

新卒でシステムエンジニアを選ぶことには、キャリア形成において多くのメリットがある。

専門性が身につくだけでなく、働き方や収入面でも恵まれているケースが多いからだ。ここでは、特に注目すべき6つのポイントを紹介していく。

5-1.初任給や平均年収が高い

IT業界は慢性的な人材不足が続いており、優秀な人材を確保するためにシステムエンジニアの初任給や平均年収が高めに設定されている。

また、スキルや経験に応じて昇給もしやすく、資格取得による報奨金や手当などが充実している企業も多い。

自分の頑張りが収入としてダイレクトに返ってくる環境は、仕事へのモチベーション維持にもつながる。

経済的な余裕を持つことで、プライベートの充実や将来への投資もしやすくなる。若いうちから高収入を目指したい人にとって、システムエンジニアは魅力的な選択肢だ。

5-2.ワークライフバランスが取れる

かつては「激務」のイメージが強かったIT業界だが、今や働き方改革が進み、ワークライフバランスが整った企業が多い。

完全週休2日制はもちろん、有給休暇の取得率向上や、フレックスタイム制の導入など、柔軟な働き方ができる環境が整備されている。

プロジェクトの繁忙期には忙しくなることもあるが、それ以外の時期は定時で帰宅し、プライベートを充実させることも可能だ。

このように、自分の時間を大切にしながら、長く健康的に働き続けられる職場が増えている。オンオフのメリハリをつけて働きたい人にとって、今のIT業界は適した環境だ。

5-3.リモートワークのチャンスがある

システムエンジニアの仕事はパソコンがあればどこでもできるため、リモートワークとの相性が良い。

通勤時間を削減できることで、朝の時間を有効活用したり、満員電車のストレスから解放されたりと、生活の質を向上させることができる。

また、育児や介護などのライフイベントがあっても、在宅勤務を活用することでキャリアを継続しやすい。

地方に住みながら東京の仕事をするなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能だ。

このように、リモートワークのチャンスが豊富なシステムエンジニアは、君に合った環境で働ける可能性が高いことを意味する。

5-4.システム開発全体に携わる

システムエンジニアは、要件定義から設計、開発、テスト、運用まで、システム開発のライフサイクル全体に関わる職種だ。

一部の工程だけでなく、プロジェクトの最初から最後までを見届けることで、システムがどのように作られ、どのように使われるのかを深く理解できる。

また、全体像を把握する力が養われるため、将来的にプロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指す際にも役立つ。

ものづくりの醍醐味を味わいながら、ビジネス視点も養えるのがシステムエンジニアの魅力だ。

5-5.手に職がついて転職しやすい

システムエンジニアとして身につけたスキルや経験は、どの企業でも通用する「ポータブルスキル」だ。

プログラミング言語や設計の知識、プロジェクト管理能力は、IT業界全体で共通して求められる能力であるため、転職のハードルが低くなる。

また、IT人材の需要は今後も拡大し続けるため、食いっぱぐれる心配が少ない。

自分の腕一本で生きていける自信を持てることは、変化が激しいIT業界を生き抜く上で強みとなる。

会社に依存せず、自らキャリアを築いていきたい人にとってシステムエンジニアの経験は最強の武器ということだ。

5-6.上流工程に早くから携わる

プログラマーとして下積み期間が長い職種とは異なり、システムエンジニアは比較的早い段階から設計などの上流工程に携わるチャンスがある。

上流工程の経験は、エンジニアとしての市場価値を大きく高める要素であり、転職市場でも高く評価される。

顧客の課題を直接聞き、それを解決するための仕組みを考えるプロセスは、論理的思考力や提案力の向上につながる。

若手のうちから裁量を持って仕事をし、スピーディーに成長したい人には最適な環境だ。

6.新卒ならシステムエンジニアに挑戦しやすい理由

「未経験からエンジニアなんて無理では？」と思うかもしれないが、実は新卒こそがシステムエンジニアになる最大のチャンスだ。その理由を6つの視点から解説していく。

6-1.他のエンジニアより難易度が低い

SIerのシステムエンジニアは「ポテンシャル採用」が主流であり、入社時点での技術力はそれほど重視されない。

対して、Web系エンジニアやゲームプログラマーなどは、即戦力性が求められることが多く、学生時代からの開発経験やポートフォリオが必要になるケースが多い。

大量採用を行う企業も多く、採用枠が広いため、しっかりと対策を行えば内定を獲得できる確率は高い。

まずは、入りやすいシステムエンジニアからIT業界のキャリアをスタートさせ、実務経験を積んでから専門性の高い分野へ進むのも一つの手だろう。

このように、ポテンシャル採用が主流であることから、システムエンジニアは他のエンジニアより就職する難易度は低い。

6-2.文系だから就活が不利にならない

システムエンジニアの仕事の半分以上は、顧客とのコミュニケーションやドキュメント作成、チーム内の調整業務だ。

これらの業務には、理系的な専門知識よりも、相手の意図を汲み取る力や、わかりやすく伝える言語化能力が必要とされるため、文系学生の強みが活きる。

むしろ、文系ならではの「ユーザー視点」や「ビジネス視点」が、使いやすいシステムを作る上で重宝されることも多い。

入社後の研修で技術を学べば、理系出身者と同じように活躍することができる。「理系じゃないから」と諦める必要はなく、文系こそ積極的に狙うべき職種だ。

6-3.コミュ力があれば内定に近い

SIerの採用担当者が重視しているのは、技術力よりも「コミュニケーション能力」だ。

システム開発は一人で黙々と行うものではなく、チームメンバーや顧客と協力しながら進めることが理由として挙げられる。

技術は勉強すれば身につくが、コミュニケーション能力や人柄は一朝一夕には変わらないため、企業はそこを重点的に見ている。

明るくハキハキと受け答えができ、周囲と円滑な人間関係を築ける人であれば、未経験でも十分に内定を勝ち取れる。

6-4.就活の時点で技術力はいらない

多くのSIerでは、入社後に3ヶ月〜半年程度の新人研修を用意しており、そこでプログラミングの基礎からシステム開発の流れまで教えてくれる。

そのため、就活の時点でプログラミングができる必要はまったくなく、パソコンの基本操作さえできれば問題ない。

面接では、その時点でのスキルよりも「入社してから学ぶ意欲があるか」「新しい技術に対して抵抗感がないか」というマインドセットが重視される。

ゼロからプロフェッショナルを目指せる環境が整っているのが、この業界の魅力だ。今のスキル不足を気にするよりも、これから成長する可能性を信じてチャレンジしてほしい。

6-5.学歴や資格がなくても就職できる

IT業界は実力主義の側面が強いため、学歴フィルターが比較的緩い業界の一つだ。

もちろん大手企業には高学歴の学生も集まるが、中小規模のSIerや成長中のベンチャー企業であれば、学歴に関係なく人物重視で採用を行っている。

また、医師や弁護士のように業務独占資格が必要なわけではないため、特別な資格がなくてもシステムエンジニアになることはできる。

このように、学歴や資格に関係なく、公平なチャンスがあるのもシステムエンジニアの魅力だ。

6-6.今なら大企業にも入れるチャンス

DX需要の拡大に伴い、IT業界全体が空前の人手不足に陥っており、各社とも新卒採用の人数を増やしている。

売り手市場が続いているため、以前なら入社が難しかったような有名企業や大手SIerにも、入れるチャンスが広がっている。

安定した基盤と充実した研修制度を持つ大企業に入ることができれば、その後のキャリアにとってプラスとなる。

つまり、積極的に行動すれば、君が望むキャリアを手に入れられる可能性は高いということだ。今こそが、システムエンジニアを目指す絶好のタイミングといえるだろう。

7.新卒でシステムエンジニアになって後悔するケース

良いことばかりのように見えるシステムエンジニアだが、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも存在する。

イメージとのギャップに苦しまないためにも、ネガティブな側面も事前に知っておきたい。ミスマッチを防ぐために注意すべきポイントは、以下の3つだ。

7-1.意外と技術力が身につかない

プロジェクトによっては、テスト実施やドキュメント修正などの単純作業ばかりを任され、プログラミングをする機会がほとんどないこともある。

この状況では、「エンジニアになったのにコードが書けない」「技術力がついている実感がない」と焦りを感じてしまう。

技術力を磨きたいのであれば、自社で開発を行っている企業や、若手にも開発を任せる風土のある企業を選ぶ必要がある。

面接などで「新卒1年目は具体的にどんな作業をしますか？」と確認しておくことが重要だ。入社前に開発比率などを確認し、自分のやりたい仕事ができる環境かを見極めよう。

7-2.思ったより会議や資料作成が多い

システムエンジニアの仕事は、パソコンに向かってコードを書く時間よりも、ExcelやWordで設計書を作ったり、顧客との定例会議に出たりする時間のほうが長いことが多い。

「一日中誰とも話さずに没頭できると思っていた」という人にとっては、コミュニケーションの多さがストレスになる。

また、膨大な量のドキュメント作成に追われ、「これってエンジニアの仕事なの？」と疑問を感じることもある。

プログラミングだけに専念したいなら、システムエンジニアではなくプログラマーを目指すことをおすすめする。

技術力だけでなく、ドキュメンテーション能力や調整力も重要なスキルだと割り切れるかどうかが重要だ。

7-3.サポート体制がなく心身ともに疲れる

未経験歓迎を謳っている企業でも、入社後の研修が不十分だったり、現場に配属されてから放置されたりするケースがある。

また、納期直前の長時間労働が常態化しているブラック企業に入ってしまうと、心身の健康を損なうリスクもある。

「未経験OK」という言葉を鵜呑みにせず、研修制度の具体的内容や、メンター制度の有無、離職率などをしっかりとチェックすることが大切だ。

企業選びを慎重に行うことで、企業で疲弊してしまうリスクは回避できる。自分を守るためにも、企業の評判や労働環境を徹底的にリサーチしよう。

8.システムエンジニアの就活で失敗を防ぐ方法

後悔しない就職をするためには、企業選びの軸を持ち、情報を見極めることが欠かせない。

自分に合ったホワイト企業を見つけるために、以下の5つのアクションを実践してみてほしい。失敗を防ぐための具体的な方法は、以下のとおりだ。

8-1.企業ごとに仕事内容を確認

一口にシステムエンジニアといっても、企業によって担当する業務範囲や技術領域は異なる。

企業の仕事内容を確認するためには、採用ホームページの「先輩社員の声」や「プロジェクト事例」などを見るようにしよう。

また、説明会や面接で「入社後に配属される可能性のある部署」や「主な案件の種類」を質問し、自分がやりたいことと合致しているかも確認しておきたい。

実際の業務内容を細かく確認することで、入社後のギャップを最小限に抑えられる。イメージだけで企業を選ばず、事実に基づいて判断することがミスマッチを防ぐ第一歩だ。

8-2.キャリアを意識して企業を選ぶ

就活で失敗しないため、「将来どんなエンジニアになりたいか」というキャリアプランを描き、それが実現できる企業を選ぼう。

また、資格取得支援制度やキャリアパス制度が整っているかどうかも確認しておきたい。

目先の初任給や福利厚生だけでなく、5年後、10年後の自分がどうなっていたいかを想像し、そこにつながる環境を選ぶ必要がある。

自分の成長をバックアップしてくれる企業であれば、長く働き続けることができる。君の将来のビジョンと企業の方向性が一致しているか確認することが、企業選びでは重要だ。

8-3.エンジニアへのサポート体制を聞く

特に未経験者の場合、入社後の教育体制が整っているかどうかは死活問題となる。

面接の場では、「研修期間はどのくらいか」「どんなカリキュラムか」「配属後にOJT担当の先輩はつくか」などを詳しく確認しておきたい。

また、定期的な面談やキャリア相談の機会があるかなど、メンタル面でのサポート体制についても聞いておくのも重要となる。

疑問や不安をすぐに解消できない環境は、業務のプレッシャーが高まり早期離職の原因になりかねない。

このように、「放置されない環境」を選ぶことが、エンジニアとして挫折せずに成長するための必須条件だ。

8-4.口コミで社員の生の声を聞く

企業の公式情報は良いことばかり書かれていることが多いため、OpenWorkや転職会議などの口コミサイトを活用しよう。

口コミサイトでは、「残業の実態」や「有給の取りやすさ」「職場の雰囲気」「評価制度への不満」など、ネガティブな情報も含めて把握しておく。

社員の生の声を聞くため、OB訪問や社員交流会など複数のソースから情報を集めるようにしよう。

リアルな情報を得ることで、入社後のギャップを最小限に抑えることができるため、情報収集は入念に行う必要がある。

8-5.就活エージェントを使って企業選び

自分一人で優良企業を見極めるのが難しい場合は、IT業界に特化した就活エージェントを利用するのが効率的だ。

プロのアドバイザーが、君の適性や希望に合わせて、ブラック企業を除外したホワイト企業を紹介してくれる。

エントリーシートの添削や模擬面接などのサポートも受けられるため、選考通過率もアップするだろう。

無料で利用できるサービスなので、まずは相談に行ってみるだけでも視野が広がるはずだ。プロの視点を借りることで、自分では気づかなかった優良企業に出会える。

9.システムエンジニアの就活でよくある質問

システムエンジニアを目指す就活生からよく寄せられる質問をまとめた。

多くの学生が抱える不安や疑問を解消して、自信を持って選考に臨もう。よくある質問は以下のとおりだ。

9-1.文系でもシステムエンジニアになれますか？

結論から言えば、文系出身でもまったく問題なくシステムエンジニアとして活躍できる。

実際に、SIerの新卒採用において、内定者の半数以上が文系出身者なのも珍しくない。

さらに、システムエンジニアの仕事はパソコンに向かうだけでなく、顧客の要望を聞き出すヒアリングや、チーム内での調整業務が大きなウェイトを占めている。

そのため、文系学生が培ってきた読解力やコミュニケーション能力は評価が高い。

「理系じゃないから無理」と諦める必要はなく、文系だからこそ発揮できる強みを活かして挑戦して欲しい。

9-2.どんな人がシステムエンジニアに向いていますか？

システムエンジニアに向いているのは、「チームで協力して何かを作り上げることに喜びを感じる人」や「新しいことを学び続ける好奇心がある人」だ。

また、IT技術は日進月歩で進化しているため、一度覚えた知識に満足せず、常に最新のトレンドや技術をキャッチアップしようとする向上心も欠かせない。

さらに、顧客の抱える課題に対して「どうすれば解決できるか」を論理的に考え、地道な作業を積み重ねて形にしていく忍耐力がある人も適性が高い。

必ずしもパソコンに詳しい必要はなく、相手の立場で物事を考えられる想像力があれば、誰でも成長できる職種だ。

9-3.システムエンジニアになるのに役立つ資格は？

入社前であれば、「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」を取得しておくと、ITへの関心や学習意欲があることの証明になり、選考で有利に働く。

特に基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎知識を網羅的に学べるため、業界の登竜門的な資格として企業からの評価も高い。

資格を持っていなくても内定は十分に取れるため、資格勉強に時間を使いすぎて自己分析や企業研究がおろそかにならないように注意が必要となる。

まずは就活の基本対策をしっかりと行い、余裕があれば資格取得に挑戦するというスタンスで問題ない。

9-4.システムエンジニアの仕事はなくなりませんか？

AIの進化により簡単な作業は自動化されるが、システムエンジニア自体はなくならない。

顧客の抽象的な要望をヒアリングし、それを具体的なシステム要件に落とし込む業務や、関係者間の利害を調整する業務は、AIには代替できない能力が必要だからだ。

また、DXの推進により、あらゆる産業でIT活用が不可欠となっているため、将来的にも安定して働き続けられる。

システムエンジニアは人間にしかできない業務で価値を発揮し続けられる職種だ。

9-5.システムエンジニアはやめとけって本当ですか？

ネット上で「システムエンジニアはやめとけ」というネガティブな意見をよく見かけるが、これは長時間労働が常態化している環境にある人の声であることが多い。

IT業界には多重下請け構造が存在し、下流の工程ばかりを担当する企業では、待遇が悪くなりがちな傾向があるのは事実だ。

企業選びさえ間違えなければ、システムエンジニアは専門的なスキルが身につき、市場価値を高められる非常に魅力的な職種であることは間違いない。

ネットの情報を鵜呑みにせず、離職率や社員の口コミなどをチェックし、自分の目で企業の体質を見極めて欲しい。

10.システムエンジニアを目指すならユニゾンキャリア

ユニゾンキャリアであれば、君にぴったりのシステムエンジニアの求人を紹介できる。

IT業界専門の就活エージェントとして、文系未経験からでも安心して成長できる優良企業を厳選しているからだ。

「自分に合った企業がわからない」「ブラック企業は避けたい」といった悩みに対し、プロのアドバイザーが親身になってサポートする。

10-1.システムエンジニアの就活成功インタビュー①

10-2.システムエンジニアの就活成功インタビュー②

システムエンジニアは、文系理系問わず挑戦でき、将来のキャリアを広げる職種だが、どの企業が自分に合っているかまで見極めるのはなかなか難しい。

もし企業選びで迷っているなら、ぜひユニゾンキャリアに頼ってほしい。

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