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SIerはAIに仕事が奪われる?新卒が今知るべきAI時代の生存戦略を解説

SIerはAIに仕事が奪われる?新卒が今知るべきAI時代の生存戦略を解説 | SIer企業

記事の概要

人気のSIerに就職しても、今後AIに仕事を奪われてしまうのではないかという不安をよく聞く。

しかし「SIerの仕事はAIにすべて奪われる」という見方は、表面的な部分を見ていることが多い。

実際には、AIは定型的なコーディングや単純な保守作業を変えていく一方で、顧客折衝や要件定義といった上流工程の重要性は高まり、これらの領域はAIでは代替しきれない。

この記事では、SIerはAIに奪われるのか、生成AIによってSIerの業務がどう変わりつつあるか、AIに奪われやすい仕事と、奪われにくい仕事の違いについて解説していく。

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目次

1.SIerはAIに奪われるのか?

「SIerはAIに奪われる」という言説をSNSや就活口コミサイトで見かけることが増えた。新卒でSIerに入ろうとしている君にとって、この不安は無視できないだろう。

しかしその懸念は一面的であり、AIがSIerの全業務を奪うわけではない。構造変化を正しく理解すれば、AI時代に活躍できるキャリアパスが見える。

1-1.『SIerはAIに奪われる』という誤解

GitHub CopilotやChatGPTなどの生成AIツールが急速に進化し、開発者が書いていたコードや単純なバグ修正を数秒で自動生成できるようになっている。

この動きに対して、業界内では「単純なコード作成ならAIで十分であり、プログラマーの需要は減る」という見方が広がった。多くの人員を必要としない時代が来るという危機感から、「SIerはオワコン」「AIが人月ビジネスを脅かす」といった言説が飛び交い、就活生の不安を増幅させている。

しかし、この議論には落とし穴がある。結論から言えば、SIerの仕事が消滅するわけではなく、エンジニアの役割が「実装」から「設計・提案」へシフトするだけだ。

AIが自動化できるのはシステム開発全体の流れではなく、「コード作成」という下流工程の一部に過ぎない。システム開発の工程を分解すると、以下の構造が見えてくる。

開発工程内容AIの影響度
要件定義・システム設計顧客の課題をヒアリングし、システム要件を決定低い
上流設計機能設計、インターフェース設計、アーキテクチャ決定低い
実装・テスト(下流工程)コード作成、単体テスト、バグ修正高い
保守・運用本番環境の管理、問題対応中程度

AIが得意とするのは「パターンに従ったコード生成」であり、人間が決めた設計書に基づく定型的な実装である。一方で、顧客の曖昧な要望から真の課題を引き出し、最適なシステム設計を提案する「上流工程」は、AIには代替が難しい領域だ。

むしろ、下流の実装作業がAIで高速化されれば、エンジニアはその分の時間を上流工程の品質向上や新しい提案に充てることができる。

「AIに仕事を奪われる」と悲観するのではなく、「AIとの分業によって、エンジニアの活動範囲と付加価値が変わる」と捉えるのが正確な理解である。

2.生成AIの登場で、SIerでの「働き方」はどう変わるのか?

生成AIの登場によって、システム開発の現場は大きく変わり始めている。特に注目すべきは、AIが下流工程の生産性を飛躍的に高める一方で、上流工程の重要性が相対的に高まっているという構造転換だ。

2-1.コーディング・テスト工程での生成AI活用の広がり

生成AIは定型的なコーディングやテストコード作成で急速に活用が進み、これまで新人エンジニアの修行期間だった工程が大きく圧縮されている

ChatGPTやGitHub CopilotなどのAIツールは、命令文から数秒でプログラムコードを生成できるため、単純なバグ修正やAPI連携、ルーチン的なテストケース作成は人間が介在する時間が劇的に減少した。

この変化が重要なのは、従来は「単純な実装→複雑な実装→設計関与」という段階的な成長が当たり前だったが、AIが単純実装を担当するようになると、新卒者が得られる経験の密度が変わる。

実際の活用現場では、決済機能のテストコード生成、既存コードの仕様書からのテストケース自動生成、既知のバグパターンに対する修正提案など、判断の余地が少ない定型業務からAI置き換えが進んでいる。

一方、仕様の曖昧さを読み取って質問を返したり、予期しないエッジケースに対応したりといった「考える工程」は依然として人間の領域だ。

コーディング・テスト工程でAI活用が進む背景

  • 要件が明確で判断の余地が少ない業務ほどAI化が進みやすい
  • 新卒が単純実装で時間を費やすことが減り、上流工程への関与が早まる可能性
  • AIツールの使い方を習得できるかどうかが、新人の成長速度を左右する

つまり、下流工程でのAI活用拡大は、新卒にとって必ずしも「仕事を奪われる」ことではないのだ。

むしろ下流の単純作業から早期に解放される分、要件定義や顧客折衝といった上流のスキルを身につけるチャンスが増えると言える。

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2-2.要件定義・設計工程へのAI活用の波及

上流工程でもAIの活用が始まっており、要件整理・仕様書作成・画面設計などの補助ツールとしての導入が進みつつある

顧客の課題記述から要件候補を抽出するAI、既存システムの仕様書をもとに新規機能の設計案を自動生成するAIなど、営業段階での提案資料作成やシステム企画支援での活用例が増えている。

しかし、AIが生成した設計案はあくまで参考材料であり、その案を顧客の事業課題に合わせて調整し、実現可能性を見極めるのは人間の責務である。

たとえば金融系の基幹システム更新では、既存の取引フローから新規要件を読み取り、画面遷移図の下書きをAIが作成し、それに対してSIer側が顧客の業務知識を反映させて修正するという流れが実装されている。

つまり要件定義・設計工程のAI活用は、人間の「考える仕事」の質を高めるための補助手段と言える。AIが事務作業を肩代わりすることで、SIerのエンジニアはより複雑で創造的な判断に集中できるようになる可能性がある

2-3.運用・保守業務のAIによる自動化

AIによる自動監視と予防保全の導入により、従来の「障害が起きたら対応する」という受動的な業務から「障害を予測して未然に防ぐ」という能動的な業務へシフトしている。

ログ解析AI、アノマリー検知ツール、自動復旧スクリプトの組み合わせにより、夜間や休日の緊急対応の頻度が低減されている企業が増えている。

具体的には、大手金融機関のシステム運用では、異常なアクセスパターンや性能低下の兆候をAIが自動検知し、エンジニアに通知する体制が構築されている。その通知に基づいて、原因を特定し対応策を判断するのが人間の仕事だ。

この変化が新卒就活生にとって重要な理由は、これまで運用工程は「ルーチン作業の積み重ねで信頼を築く」という修行的キャリアパスが想定されていたが、AIの導入によって修行の内容と期間が大きく変わる可能性があるからだ。

運用・保守業務に求められるスキル変化

  • 深夜対応などの「経験値」より「分析力」が評価される傾向
  • ログ解析やデータ可視化スキルなど、新しい技術への適応が必須に
  • チューニング・最適化など、より戦略的な判断を求められる機会が増加

つまり運用・保守工程のAI化は、新卒の成長機会を「単純な手作業」から「分析と判断」へシフトさせる変化だ。この変化に対応できるかどうかが、AI時代のSIerでの生き残りを左右する要素となりつつある。

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3.AIに奪われやすい仕事と奪われにくい仕事の違い

SIerの業務において、AIが代替しやすい仕事と、人間にしかできない仕事は明確に分かれている。システム開発の工程ごとに、AIの影響度を理解することで、自分がどの職務に就くかによって将来性がどう変わるかが見えてくる。

3-1.AIに奪われやすい業務の特徴

定型的で反復性の高いコーディングやテスト業務は、AIが最も代替しやすい領域だ。

現在、ChatGPTなどの生成AIはコード生成の精度が急速に高まっており、新卒レベルの実装タスクであれば数秒で完了する時代になっている。

なぜこうした業務がAIに奪われやすいのかと言えば、「ルールに従って処理する、答えが一意に決まる定型作業」だからである。明確な指示に基づくコーディングや、テスト仕様書に従ったテストの実行は、まさにAIの得意分野なのだ。

その結果、単純な実装やテスト工程の需要は急速に減少している。従来、SIer業界では新卒層が下流工程を担当することで経験を積む構造があったが、その枠自体が縮小しつつあるのが現実だ。

AIに代替されやすい業務はこれ

  • 単純なコーディング・実装作業
  • テスト仕様書に基づくテスト実行
  • 定型的なドキュメント作成
  • 既存システムの保守・バグ修正

だからこそ、単純作業の求人が減るこれからの時代は、「新卒のうちから上流工程へアクセスできる企業を選ぶこと」が、AIに負けないキャリア戦略として非常に重要になっている。

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3-2.AIに奪われにくい業務の特徴

一方、顧客の課題を引き出し、最適なシステムを企画・設計する上流工程は、AIに代替されにくい。顧客の経営課題、業界特性、組織文化などを理解した上で「どんなシステムが最適か」を判断する業務だからだ。

要件定義では、顧客が言語化していない潜在的な課題を引き出し、実現可能性と費用対効果のバランスを取る必要がある。プロジェクト管理も同様で、チーム内の調整、顧客との信頼構築、予期しないトラブルへの判断といった、数値化できない業務が中心になる。

こうした判断には、業界知識と人間関係の構築が不可欠だ。AIは過去の事例から最適解を提案することはできるが、新しい課題や例外的な状況への対応は人間に委ねられる。

結果として、上流工程の人員需要は維持されるか、むしろ増加する傾向が見られる。SIerで将来性の高いキャリアを築くなら、こうした上流業務へのアクセスが必須だ。

AIに代替されにくい業務はこれ

  • 顧客との要件ヒアリング・課題抽出
  • システム全体の企画・基本設計
  • プロジェクトマネジメント・チームマネジメント
  • 顧客への提案・折衝
  • 業界知識を活かしたコンサルティング

3-3.文系・非IT専攻でも活躍しやすい役割

AIの浸透は、むしろ文系や非IT専攻の学生にとってチャンスを広げている。なぜなら、上流工程で求められる能力は、技術力よりもコミュニケーション能力や業界理解だからだ。

従来、SIerの新卒採用は「技術力が高い理系学生」に偏っていたが、顧客折衝や要件定義などは文系新卒の比率が高まる傾向にある。相手の話を正確に理解し、自分の考えを論理的に伝えるのは文系学生の得意分野だからだ。

文系出身の新卒がSIerで活躍する職種の例として、営業職・SE職(顧客折衝メイン)・プロジェクトコーディネーター職が挙げられる。これらの職種は、配属初期から顧客との接点を持ち、業界知識と対人スキルを磨く機会に恵まれている。

つまり、文系・未経験でもAI時代のSIerで成長する道は十分にある。重要なのは、コーディング未経験を不安に思うのではなく、自分の適性に合う職種を意識的に選ぶことだ。

4.多重下請け構造にAIが与える影響

SIer業界は元請け・一次請け・二次請けなど階層化した下請け構造を特徴としている。この構造にAIが与える影響は階層によって大きく異なるため、自分がどの立場のSIerを選ぶかで将来性が左右される。

4-1.元請けSIerに起きている変化

元請けSIerは顧客との要件定義・提案・企画設計など上流工程を担当するため、元請け企業の仕事は当面AIの影響を受けにくく、むしろAIツールを使って開発効率を高める側に立つ可能性が高い

ただし長期的には、AIが提案資料の作成や簡易的な要件定義まで自動化し始めれば、元請けの差別化要因は薄れていく。

そのため現在のうちにAIを使いこなす人材を育成し、顧客課題の深い理解力を磨いている企業と、その流れに乗り遅れている企業で明確な格差が生まれつつある。

新卒が元請けSIerを選ぶ場合は、入社後に顧客折衝や提案業務に関われるかどうかを重視すべきだ。大規模プロジェクトでコーディング要員として配置されるだけなら、上流工程の経験が積めず、3年後には危機感を抱えることになる。

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4-2.下請けSIerが直面しやすい影響

下請け階層のSIerは、「エンジニアが働いた時間(工数)」に応じて売上が決まる「人月ビジネス」が中心だ。
そのため、AIの導入によってコーディング作業が30~50%削減されると、企業にとっては「労働時間が減る=売上が直接削られる」という事態に直結する。AIによる生産性の向上が、皮肉にも自社の経営を圧迫してしまう構造なのだ。

卒でこうした企業に入社すると、以下のようなリスクに直面する可能性が高い。

教育体制の崩壊: 新人をじっくり育てる予算がなくなり、十分な教育がないまま即戦力として現場に放り込まれる。
待遇の悪化: プロジェクト規模の縮小に伴い、給与が抑制されたり、不本意な配置転換を命じられたりする。
採用の縮小: 既に多くの企業が採用を絞り始めており、同期が少なく社内リソースが枯渇していく。

現在、下請け企業は二つに分かれつつある。従来の人月ビジネスに固執して衰退していく企業と、AIを積極的に導入して空いたリソースを「新しい付加価値の創造」に転換しようとしている企業だ。

これからの時代は、応募先企業がどちらの方向へ進もうとしているのかを慎重に見極める視点が不可欠である。

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4-3.新卒が構造変化をどう捉えるべきか

新卒がSIer選びをする際、「大手だから安心」「知名度があるから将来性がある」という判断は危険だ。重要なのは、その企業がAI時代にどういう立場にあるのかを見極めることだ。

同じ規模のSIerであっても、AIに対して積極的に投資して人材育成を進めている企業と、現状維持で対応が後手に回っている企業では、3年後のキャリアの質が大きく異なる。

企業研究の段階で、以下の点を確認すると判断材料が増える。採用担当者にAI活用の進め方を聞いたり、説明会でAI関連の教育制度が紹介されているかを観察したり、SNSで先輩社員がどんな業務をしているかを見ることで、その企業の姿勢が透けて見える。

AIを他人事ではなく自分の成長機会と捉えている企業と、脅威と見なして守りの姿勢を続けている企業を見分けることが、長期的なキャリアの分かれ目になる。

就活生がSIer企業研究で確認すべき項目

  • AI導入時のスキル育成プランが具体的に説明されているか
  • 新卒がコーディングだけでなく要件定義に関わる配置があるか
  • 5年経験した先輩がどんなキャリアパスを歩んでいるか

新卒のうちは、給与や配置地よりも「この企業でAI時代に必要なスキルが身につくか」を優先すべきだ。顧客折衝力・システム設計力・ビジネス理解など、人にしかできない業務経験を積める環境を選ぶことが、5年後10年後の市場価値を決める

SIerはAIに仕事が奪われる?新卒が今知るべきAI時代の生存戦略を解説 | SIer企業

5.AI時代のSIer「よくある誤解」と失敗パターン

AI時代のSIerへの不安は、多くの場合『AIに仕事が奪われるのか』という単純な二項対立で考えられている。

ここで取り上げるのは、就活生が陥りやすい3つの誤解と失敗パターンだ。これらを認識することで、AI時代においても通用するキャリア判断ができるようになる。

5-1.『AIに関わらなければ安全』という誤解

AIに関わる業務を避けることは、むしろキャリアリスクを高める選択肢だ。理由は簡単で、AI導入が進む企業ほど業務効率が改善され、プロジェクト規模が大きく、成長の機会が豊富だからである。

一方、AIへの投資を控える企業は、競争力の低下や案件受注の減少に直面しやすい。そうした企業では、定型業務の繰り返しだけに追われ、設計や提案といった上流スキルを磨く機会が得られない。

結果として、新卒時点でAIから目を背けた選択は、5年後10年後の市場価値低下につながる可能性がある。

AIを使いこなす側に回るためには、早期から生成AIやツール、データ分析といった技術に触れ、実際の業務で活用経験を積むことが重要だ。新卒で入社した企業がAI活用に積極的であれば、研修やOJTの中でも自然と技術が身につく

5-2.AI活用に消極的な企業を選んでしまうと…

現状維持型のSIerを選んでしまうと、成長機会を大きく逃す可能性がある。生成AIの波が業界全体を変える中で、企業の対応姿勢によって採用計画も育成方針も大きく異なるからである。

AI活用に消極的な企業では、新卒採用の規模を縮小し、既存社員の配置転換で対応する傾向が強い。つまり、新卒向けの育成体制が整備されにくく、充実した研修期間や多様なプロジェクト経験を期待しにくい状況になる。

一方、AI導入に積極的な企業は新規事業や新しい技術領域での採用を増やし、新卒にも成長環境を提供する傾向にある。

企業選びの際には、説明会や面接で『AI活用にどう取り組んでいるか』『新卒向けの研修でAIを扱うか』を具体的に聞くことが重要だ。

面接で企業のAI対応力を見極めるポイント

  • 『過去1年でAI関連のプロジェクトはどのくらいあったか』と直接質問する
  • 『新卒研修でAIツールやデータ分析を扱うか』を確認する
  • 『AI導入による業務の変化にどう対応しているか』を聞く

消極的な企業を選んでしまった場合、入社2~3年で転職を余儀なくされることもあるため、初期段階での企業選定が極めて重要なのだ。

6.AIに負けないために新卒が意識すべきこと

SIerでAI時代を生き残るには、AIに奪われる側ではなく、AIを使いこなす側へ立場を転換することが鍵になる。新卒のうちから意識的にスキルを磨き、経験を積むことで、AI導入が進む業界でも自分の価値を高められる。

このセクションでは、新卒が今から身につけるべき3つの心構えと具体的な行動を紹介する。

6-1.AIを『使われる側』ではなく『使う側』になる意識

AIがコード生成やテストを自動化する時代だからこそ、AIツールを使いこなす能力が新卒の必須スキルになっていく。生成AIやアルゴリズム最適化ツールを単に受け身で使うのではなく、プロジェクトの課題を解くためにAIをどう活用するかを自分で考え、指示できる立場を目指すべきだ。

新卒研修や配属初期に、ただ先輩の指示に従ってコードを書くのではなく、ChatGPTやGitHub Copilotといったツールの限界を理解し、それでも使える局面を見極める訓練をすることだ。

コーディングやテスト実行といった定型作業はAIが担当し、SIerのエンジニアは『AIに何をさせるか』『AIの出力を品質判定するか』という判断に時間を使うようになる。つまり、AIオーケストレーション能力(AIを指揮して業務を進める力)が、下流工程から上流工程へのキャリアシフトの入り口になる

AIオーケストレーション能力を新卒のうちに身につけるための確認項目

  • 配属先がAIツール(生成AI、自動テスト、ログ解析ツール等)の導入に積極的か確認する
  • 先輩エンジニアが『AIをどう使うか』を意識的に教えてくれる環境か見極める
  • AI導入の試行プロジェクトに自分が関わる可能性があるか企業研究で調べる

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6-2.要件定義・顧客折衝の経験を意図的に積む

AI時代のSIerで差がつくのは、顧客の潜在ニーズを引き出し、システム要件に落とし込む上流工程の力だ。定型的なコーディングはAIが高速化するため、相対的に要件定義や提案の重要性が高まる。

新卒の時点で『下流で手を動かすだけ』という立場に甘えていると、AI化が進むにつれ仕事の取り合いが激しくなる。意図的に上流工程を経験するには、配属先の選択肢を知ることが大切だ。

SIerの中でも、顧客提案部門やシステムコンサルティング部門への異動を新卒から視野に入れている企業と、下流作業だけに新卒を配置し続ける企業とでは、3年後のキャリアが大きく異なる。

新卒研修の段階から『顧客課題をどう読み取るか』『なぜこのシステム仕様が必要か』という思考訓練を受けられるかは、企業選びの重要な判断軸である。

入社後、先輩の営業同行や要件定義会議への参加を自分から提案し、小さな決定権を握る経験を意識的に増やしていくことが生き残り戦略になる。

要件定義・顧客折衝の経験を新卒のうちに積むための確認項目

  • 入社後1年以内に顧客折衝や要件定義会議への参加機会があるか質問する
  • 新卒から上流工程への配置転換を視野に入れる人材育成制度があるか調べる
  • 営業やコンサルティングチームとの協力体制が整備されているか企業説明会で確認する

6-3.小さな意思決定の経験を積み重ねる

『何をするか』『どう改善するか』という小さな意思決定の積み重ねが、AI時代の個人差を作る。新卒が『指示を受けて実行するだけ』では、AIに仕事を奪われるリスクから逃げられない。

例えば、テストケースの優先順位を自分で判断して実行する、パフォーマンス改善の方針を提案する、ドキュメント整理の工夫を自ら考えるといった、一見小さな決定が重なると、個人の判断力と責任感が育つ。この判断力が、AI時代に『何をAIに任せるか』『人間が担うべき判断は何か』を見分ける力へ進化する。

配属直後は先輩の指示が主になるが、段階的に『どうしたいか』を自分で考え、提案する環境を求めることが大切だ。年功序列や階層の強い企業では、新卒が意思決定の場に入る機会が限られており、成長が遅れるリスクがある

小さな意思決定の機会に恵まれた環境の見分け方は、面接での質問で『新卒の段階で、どの程度の判断や提案が期待されるか』を具体的に聞くことだ。回答があいまいな企業は、新卒を育成する設計が不十分な可能性がある。

これら3つの心構えは、AI時代のSIerで生き残るための土台だ。企業選びや配属後の行動において、意識的にこの3点を軸に経験を積めば、AIの浸透が進む中でも自分の価値を高め続けられる

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7.生き残るSIerと淘汰されるSIerの分かれ目

「AIに仕事が奪われる」という不安を抱えながらSIer就職を検討する就活生は多い。しかし、同じSIer業界でも企業によって将来性は大きく異なる。

成長する企業と衰退する企業を見分ける軸を理解すれば、AI時代でも通用するキャリアを選択できるようになる。

7-1.成長するSIerに共通する特徴

AI時代に生き残るSIerは、単に自社エンジニアの工数を売るのではなく、顧客の課題を深く理解し、システムで解決する企画設計力を持っている。

AIによるコーディングやテスト工程の自動化が進む中、企業間の差は下流工程ではなく上流工程に現れる。顧客がどんな経営課題を抱え、どのようなシステムがその課題を解決するのかを提案できる企業が、今後も評価される

また、業界知見を積み重ねることで、顧客の潜在ニーズを引き出し、新しい提案ができるSIerが成長する傾向にある。金融システムなら金融業務、製造業向けなら製造プロセスの知識を深めることで、他社にはできない提案が可能になるからだ。

成長企業は以下の点で自分たちの強みを明確にしており、採用面接でもこうした視点が出てくる。

成長するSIerが備えている特徴

  • 特定業界(金融・製造・流通など)の深い知識を蓄積している
  • 顧客の経営層と対話し、要件定義に反映する体制がある
  • AIやクラウド技術の新展開に対応する組織改革を進めている
  • 新人時代から上流工程に関わる教育方針を持っている

こうした企業を選ぶことで、新卒からでも「AI時代に求められる価値あるエンジニア」へと成長する道が切り拓かれるのだ。

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7-2.衰退リスクが高いSIerの特徴

衰退のリスクが高いSIerは、AIやクラウド導入に対応せず、従来の工数ベースの請負契約に依存し続ける企業だ

多重下請け構造の中で、元請けから指示されたコーディングやテストを淡々とこなす下請け企業は、生成AIの普及で直撃を受ける。AIが同じ工程を効率化できるからだ。

こうした企業では、新卒が入社しても定型的な業務ばかり任され、市場価値の高いスキルを磨く機会に恵まれない。

さらに問題は、衰退リスクが高い企業ほどAI導入に積極的でなく、『まだAIなんて不要』という現場判断に甘えている傾向がある。こうした企業では、エンジニアがAIツールの使い方さえ学べず、市場の変化に取り残されやすい。

衰退リスクが高い企業の共通点をまとめると、以下のようになる。

リスク要因具体的な兆候
工数ベース依存「月○○名の工数で受注」という提案が主流
多重下請け体質顧客と直接接触する機会が少ない
AI対応の遅れ社内でAIやクラウド活用の検討が聞こえてこない
育成投資の不足新卒向けの体系的な研修制度がない

この表に複数当てはまる企業は、たとえ大手でも長期的には人材採用を抑えるリスクが高い。就活生の立場では、こうした企業は避け、成長企業への就職を優先すべき理由がここにある

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7-3.面接・説明会で企業のAI対応力を確認する質問例

成長するSIerか衰退リスクが高いSIerかを見分けるには、面接や説明会で『AIをどう経営戦略に組み込んでいるか』を直接聞くことが有効だ

採用担当者や現場エンジニアの回答から、その企業のAI活用の本気度が読み取れる。曖昧な返答や「今後検討予定」という一般的な返答が返ってきたら、その企業のAI対応は後手に回っている可能性が高い。

就活生が実際の面接で使える具体的な質問例を以下に示す。

面接で聞くべきAI関連の質問例

  • 「生成AIやクラウド技術の導入は、現在の業務プロセスにどう影響していますか?」
  • 「新入社員はAIツール(ChatGPT、GitHub Copilotなど)の使用環境が提供されていますか?」
  • 「過去1年で、AI活用による業務効率化の事例を教えてください。」
  • 「AI時代に求める人材像として、新卒に特に磨いてほしいスキルは何ですか?」

これらの質問に対して、具体的な事例や将来ビジョンが返ってくる企業なら、AI時代でも人材を育成し続ける企業だと判断できる。逆に、回答が抽象的だったり、現場エンジニアの顔が曇ったりしたら、その企業の実態は慎重に見直す必要がある。

就活生がSIer選びで迷ったときは、この3つの視点を軸に企業研究を進めれば、10年後も市場価値を持つキャリアが実現できる

SIerの面接対策を行いたい場合は、こちらの記事「SIerの新卒向け面接対策完全ガイド」をお読みください。

8.SIerへの就職はアリ?ナシ?後悔しない「企業選びの軸」

ここまで見てきたように、AIはSIerの仕事を消すのではなく、業務の重心を上流へ動かす存在だ。

そのため、企業がAIをどう使い、社員をどう育てているかをしっかり確認することが最も重要だ。

就活の軸を定めるには、まず自分が何を基準に企業を見るかを整理する必要がある。判断材料を具体的に持つことが、不安を納得に変える最短ルートになる。

企業を比較するときに見るべき項目は次の通りだ。

  • AI活用の実例を採用ページや説明会で開示しているか
  • 研修にAIツール活用のカリキュラムがあるか
  • 上流工程(要件定義・提案)に若手を関与させる方針があるか

この3点を基準にすれば、AIに消極的な企業と積極的な企業の差が見えてくるため、志望企業選びの軸は自然と明確になっていくはずだ。

企業研究を進める際は、口コミや説明会だけに頼らず、逆求人サービスを併用するのも有効な手段だ。逆求人では企業側からAI活用を前面に打ち出したオファーが届くこともあり、就活生が自分から探す以上の情報に出会える。

次の一歩として、「SIerの就職活動完全ガイド」で企業研究の進め方を確認し、自分の判断軸に合う一社を探していくとよい。

企業選びで見落としやすい注意点は、AI活用を掲げていても実際には現場に浸透していないケースがある点だ。導入発表だけで判断せず、実際に使っている社員の声や研修内容まで確認することが欠かせない。

最終的に大切なのは、AIに奪われない企業を探すことではなく、AIを味方につけて成長できる企業を選ぶ姿勢である。

9.SIerの就活なら「ユニゾンキャリア」に相談

様々な就活エージェントの特徴や選び方を解説してきたが、どこを選べばいいか分からないと迷っている学生も多い。

もし君が本気で優良SIerから内定を獲得したいと望むなら、ユニゾンキャリア就活に任せてほしい。当社は、数多くの学生を優良IT企業へと導いてきた確かな実績と、独自の就活ノウハウを持っている。

9-1.優良SIer企業の就活成功インタビュー①

成功者インタビューより

ユニゾンキャリアを利用して、IT業界の理解は深まりました?

すごく深まりましたし、自分の中でバラバラだった知識が整理された感覚がありました。

一人で就活をしていた頃も説明会には行っていたんですけど、ITの知識は大枠でしか理解できなくて、結局よく分かっていない状態だったんです。

でも、担当キャリアアドバイザーの奥之園さんがIT業界の全体像やエンジニアの職種についてすごく丁寧に説明してくださって。

そのおかげで、IT業界で自分の希望に合う働き方がしやすいのは開発なんだなってすごく理解できました!

私の希望を聞いた上で「小松さんは開発の方が合うと思いますよ」って後押ししてくれたので、「あ、言うとおりに進めていけば大丈夫かな」ってすごく安心できました。

そのほかにユニゾンキャリアではどんなサポートがありましたか?

ESの添削から面接対策まで、本当に幅広くサポートしてくださいました。

面談も週2~3回くらいのペースで実施してくださって、分からないことがあればすぐに聞けてありがたかったです。

特にありがたかったのは企業ごとの面接対策でしたね。

面接の1週間前くらいから、志望先の特徴に合わせた受け答えをすごく細かく練習してくれたんです。

例えば、私は「IT業界に入ってまちづくりに関わりたい」という志望動機を話していたんです。

それを、志望先に合わせて「まちづくり」の部分を「公共」や「金融」みたいに言葉に変えるだけでも印象が良くなるよ、みたいなアドバイスをしてくれて。

それまで我流で面接対策を進めていて、詰めが甘い部分も沢山あったので、そこをどんどんブラッシュアップしてもらいました。

企業ごとにしっかり面接対策をしてくれて、自信をもって本番に臨めたので、本当にありがたかったです!

内定先に入社を決めた理由はなんですか?

公共事業や金融事業を多く取り扱っていたというのが一番の理由です。

大学でまちづくりを学んでいたので、地域や人々の暮らしに直接関わる仕事がしたいという軸をずっと持っていたんですよね。

それで、「将来どんな業界に携わりたいか」を考えたときに、エンジニアとして公共や金融のシステムに関わることで、間接的にでも人々の生活を支えられることに魅力を感じて。

自分のこれまでの学びや想いと、会社の強みがしっかりとマッチしていると感じられましたし、ここでなら自分のやりがいを持って働けると思ったので入社を決めました!

\優良企業から穴場企業までカバー/

9-2.優良SIer企業の就活成功インタビュー②

成功者インタビューより

選考対策のサポートについてはどうでしたか?

面接対策用の「頻出質問をまとめたリスト」をいただいたのですが、それが本当に役立ちましたね。

受ける会社ごとに「この企業はこういう質問をしてきやすいですよ」といった個別の傾向を共有いただけたので、一社一社に対してしっかり準備して面接に臨むことができたんです。

その結果、応募した2社とも内定をいただくことができました!

最初からIT業界に絞って活動していましたが、受けた企業すべてから評価をいただけたことは、自分にとって大きな自信につながりました。

複数の内定先の中から、最終的に入社を決めた理由を教えてください!

決め手は、将来的な上がり幅も含めた「給与面での納得感」が一番大きかったことですね。

もちろん、どの会社も成長環境としては魅力的でしたが、今回決めた会社は昇給イメージを明確に提示してくれたんです。

入社してから30歳までの5年間で、年収が約400万円アップするというキャリアパスを示していただけたことで、頑張れば評価されると分かって、「ここでなら長く頑張れる」という安心感に繋がりました。

最後にユニゾンキャリアを利用した率直な感想を教えてください!

「使って良かったな!」というのが率直な感想ですね。

特に一番良かったのは、担当の橋本さんが最初から最後まで一貫して伴走してくれたことです。

他社では企業ごとに担当が変わる「分業制」が多かったのですが、橋本さんが全ての選考フローを把握してくれていたので、情報の齟齬がなく非常にスムーズに進められました。

また、橋本さんが親身に寄り添い、不安なときも「大丈夫ですよ」と声をかけてくださり、最後まで精神的に支えていただいたことが本当に心強かったです!

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