記事の概要
ゲーム業界は残業が多いというイメージを持つ就活少なくないが、実際には職種・企業規模・制作形態によって大きく異なる。月平均20〜30時間という一般的な数字だけで判断すると、入社後に想像と現実のギャップに後悔する可能性がある。
記事を読むことで、ゲーム業界の残業時間の実態を平均値ではなく職種別・制作形態別に理解でき、求人票の「みなし残業」をどう読み取るかという実践的な知識が身に付く。さらに、自分の残業許容度と企業選びの判断軸を組み立てることで、入社後のミスマッチを防ぐための準備が出来る。
この記事では、ゲーム業界の残業時間の平均・目安データ、職種別に見るゲーム業界の残業傾向の違い、制作形態によって残業の性質がどう変わるかについて詳しく解説していく。
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1.ゲーム業界がどんな世界なのかまるっと解説!
ゲーム業界は、人々に娯楽を提供するはなやかで魅力的な領域だ。最新の技術を使って、世界中の人を楽しませる作品を生み出している。
しかし、ただゲームで遊ぶのが好きなだけでは通用しない、厳しい実力主義の世界でもある。憧れだけで入社すると、理想と現実のギャップに苦しむことになる。
項目詳細内容会社の種類プラットフォーマー(ゲームで遊ぶ機器を提供)…
1.ゲーム業界の残業時間の平均・目安データ
ゲーム業界の残業時間がどの程度なのかは、就活生にとって業界選びの重要な判断軸となる。「ゲーム業界=残業が多い」というイメージを持つ人も多いだろうが、実際のデータを見ると、一律にブラックとは言い切れない側面がある。
dodaなどの調査ではゲームクリエイターの平均残業は月28.1時間、日次換算で1〜2時間程度が目安だが、これは平均値であり実態には幅がある。
このセクションでは、信頼できる調査データに基づいた具体的な残業実態を整理し、平均値だけでは見えない繁忙期の波についても解説する。
- 調査データで見る月間・日次の残業目安
- 社会全体の平均残業時間との比較
- 平均値だけでは見えない繁忙期の実態
1-1.調査データで見る月間・日次の残業目安
ゲーム業界の平均残業時間は月28.1時間が一つの目安となる。これは人材紹介サイト「doda」が公開したゲームクリエイター職種別データから得られた数値だ。
月28.1時間を日数換算すると、1日あたり約1~2時間程度の残業が平均となる。営業日が20日とすれば、毎日1時間程度の延長勤務という計算だ。
これは「毎晩深夜まで居残り」という極端なイメージとは異なり、定時後に1~2時間の業務を続ける程度の水準である。
ただし、この数値はあくまで平均値であり、職種や企業、プロジェクトの進捗状況によって大きく変動する。プログラマーは月40時間を超える残業が報告される傾向にある一方、企画職(プランナー)や運営サポート職は月10時間前後に抑えられることもある。
1-2.社会全体の平均残業時間との比較
厚生労働省の統計によれば、日本全体の労働者の月間平均残業時間は約12~15時間とされている。ゲーム業界の月28.1時間は、この全体平均の約2倍に相当し、やや多めの業界と言える。
しかし、IT業界全体で見ると、ゲーム業界の残業時間はむしろ平均的な水準である。
システムエンジニア職は月30~50時間の残業が常態化している企業も珍しくなく、ゲーム業界が特別に過酷というわけではないという見方もできる。
また、金融やコンサルティング業界と比較すれば、ゲーム業界の残業は相対的に少ない。業界全体のイメージ先行で判断するのではなく、企業の個別条件を確認することが重要だ。
1-3.平均値だけでは見えない繁忙期の実態
ゲーム開発は製作フェーズによって残業量が大きく変動する特性を持つ。
企画・初期段階では月10~20時間程度の残業に収まっても、リリース前の「クランチ期間」では月60~100時間を超えることもある。
つまり、年間の平均値が月28.1時間でも、ピーク時には月100時間近くまで跳ね上がり、その後落ち着く波が存在する。新卒入社者が「平均月28時間なら大丈夫」と考えていると、繁忙期に想定外の長時間労働に直面する可能性がある。
この波の大きさは企業の規模や管理体制によっても異なる。大手企業や運営歴の長い タイトルを担当する部門では、クランチを前提にスケジュール管理する体制が整備されており、むしろ中小企業やベンチャーの方が繁忙期の無理が生じやすい傾向にある。
求人票の平均残業時間だけでなく、「繁忙期の実態はどの程度か」「クランチ時の休暇取得はどう対応するのか」を面接やOB訪問で確認することが、入社後の後悔を防ぐ重要なステップとなる。
2.職種別に見るゲーム業界の残業傾向の違い
ゲーム業界の平均残業時間は月28.1時間だが、この数字は職種によって大きなばらつきがある。プランナー・プログラマー・デザイナー・QA・運営では業務内容の性質が異なり、残業の発生しやすさにも明確な差があるため、志望職種の実態を把握してから企業選びに進む必要がある。
自分の残業許容度とマッチする職種を見極めることが、入社後のミスマッチを防ぐ第一歩だ。
- プランナー職の残業傾向
- プログラマー職の残業傾向
- デザイナー職の残業傾向
- QA(デバッグ)職の残業傾向
- 運営職の残業傾向
2-1.プランナー職の残業傾向
プランナー職の残業は仕様調整と会議対応で発生しやすく、月20〜30時間程度が相場だ。企画段階では仕様が頻繁に変わり、その都度デザイナーやプログラマーに指示を出し直す必要があるからだ。
また開発後期になると、テストプレイの結果に基づいてゲームバランスを調整する指示が増え、リリース直前は特に残業が集中する傾向にある。
ディレクターとの打ち合わせやクライアント対応も多く、会議や資料作成に時間を取られることが残業を押し上げる要因だ。
ただし、仕様が早期に固まっている家庭用ゲームや、スマホゲームの場合でも定期的に仕様更新が決まっている場合は、残業が比較的少ない傾向がある。企業選びの際は、制作形態だけでなく「仕様変更の頻度がどの程度か」「会議の時間管理をしているか」という点も確認するとよい。
プランナー職は企画の裁量がある反面、その判断が開発全体に波及するため、残業の質が「集中的」になりやすい職種だ。
2-2.プログラマー職の残業傾向
プログラマー職の残業は月30〜50時間を超えることが多く、ゲーム業界で最も残業が多い職種である。実装量の多さに加え、バグ修正とリリース前の対応が重なると、急激に残業時間が増える仕組みになっているからだ。
開発初期は仕様実装に集中し、中盤はバグ修正、後期はパフォーマンス最適化とクラッシュ対応に追われるというように、フェーズごとに残業の質が変わる。特にリリース1週間前から当日までは、チーム全体で深夜対応になることが珍しくない。
プログラマーの場合、納期に間に合わせるには長時間労働が避けられない構造がある。ただし、エンジニア人数が十分な企業や、開発工程管理がしっかりしている企業では、残業を月20時間以内に抑えているところもある。
プログラマーはゲーム制作の中でも最も負担が大きい職種のため、企業選びの際は「どのフェーズで最も残業が増えるか」を明確に把握することが重要だ。
2-3.デザイナー職の残業傾向
デザイナー職の残業は月15〜30時間程度で、職種別では中程度だが、修正対応が集中すると急増する。ゲームの見た目を決める職種だけに、プランナーやディレクターからの修正指示が次々と来るからだ。
開発中盤から後期にかけて、キャラクターやUIのデザイン修正が増え、リリース直前はビジュアル調整で深夜対応が続くことがある。
また、スマホゲームの場合は画面サイズごとにUIを作り直す必要があり、対応デバイスが多いほど残業が増える傾向がある。
ただし、デザイン資産が事前に決まっている案件や、修正ルールが明確に定められている企業では、残業を比較的抑えられている。
デザイナーは修正対応の質によって残業時間が大きく変わる職種のため、企業文化や意思決定のスピード感を確認することが有効だ。
2-4.QA(デバッグ)職の残業傾向
QA職の残業はリリース直前に集中し、通常期は月10〜20時間、リリース前は月40時間を超えることもある。ゲームの品質を担保する最後の砦であり、クリティカルなバグが出てはいけないというプレッシャーが大きいからだ。
テスト項目が増える開発後期から、リリース日の深夜まで本番環境でのテストが続くという季節変動が大きい職種である。
家庭用ゲームの場合、認証審査対応も加わり、指摘事項への改修テストで予定外の残業が発生しやすい。
QA職は「常に残業が多い」というより「繁忙期と通常期の差が大きい」という特徴を持つ。そのため、月平均ではなく「繁忙期の残業時間がどの程度か」「繁忙期は何ヶ月続くか」を確認することが重要だ。
QA職を選ぶなら、繁忙期の激しさよりも「繁忙期を過ぎた後の休暇取得状況」を確認する方が、実際の負担を把握できる。
2-5.運営職の残業傾向
運営職の残業は月15〜25時間程度が相場だが、大型イベント開催時や障害発生時に急増する。稼働中のゲームを継続的にサポートする職種のため、プレイヤー対応と予期しない問題への対応が重なると残業が避けられないのだ。
ゲーム内イベントの準備期間は事前計画できるため比較的コントロール可能だが、サーバー障害やバグが発見されると、即座に対応する必要があるため予測不能な残業が発生する。
運営職は、家庭用ゲームよりスマホゲームの方が残業が多い傾向がある。スマホゲームは常に新しいイベントを投入し続ける必要があり、その準備と同時進行で既存タイトルの保守を行うからだ。
また、プレイヤーとのコミュニティ対応も運営職の仕事に含まれており、クレーム対応や質問への回答に時間を取られることもある。
運営職は開発職と異なり、イベント開催スケジュールが公開されているため、企業のプレスリリースやゲーム公式サイトを調べれば、どの程度の頻度で新しい企画が動いているかを事前に把握できる。この調査は就活の段階から活用できる有効な手がかりだ。
3.制作形態によって残業の性質は変わる
ゲーム業界の残業を語る際、「ゲーム業界=残業が多い」と一括りにしてしまうと、本当の実態が見えにくくなる。実は家庭用ゲーム・スマホゲーム・受託開発・自社運営タイトルでは、残業が発生する頻度やタイミングの性質が大きく異なるのだ。
同じゲーム会社でも、どのプロジェクトに配属されるかで、残業との向き合い方は変わる。企業選びの際は、会社全体の平均値だけでなく、志望職種が携わる制作形態の特性を把握することが重要になる。
- 家庭用ゲーム開発の残業傾向
- スマホゲーム開発の残業傾向
- 受託開発の残業傾向
- 自社運営タイトルの残業傾向
3-1.家庭用ゲーム開発の残業傾向
家庭用ゲーム開発は、開発期間が2年以上に及ぶことが多く、リリース直前の「クランチ期間」に残業が集中しやすいという特徴がある。
開発初期から中盤にかけては比較的落ち着いた残業時間で推移するが、リリース予定日が近づくにつれて急速に増加する傾向を示す。
この波状的な残業パターンの背景には、家庭用ゲームの高い品質基準と長期開発サイクルがある。PlayStation や Nintendo Switch といった家庭用ハードは、市場からの期待値が高く、リリース時点でのクオリティが売上を大きく左右する。
ただし、リリース後は比較的落ち着く傾向があり、「クランチ期間を乗り越えたら楽になる」という見通しが立てやすい点は、スマホゲームとの大きな違いである。
家庭用ゲーム開発への配属を検討する際は、プロジェクトのリリース時期と現在の開発フェーズを確認し、クランチ期間との時期が重なるかどうかを見積もっておくと良い。
3-2.スマホゲーム開発の残業傾向
スマホゲーム開発は、リリース後も定期的なアップデートが必須であり、家庭用ゲームのように「リリース後は落ち着く」という見通しが立たないという性質がある。
月1回から週1回程度のペースで新イベント・新機能・バランス調整をリリースするため、残業が慢性的に発生しやすい。
プレイヤーが飽きないよう常に新しいコンテンツを提供し続ける必要があり、その結果として開発チームは年間を通じて高い稼働率を維持することになる。
具体的には、ガチャイベント期間中のバグ対応、ユーザーからの要望への急遽対応、予期しないサーバー負荷への対処といった業務が発生しやすい。プランナーやプログラマーが月30〜50時間の残業を常態化させているケースも多い。
さらに、リリース後数年経つと運営効率化により若干改善されるものの、新作ゲームのリリースがあると再び残業が増加する。
スマホゲーム開発を志望する場合、「リリース後も常に開発が続く」ことを前提に、月平均でどの程度の残業が予想されるかを企業に直接確認することが重要である。
3-3.受託開発の残業傾向
受託開発は、クライアント企業の事情で納期変更が頻繁に起こり、予期しない残業が増える傾向が強い。
大手企業から委託されるゲーム開発プロジェクトは、クライアント側の経営判断や市場戦略の変更に左右されやすく、契約時の納期では済まないケースが多い。
家庭用やスマホゲームであれば、開発企業が主体的にスケジュール管理ができるが、受託の場合はクライアント企業との調整が優先される。
例えば、大手メーカーのタイアップキャンペーン用ゲームを受託開発している場合、広告出稿日の決定とともに急遽リリース日が前倒しになり、2週間で実装予定を上乗せする、といった状況がある。プログラマーやデザイナーが数週間にわたって月80時間以上の残業に追い込まれることも稀ではない。
受託開発は「納期が定まりにくい」という本質的なリスクを持つため、企業の過去事例を詳しく聞き出し、どの程度の変更頻度と規模が現実的なのかを把握する必要がある。
3-4.自社運営タイトルの残業傾向
自社運営タイトルは、ライブサービス特有の突発的な対応が必要となり、事前予測が難しい残業が増えやすいという特徴がある。
この突発対応リスクの背景には、リアルタイムコンテンツの特性がある。ライブサービスの場合、配信日時や大会開催日が固定されており、その日に向けてシステムが正常稼働することが絶対条件になる。
具体的には、ライブ配信1週間前からサーバー負荷テスト、映像同期テスト、キャスト変更への対応などが始まり、配信直前には運用チーム全員が待機状態になることもある。月20〜60時間の残業が発生し、イベント開催時期によって波状的に変動する。
万が一当日にバグやサーバー障害が発生すれば、ユーザーの満足度が大きく低下し、売上に直結する損失が生じる。そのため、イベント直前の検証・調整に膨大な時間が割かれる。
自社運営タイトルを扱う企業への志望を検討する際は、イベント開催スケジュールを企業説明会やOB訪問で確認し、自分の生活リズムや体力との相性を事前に判定しておくことが後悔を防ぐポイントになる。
4.残業が増える構造的な要因を理解する
ゲーム業界の残業は、個人の能力不足ではなく納期設定やリソース不足といった構造的要因から生まれることが多い。この要因を理解することで、企業選びの際に何を確認すべきかが見える。
残業の発生パターンを知れば、求人票に書かれた数字がどの程度信頼できるのか、面接で何を質問すべきかも判断しやすくなる。
- 納期とクランチ期間による集中
- プロジェクト管理の問題
- 人員・リソース不足の問題
4-1.納期とクランチ期間による集中
ゲーム業界にはリリース直前の「クランチ期間」に残業が集中しやすい業界特有の構造がある。
新作ゲームは発売日が決まっているため、その日に向けた作業は絶対に逃せない。
ゲームはリリース後も売上や評価に直結するため、品質を落とさない限り納期の延期は困難だ。
納期が固定である以上、仕事量が想定を超えれば残業で対応するしかない構造になっている。
つまり残業の多さは、その時期のプロジェクト規模や予期しないトラブルの有無に大きく左右される。月平均20時間の残業でも、繁忙期は月60時間を超える場合もあれば、運営期は月5時間程度に落ちる企業も珍しくない。
リリース周期が短いスマホゲームほど繁忙期の波が頻繁に来る傾向がある。一方、家庭用ゲームは開発期間が長いため、開発フェーズごとの残業の差が大きい特徴がある。
4-2.プロジェクト管理の問題
仕様変更や進行管理の甘さがスケジュール逼迫を招き、それが残業の直接的な要因になる。
ゲーム開発は企画段階で完全に仕様を決め切ることが難しく、開発途中に機能追加や調整が入ることが常である。
プロジェクト管理が弱い組織では、変更による影響を正確に見積もれず、予定通りに進むと仮定してしまう。
結果として、開発後期になって初めてスケジュール遅延が明らかになり、その穴埋めに残業が増える悪循環が生じる。
特に受託開発では、クライアント側の仕様変更が頻繁に入る。その都度スケジュール調整ができない企業では、現場の負担が増すばかりだ。
組織の成熟度が高い企業ほど、仕様変更時の承認フローが整備され、スケジュールへの影響を事前に試算して対応する傾向がある。
4-3.人員・リソース不足の問題
少人数体制でプロジェクトを進めたり、必要なツール・外注リソースが不足したりすると、個々の業務量が増えて残業に直結する。ゲーム開発は専門スキルが必要な職種が多く、単純に人数を増やしても対応できない側面がある。
しかし、だからこそ既存メンバーへの負担が集中しやすい。適切な規模の人員が配置されていない企業では、個人の努力では補いきれない業務量が常態化する。
人員不足は新卒採用のペース、退職率、チーム編成の考え方に表れる。「毎年同じ数の新卒を採用しているか」「離職率はいくらか」「1プロジェクトの最小チームサイズは」といった基本情報を会社説明会や採用ページから読み取ることで、リソース状況を推測できる。
大手企業でも部署によって人員配置に差がある。職種が決まったら、その部署の定員や増員予定を具体的に確認する価値がある。
5.求人票の『みなし残業』を正しく読み解く方法
ゲーム業界の求人を見ると「みなし残業40時間含む」「固定残業代5万円」といった記載をよく見かける。しかし、この表記が何を意味するのか、超過分はどうなるのかを正確に理解していない就活生が大半だ。
求人票の制度表記を読み違えると、入社後の給与や働き方が想定と大きくズレるため、応募前に必ず確認しておく必要がある。
- みなし残業・固定残業代の基本的な仕組み
- 裁量労働制が求人票に書かれる場合の注意点
- 超過分の残業代が支払われるかの確認方法
5-1.みなし残業・固定残業代の基本的な仕組み
みなし残業とは、一定時間分の残業代を基本給に含める制度だ。
例えば「みなし残業40時間」なら、月40時間分の残業代を基本給に組み込んでいる。
固定残業代も同じ仕組みで、「固定残業代5万円」なら毎月5万円が残業代として給与に上乗せされている。
給与欄に「月給25万円(みなし残業40時間含む)」と書かれている場合、25万円の中には40時間分の残業手当が既に含まれている。
ここで重要なのが「超過分」の扱いだ。みなし残業40時間を超えて50時間働いた場合、超えた10時間は支払われるべき残業代である。
しかし、企業によっては超過分の支払いを渋ったり、制度上曖昧にしたりするケースも存在する。
募集要項だけでは超過分の扱いが明記されていないことが多い。だからこそ、面接時に直接質問して、その会社の実態を確認することが重要になる。
5-2.裁量労働制が求人票に書かれる場合の注意点
「裁量労働制」と書かれた求人も、ゲーム業界でよく見かける。裁量労働制は、労働時間を労働者の裁量に委ねる制度で、実際の勤務時間に関わらず給与が変わらないという特徴がある。
つまり、月40時間の残業をしても月60時間の残業をしても、給与は同じということだ。
一見、「自分のペースで働ける自由な制度」に見えるかもしれない。しかしゲーム開発現場では、裁量労働制が実質的な長時間労働を正当化する手段として機能している場合がある。
納期前のクランチ期間に月80時間以上の残業が常態化しても「裁量だから」と追加手当が出ないケースもある。
また、裁量労働制の適用には「企画業務型」と「専門業務型」があり、全職種に適用できるわけではない。それにもかかわらず、プログラマーやデザイナーにまで広げている企業は、制度の悪用の可能性がある。
5-3.超過分の残業代が支払われるかの確認方法
みなし残業や固定残業代で設定された時間を超えた場合、その超過分が支払われるかは会社によって異なる。求人票や採用ページには「法定通りに支払う」と書かれていても、実際には遅延や減額がないか確認が必要だ。
最も確実な方法は、面接の際に具体的な質問を用意して、採用担当者に直接聞くことだ。曖昧な回答しか返ってこない企業は、制度の透明性に自信がない可能性がある。
以下は、実際に企業に問い合わせるときの質問例だ。
- 「みなし残業(時間)を超えた場合、超過分は翌月給与でどのくらいの期間で支払われますか」
- 「繁忙期(クランチ期間)には、平均してどの程度の残業が発生していますか」
- 「超過分の計算ベースは深夜手当や休日手当を含めていますか」
- 「みなし残業を下回った月は、減額されていますか」
これらの質問に対して、採用担当者が具体的な数字や制度を説明できるかどうかが、その企業の信頼性を判断する指標になる。曖昧な回答や「個別に相談」という逃げの文句が返ってきた場合は、その企業での労務管理に課題がある可能性が高い。
残業許容度は人によって異なるが、自分の許容範囲を明確にした上で、面接でこれらの質問を投げかけることで、入社後のミスマッチを防げる。
6.残業の少ないゲーム会社を見極める指標
ゲーム業界の残業が職種や会社によって異なることはわかったとしても、実際に応募する企業がホワイトかどうかを判断するのは難しい。求人票に書かれた数字だけでなく、客観的な指標や面接での質問を組み合わせることで、入社後のギャップを防ぐことができる。
このセクションでは、就活生が実際に企業選びで使える具体的な確認方法を紹介する。
- 確認すべき客観的な数値指標
- 面接・OB訪問で使える質問例
- 月30時間の残業が生活に与える具体的な影響
6-1.確認すべき客観的な数値指標
離職率・有給取得率・平均残業時間の開示状況が、企業のホワイト度を測る最初の判断材料になる。これらの情報は四季報やOpenwork、企業のIR情報で確認できるため、応募前に必ずチェックしておくべき指標だ。
特に注目したいのは3年離職率である。ゲーム業界全体の新卒3年離職率が30%程度とされているのに対し、15%以下の企業はホワイト傾向が強い。
離職率が高い企業は、入社後の環境が想像以上に過酷である可能性が高い。
有給取得率も重要な指標だ。有給を取りやすい企業は、全体的にワークライフバランスを大切にしている傾向がある。
平均年間取得日数が15日以上の企業であれば、残業による疲弊が少ない可能性が高い。
ただし数字だけで判断せず、次に述べる質問を組み合わせることが重要だ。
6-2.面接・OB訪問で使える質問例
面接やOB訪問では、角を立てず自然な流れで残業実態を探る質問を用意しておくことが重要だ。採用担当者も現場の社員も、直球で「残業は多いですか」と聞かれるより、理由とセットで聞かれた方が詳しく答えやすい。
残業実態を確認する際は、プロジェクトのフェーズによって繁忙期が異なることを念頭に置く必要がある。繁忙期の『期間』と『頻度』を明確にする質問が効果的である。
| 質問の意図 | 具体的な質問例 |
|---|
| 繁忙期の期間と頻度 | 「リリース前は残業が増えると聞きますが、その期間は年に何回・どのくらい続くのでしょうか」 |
| 平均的な業務時間 | 「通常時期は何時くらいに退社する人が多いのですか」 |
| 休暇取得の実態 | 「有給休暇は実際に何日程度取得されていますか」 |
| 業界標準との比較 | 「ゲーム業界と比べて、貴社の残業時間はどのくらいですか」 |
OB訪問であれば、さらに踏み込んで「実際の1日のスケジュール」を聞くのも有効だ。何時に出社して何時に帰るのか、その時間帯で何をしているのかを聞くことで、求人票の数字とのズレを発見できる可能性がある。
6-3.月30時間の残業が生活に与える具体的な影響
月30時間の残業は、日次換算で1時間30分程度の延長となり、一見するとそこまで多くない印象を持つかもしれない。しかし、実際の生活への影響を数字で想像すると、許容できるか判断しやすくなる。
例えば、1日1時間30分の残業が毎日発生した場合、帰宅時間は22時前後になる。その後入浴と食事で1時間、寝る準備で30分かかれば、睡眠時間は6時間程度に圧縮される。
6時間睡眠が続くと、集中力の低下や体調不良が蓄積し、3ヶ月目以降からメンタルヘルスへの悪影響が出始めるというデータもある。
新卒で入社した直後は「ゲームに関われるなら」と割り切れる学生も多いが、1年目の後半からこの生活パターンに疑問を持ち、離職を検討し始めるケースが少なくない。
「月30時間なら耐えられそう」と思うか、「これは厳しい」と感じるか、その判断が、入社後の満足度を大きく左右する。
7.残業実態を知った上で自分に合う会社を選ぼう
ここまで見てきたように、ゲーム業界の残業は職種・会社規模・制作形態によって大きく異なる。
「ゲーム業界=一律にブラック」というイメージは、実態を正しく捉えていない。大切なのは、自分がどこまでの残業なら受け入れられるかを先に把握しておくことである。
そのうえで、求人票の『みなし残業』『固定残業代』の表記を正確に読み、企業の開示情報や面接での回答から実態を確認する姿勢が求められる。
例えば、みなし残業40時間と記載された求人でも、実際の残業が50時間を超える場合に追加支払いがあるかどうかは会社ごとに異なる。この違いを確認しないまま入社すると、想定外の負担を抱えるケースがある。
次の記事、「ゲーム業界はやめとけと言われる理由5選!」を踏まえながら、自分の許容範囲と企業の実態を照らし合わせれば、後悔しない選択に近づく。
残業の多さそのものを恐れるより、残業の質と求人票の読み方を正しく理解することが、入社後のミスマッチを防ぐ最善策である。就活の軸を固める段階で、この視点を持てているかどうかが、後々の納得感を大きく左右する。
8.ゲーム業界を目指す就活生からのよくある質問
ここまで、ゲーム業界の残業実態を職種別・制作形態別に見てきた。ここでは就活生からよく届く3つの疑問に、判断材料の形で答える。
読み進めれば、自分が入社後に後悔しない企業選びの軸が見えてくるはずだ。
- ゲーム業界の残業時間は平均どれくらいですか?
- 残業が月30時間の会社はホワイト企業といえますか?
- ゲーム業界は本当にヤバい(ブラック)業界なのですか?
8-1.ゲーム業界の残業時間は平均どれくらいですか?
ゲーム業界全体の残業は、月平均20〜30時間程度が目安である。
doda調査ではゲームクリエイターの平均残業時間は月28.1時間とされ、日次換算だと1〜2時間程度になる。
この数値が重要なのは、あくまで平均であり実態には大きな幅があるという点だ。開発初期は残業が少なく、リリース前のクランチ期には一時的に増える会社が多い。
求人票を見る際は、月間の平均値だけでなく繁忙期の残業実績まで確認すると、より正確な実態がつかめる。
平均値は入口の目安に過ぎず、職種や制作形態によって受け止め方を変える必要がある。
8-2.残業が月30時間の会社はホワイト企業といえますか?
月30時間という数字だけでは、ホワイトかどうかは判断できない。残業の「量」だけでなく「質」を見る必要がある。
繁忙期に集中する残業なら生活への影響は一時的だが、慢性的に毎月30時間が続く場合は疲労が積み重なりやすい。同じ数字でも意味が変わる。
月30時間は1日あたり1.5時間ほどの増加に相当する。睡眠時間や自分の時間を削る量として想像すると、自分の許容範囲と比べやすくなる。
数字だけを見て安心せず、その内訳と発生パターンまで確認する姿勢が、入社後のミスマッチを防ぐ。
8-3.ゲーム業界は本当にヤバい(ブラック)業界なのですか?
ゲーム業界を一律にブラックと決めつけるのは誤解である。残業の実態は職種・会社規模・制作形態によって大きく異なる。
プランナーとプログラマーでは業務性質が違い、家庭用ゲームと運営型タイトルでも残業の波が異なる。「ゲーム業界」という一括りの見方自体がミスリードになりやすい。
実際、平均残業時間を開示し繁忙期の対応方針まで説明する会社も存在する。企業ごとの違いを知るには、大手からホワイト企業まで幅広く比較した情報を確認するとよい。
不安の根っこにある「業界全体への漠然としたイメージ」は、求人票の読み方と職種・制作形態別の視点を持てば解消できる。自分の許容度に合った会社を見極める作業こそが、後悔しない就活の出発点となる。
自分に合った企業を知りたい場合は、次の記事「新卒におすすめゲーム会社ランキング!」をご覧ください。
9.ゲーム業界を目指すならユニゾンキャリア
ゲーム業界は専門的なスキルや独自の対策が強く求められるため、一人で選考を突破するのはとても難しい領域だ。
だからこそ、ゲーム業界の選考に特化した当社のサポートを活用することが内定への近道になるはずだ。企業の選び方から面接対策まで、一貫して支援を行っている。
就職活動を成功させ、クリエイターとしての第一歩を踏み出した事例を参考にしてほしい。
9-1.ユニゾンキャリアの内定者インタビュー①
成功者インタビューより
エンジニア以外で志望していた職種はありますか?
就活を始めたときは、自動車が好きだったのでディーラーだったり、営業職全般を幅広く見ていましたね。
当時もプログラミングには興味があったんですが、数学が苦手で文系だったというのもあって、就活を始めたときはエンジニアになることは考えていなかったんです…。
ユニゾンキャリアではどんな選考対策を行いましたか?
エントリーシートの作成から面接対策まで、一貫してサポートしてもらいました。
私の場合、長期インターン先から内定をいただいていたこともあり、実はエントリーシートを書くのがはじめてだったんです。
何から書けばいいか分からなかったんですが、橋本さんが一から丁寧に教えてくれて、悩んでいた自分の長所の書き方も的確なアドバイスをもらえたので本当に助かりました。
面接対策では、面接のコツがわかる対策シートをもらって、面接で話す内容や伝え方を準備しました。
そのおかげで、最終的にはアドリブもできるようになって、面接に対する苦手意識を持たずに済みました!
アルバイトで接客業をしていたので話すことは得意だったんですが、面接での話し方とはまた違うのでアドバイスをもらえて良かったです。
ユニゾンキャリアを利用してどう思いましたか?
担当キャリアアドバイザーの橋本さんの対応が早くて助かりました!
3年生の3月に就活を再開したんですが、周りの同級生が内定をもらってたこともあって当時は焦ってて…。
でも、最初の面談から求人の紹介までが早くて、スムーズに就活を進められたので本当にありがたかったです。
そのおかげで、2か月後には内定がもらえて早く就活を終えることができたので橋本さんには本当に感謝しています。
9-2.ユニゾンキャリアの内定者インタビュー②
成功者インタビューより
留学中に就活を進めるって大変ですね…。その中でユニゾンキャリアを利用しようと思ったきっかけは?
最初は他のエージェントさんを利用していたんですよ。でも、LINEの返信が遅かったり、求人だけ大量に送られてきたりして、思ったようなサポートが受けられませんでした。
留学していたので、時差があったからかもしれないんですけど、全然返信がなかったんですよ。
それに、勉強も両立しながら就活を進めなきゃいけなかったので、大量に求人を紹介されても、企業を選ぶ時間もありませんでした。
元々利用していたエージェントの対応に不満があったので、ユニゾンキャリアさんを利用するようになりました。
ユニゾンキャリアのサービスはぶっちゃけどうでしたか?
キャリアアドバイザーの橋本さんが、親身に相談に乗ってくださって、ありがたかったです!
LINEでバーッて質問しても、全部しっかり返してくれて、「すごい、本物だ!」って(笑)
以前、ほかのエージェントを利用していた時に大量応募が嫌だったことを橋本さんに相談したら、「じゃあ数社ずつ、髙安さんのペースに合うようにご紹介しますね」と私に合わせたサポートをしてくれました。
あと、選考対策をしっかりしてくれたのも助かりました。
面接対策の資料を渡してもらって、その資料を見ながら「ここが求められますよ」「質問したらこんな風に返しましょう」みたいに面接の回答例を色々教えてもらいました。
ユニゾンキャリアを利用した感想を教えてください!
橋本さんがIT業界の説明からしっかりしてくれて、エンジニアとして働くイメージが持てました。
そのおかげで、本当に私はITに進んでいいんだな、未経験なりにもチャレンジしていいんだなって勇気をもらえました。
もしエンジニアを目指す友達がいたら、絶対におすすめしたいなって思うくらい、本当にいいエージェントさんだったなって思います!
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