SESから自社開発の転職に必要なスキルと転職理由！失敗するリスクも解説！

IT業界を本音で語る「ユニゾンキャリア編集部」の真心です。

SESエンジニアにとって、「自社開発企業への転職」は魅力的なキャリアパスの一つとして常に注目されています。

しかし、その実態や必要なスキル、成功のポイント、そして潜むリスクについて、具体的に理解している方は意外と少ないかもしれません。

自社開発は勝ち組などと言われる一方で、やっぱりSESに戻ろうみたな動きをする方も結構多かったりもします。

1.SESから自社開発に行くのは難しい？

SESから自社開発企業への転職は、「不可能ではないが、一定の準備と戦略が必要」というのが実情です。

自社開発企業では、プロダクトやサービスへの深い理解と愛着、企画段階からの関与、そして主体的な改善活動などが求められます。

そのため、SESでの客先常駐を中心とした働き方とは異なるスキルセットやマインドセットが重視される傾向にあります。

しかし、SESで培った多様な環境での適応力や、幅広い技術に触れた経験は、自社開発の現場でも活かせる強みとなり得ます。

重要なのは、これまでの経験をどうアピールし、自社開発企業が求める人物像にどうフィットさせるかです。

適切な準備と企業選びを行えば、SESから自社開発への転職は十分に可能です。

2.SESから自社開発の転職で必要なスキル感

SESから自社開発企業への転職を目指す際、求められるスキルや経験は年齢やキャリアステージによって異なります。

一概には言えませんが、一般的な目安として以下の点を参考に、自身の市場価値を客観的に把握しておくと良いです。

2-1.20代前半なら未経験からエンジニア経験2～3年程度

20代前半、SESでの実務経験が2～3年程度の場合、「即戦力」であること以上に「将来性」や「学習意欲」といったポテンシャルが重視される傾向にあります。

企業側も長期的な視点での育成を考えているため、完璧なスキルセットよりも、新しい技術や開発プロセスを素直に吸収しようとする姿勢が高く評価されます。

実務経験でアピールできる部分が少ないと感じるなら、自主的なアウトプットで熱意を示すのが重要です。

個人で開発したWebサービスやアプリケーションのポートフォolioは、あなたの技術力と意欲を証明する何よりの武器となります。また、GitHubでの継続的な活動（草を生やす）や、学んだことを技術ブログで発信するなど、能動的に学習している姿勢も大きなアピールポイントです。

面接では、なぜその企業のサービスに興味を持ったのか、入社後にどう貢献していきたいかを自分の言葉で情熱的に語れるように準備しておくことが、ポテンシャル採用を勝ち取る鍵となります。

2-2.20代後半なら実装2～3年以上の実務経験

20代後半になると、ポテンシャルに加えて「即戦力」としての貢献が明確に求められ始めます。

実装経験が2～3年以上あり、単に仕様書通りにコードが書けるだけでなく、詳細設計やテスト設計、コードレビューといった開発工程の一部分を主体的に担当した経験が重要視されます。

Gitを用いたバージョン管理や、チームメンバーとの円滑な連携、建設的な議論ができる能力は必須スキルと言えます。

さらに、使用する技術スタック（フレームワーク、ライブラリ等）について、「なぜこの技術が選ばれているのか」といった背景まで含めて理解していることが求められます。

SESでの多様なプロジェクト経験の中から、自身が「どの工程で、どんな課題に対し、どう貢献したのか」を具体的に整理し、論理的に説明できるように準備しておくことが転職成功の鍵です。

2-3.30代以降なら基本設計以上の実務経験

30代以降の転職では、単なる開発メンバーとしてではなく、チームやプロダクトを技術的に牽引するリーダーシップと、より深い専門性が求められます。

詳細設計以上の実務経験が3年以上あり、プロジェクトの中核メンバーとして機能開発をリードしたり、技術的な課題解決で中心的な役割を果たしたりした実績が不可欠です。

基本設計やアーキテクチャ設計に携わった経験があれば、非常に高く評価されます。加えて、技術力だけではない付加価値も重要になります。

また、特定の技術領域（例：大規模トラフィック対応、パフォーマンスチューニング、クラウドインフラ構築など）における深い専門知識も強力な武器となります。

これまでの多様な経験を棚卸しし、「自身のスキルセットが、転職先の事業課題をどう解決できるのか」というビジネス視点を持って語れるように準備することが、採用を勝ち取る上で極めて重要です。

3.【一覧表】自社開発で求められる分野別スキルと年収感

自社開発企業で求められるスキルは、フロントエンド、バックエンド、モバイルアプリ、インフラなど、担当する分野によって大きく異なります。

自社開発で求められる分野別のスキルセット、技術スタック、担当工程、年収感などの詳細については、以下の表をご参照ください。

職種	主流スタック	主要工程	主な年齢層	年齢別キャリア難易度	平均年収	必要経験年数
フロントエンド	TypeScript＋React / Next.js / Vue	UI/UX設計、SPA/SSR開発、パフォーマンス最適化	20–30 代	20 代 ★★☆（適応力重視） 30 代 ★★☆（専門＋リード力） 40 代 ★★★（先端追従必須）	500–650 万円	3–5 年
バックエンド	Go / Kotlin / Ruby / Java / Python ＋RDBMS / SQL	API 設計開発、DB 設計最適化、アーキ設計・性能/セキュリティ	20–40 代	20 代 ★★☆（基礎＋実装） 30 代 ★★☆（設計・クラウド即戦力） 40 代 ★★★（アーキ／チーム主導）	550–700 万円	3–5 年
フルスタック	FE ＋ BE ＋ DB ＋ IaC/クラウド	要件定義～運用まで一貫担当、技術選定・全体統括	30–40 代	30 代 ★★★（幅広スキル完成） 40 代 ★★★（組織レベルの技術戦略）	600–800 万円＋	5 年以上
インフラ	AWS / GCP / Azure ＋ Docker / Kubernetes ＋ Terraform	インフラ設計構築、監視運用、パフォーマンス & 信頼性チューニング、自動化推進	20–40 代	20 代 ★★☆（運用→構築へ） 30 代 ★★☆（クラウド・IaC即戦力） 40 代 ★★★（SLO設計・戦略）	600–750 万円	3–7 年
モバイル	Swift (iOS) / Kotlin (Android) / Flutter	アプリ UI/UX 実装、ストア運用、CI/CD、パフォーマンス最適化	20–30 代	20 代 ★★☆（1 本リリース） 30 代 ★★☆（CI/CD・保守主導） 40 代 ★★★（複数アプリ統括）	500–650 万円	3–5 年
データ / ML	Python ＋ Pandas / PyTorch / TensorFlow ＋ Airflow	ETL パイプライン、モデル開発・デプロイ、MLOps	25–40 代	25–30 代 ★★☆（ETL・基礎モデル） 30 代 ★★☆（オンライン学習・MLOps） 40 代 ★★★（最適化・事業直結）	600–800 万円	3–6 年

それぞれの分野で主流となる技術スタックや、担当工程、そしておおよその年収感も変わってきます。現在のあなたのスキル感で転職ができるのか知りたい場合はぜひ、ユニゾンキャリアまでご相談ください。

4.SESから自社開発に転職したい人の転職理由9選

SESエンジニアが自社開発企業への転職を希望する背景には、SES特有の働き方や環境からくる、さまざまな思いがあります。

ここでは、代表的な転職理由を9つ紹介します。共感できる点も多いのではないでしょうか？

4-1.帰属意識が持てずに孤独感を感じている

SESでは客先常駐が多く、プロジェクトごとに人間関係がリセットされるため、なかなか自社への帰属意識を持ちにくいという声はよく聞かれます。

実際に、一緒に働いている実感が欲しいなど当社にもご相談が多い内容です。

自社開発企業では、同じ目標を持つチームの一員としてプロダクト開発に携わるため、一体感や仲間意識を感じやすく、孤独感を解消したいという理由で転職を考える人がいます。

4-2.案件単位で学びなおすのに疲れた

SESは多様な案件に携われる反面、プロジェクトが変わるたびに新しい技術や業務知識、開発環境に適応する必要があり、その「学び直し」の連続に疲弊してしまうことがあります。

自社開発では、腰を据えて特定のプロダクトや技術と向き合えるため、より深く専門性を追求したいという方も多いです。

しかし、自社開発も最新の技術スタックについては勉強が必要なため、自社開発なら大丈夫だろうという安易な想定だと転職後に苦労する可能性があります。

4-3.自分で作ったサービスに関わりたい

自分が開発に携わったサービスが世に出て、ユーザーに使ってもらえる喜びをダイレクトに感じたい、という思いはエンジニアにとって大きなモチベーションです。

SESでは部分的な開発に終始することも多いですが、自社開発ではプロダクトの成長を長期的に見届け、改善に関与し続けることができる点に魅力を感じる人が多いです。

実際に自分が作ったサービスが、広がっていく様子を見るとかなり、嬉しい気持ちもわかるので納得の理由ですね。

4-4.評価制度の整った企業で年収を上げたい

SESの評価は、客先からの評価や自社の単価交渉力に左右されることもあり、自身のスキルアップが正当に給与へ反映されにくいと感じる場合があります。

自社開発企業、特に成長企業では、個人の貢献度やスキルレベルに応じた明確な評価制度やキャリアパスが整備されていることが多いです。

ただ、これはただ自社開発に入れば良いというわけではないので、それなりの規模の自社開発企業に入ることはマストになります。

4-5.もっと裁量を持って仕事をしたい

SESでは、顧客の指示や仕様に基づいて開発を進めることが多く、エンジニア自身の裁量が限定的になりがちです。

自社開発では、技術選定や設計方針、機能改善の提案など、より大きな裁量を持ってプロダクト開発に関与できる機会が増えるため、主体的に仕事を進めたいと考えるエンジニアにとって魅力的です。

特に自分の扱っているサービスであれば、なおさら「こうしたい、ああしたい」が出てきますもんね。

4-6.待期期間や単価低下リスクを避けたい

SES特有のリスクとして、次の案件が決まるまでの待期期間の発生や、景気・契約条件による単価の変動が挙げられます。

自社開発企業に所属することで、このような不安定さから解放され、安定した環境で腰を据えて開発に集中したいというのも、もっともな転職理由の一つです。

とはいえ、自社サービスの調子が悪くて撤退するようなことがあれば、もちろんリストラも発生します。直近だと、Googleが12000人くらいリストラしてました。

4-7.最新の技術スタックに長く触れたい

自社サービスを持つ企業は、競争優位性を保つために新しい技術やモダンな開発手法を積極的に採用する傾向があります。

SESでは案件によって古い技術を使わざるを得ないこともあります。

そのため、自社開発企業では、より新しい技術スタックに継続的に触れ、市場価値の高いスキルを磨きたいと考えるエンジニアが多いです。

ただ、キントーンやセールスフォースのように、ローコードツールのカスタマイズするという場合もあるので、企業は慎重に選ぶのがおすすめです。

4-8.チーム開発文化やスクラム経験を積みたい

アジャイル開発、特にスクラムのようなチーム一体となって開発を進める手法は、多くの自社開発企業で採用されています。

コードレビュー文化やペアプログラミング、活発な技術ディスカッションなど、チーム全体でプロダクトの品質を高めていく文化に憧れ、そのような環境で経験を積みたいという理由も多く聞かれます。

チーム開発文化などSESにいると余計にやってみたくなりますよね。

4-9.企画から運用まで一気通貫で関わりたい

プロダクトのアイデア出しや企画段階から、設計、開発、テスト、リリース、そして運用、改善という一連のライフサイクルすべてに関与したいという思いも、自社開発を目指す大きな動機です。

自分が「育てた」と言えるプロダクトを持つことは、エンジニアにとって大きな達成感とやりがいにつながります。

ただ、自社サービスを新たに作るというのはそうそう頻度が高いわけではないので、独立系のSierとかのほうが案外叶いそうと思うのはここだけの話です。

自社開発を目指す理由は様々ありますが、実際には結構、幻想で終わってしまうことが多いので、企業の実態など、本質的な部分での見極めが重要になります。

どんな会社が自分の理想を叶えれれるのか？などの企業やキャリアに関する内容からご相談いただけると幸いです。

5.SESから自社開発の転職で失敗する5パターン

憧れの自社開発企業への転職。しかし、残念ながら「こんなはずではなかった」と後悔するケースも存在します。

事前に失敗パターンを把握し、同じ轍を踏まないように注意してください。

5-1.ベンチャーや中小企業に入って激務

「自社開発＝キラキラした職場」というイメージだけで、特に成長途上のベンチャーやリソースの限られた中小企業に転職すると、想像以上の激務に直面することがあります。

一人ひとりの責任範囲が広く、残業や休日出勤が常態化しているケースも非常に多いです。

わかりやすく言えば、やりがい搾取的な側面を持っていることも多いので、サービスとして安定していないぐらいの自社開発にいくならかなり苦労することは覚悟してください。

そうならないためには、企業のフェーズやカルチャーをしっかり見極めることが重要です。

5-2.逃げの転職で仕事についていけない

SESの環境が合わないから、という「逃げ」の意識だけで転職してしまうと、スキルアップへの意欲が持続せず、結果的に仕事についていけなくなることがあります。

「自社開発で何をしたいのか」というポジティブな動機と、相応の覚悟がなければ、どこの環境でも長続きは難しいです。

実際、新しい技術を使おうと思ったらその場で調べるのは当たり前ですし、事前にある程度調査したりするのも普通です。

SESで案件ごとに覚えるのも確かに大変ですが、自社開発は深く掘り下げる勉強が必要になるので、ここを勘違いすると失敗します。

5-3.自社開発に幻想を抱きすぎて絶望

自社開発企業は全てが先進的で自由闊達、といった過度な幻想を抱いて入社すると、現実とのギャップに絶望することがあります。

実際には、レガシーコードの保守、地味な改善作業、社内調整なども多く存在します。

先ほども、例に上げましたが、ノーコードツールを扱うこともあり、技術がつかないなんてことも普通に起こります。

事前に面談などでリアルな情報を得て、期待値を調整しておくことが大切です。当社まで聞いていただければ、お答えしますよ。

5-4.技術力が問われて嫌になる

自社開発企業では、プロダクトの品質に直接責任を持つため、エンジニアの技術力に対する要求水準が高い傾向にあります。

日常的なコードレビューや技術ディスカッション、継続的な自己学習が求められ、そのプレッシャーに耐えられず「技術力が常に問われるのが辛い」と感じてしまう人もいます。

知識よりも実装できることのほうが重要だったり、とにかく手を動かせ！みたいな会社も多いです。

イメージとしてわかりやすいのは、イーロン・マスクの1週間にコードをどのくらい書いたのか？みたいな感じですね。

5-5.ゆるブラックで市場価値が激減

一見、残業も少なく働きやすい「ゆるい」環境でも、新しい技術に触れる機会が乏しく、スキルアップが見込めない「ゆるブラック」な企業も存在します。

居心地は良くても、数年後に市場価値が大きく下がってしまうリスクがあるため、自身の成長機会があるかどうかを見極める必要があります。

ゆるい企業に入るのは、副業などで稼ぎたい人にはおすすめですが、キャリアの途中でまだまだ成長したい人にはかなり地獄のような環境です。

焦燥感に苛まれてまた転職したみたいなパターンは結構あります。

6.SESから自社開発の転職は企業情報がカギ

SESから自社開発への転職を成功させるためには、何よりも「企業情報の収集と分析」が重要です。

自社開発と一口に言っても、企業の規模、事業フェーズ（スタートアップか安定期か）、開発文化、技術スタック、福利厚生、社員の雰囲気などは千差万別です。

求人票の表面的な情報だけでなく、企業の公式ブログやエンジニアの発信、技術イベントでの登壇情報、社員の口コミサイト、などを通じて、多角的に情報を集めるようにしてください。

自分に合った企業を慎重に見極めることが、後悔しない転職の第一歩となります。

ユニゾンキャリアでは、アドバイザーが直接企業とやり取りしているので、会社の雰囲気から何をやっているのか？面接官の性格までこっそりお教えします。

7.自社開発への転職はユニゾンキャリア

本記事をここまで読んでいただきありがとうございました。

自社開発への転職は個人的にはすごくおすすめです。

ただ、やはり簡単に入れるような企業だと転職後に後悔するパターンが多いので、それなりの規模の自社開発を目指すのがベストです。

また、自社開発といって実態はSESみたいな企業もけっこう多いので、内部情報をしっかりと確保してください。

ユニゾンキャリアでは、ITエンジニア専門の転職支援サービスを行っています。

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大量に応募して行ける企業がなくなってしまう前に、精度を上げて狙い撃ちしていきましょう！