
最終更新日:2025.06.05
SESからSIerの転職に必要なスキル感は?狙える企業先の種類を解説!

本記事のトピックスはこちら!
- SESからSIerへの転職は難しい?
- SESからSIerへの転職で必要なスキルは?
- SESからSIerに転職するとどんな企業に行ける?
SESからSIerへの転職は、多くのITエンジニアがキャリアアップの一環として検討する道です。
しかし、「SES出身では難しいのでは?」という不安や、具体的にどのようなスキルが求められ、どんなSIerを目指せるのかが分からないという声も少なくありません。
SIer企業はそれぞれで結構特徴があったり、難易度も大きく差があるのでどの企業に入るのかがかなり重要です。
記事の要約
本記事では、SESからSIerへの転職を考えている方を対象に、SESからSIerへの転職の可能性、必要なスキルセット、難易度別に狙えるSIerの種類について詳しく解説します。

1.SESからSIerへの転職は可能?

結論から言えば、SESからSIerへの転職は「可能」です。しかし、決して簡単な道ではありません。
SIerは自社で案件を請け負い、要件定義から設計、開発、運用まで一貫して関わることが多く、特に上流工程での経験や顧客との折衝能力が求められる傾向にあります。
そのため、SESでの客先常駐がメインだったエンジニアにとっては、スキルのギャップを感じる場面もあります。
しかし、SESで培った多様なプロジェクト経験や技術力は、SIerでも十分に活かせます。
重要なのは、自身の経験をSIerが求める条件にどう結びつけてアピールするか、どのSIerを目指すかという戦略です。
また、大手SIerから中堅SIerまで、企業規模や得意分野によって求められるスキルや難易度は異なります。
自身のスキルレベルやキャリアプランを客観的に把握し、適切な準備と対策を行えば、SESからSIerへのキャリアチェンジは十分に可能です。
2.SESからSIerへの転職するのに必要なスキル
SESからSIerへの転職を成功させるためには、SIerが重視する特定のスキルや経験を効果的にアピールすることが不可欠です。
これまでのSESでの経験を振り返り、以下の点を意識してスキルアップや実績作りを心がけてください。
- 上流工程以上の経験
- 難易度高めの資格を取得
- リーダー(PL)の経験
2-1.上流工程以上の経験
SIerの主要業務には、顧客の課題ヒアリング、要件定義、基本設計といった上流工程が含まれます。
SESで主にプログラミングやテストなどの下流工程を担当していた場合でも、プロジェクトの全体像を把握しようと努めたり、小規模でも顧客との打ち合わせに参加した経験があれば、それは貴重なアピールポイントになります。
可能であれば、現職で上流工程に関与できる案件に積極的に手を挙げ、実務経験を積むことが望ましいです。
顧客の業務理解や課題解決に向けた提案など、よりビジネスに近い視点での経験はSIerで高く評価されます。
2-2.難易度高めの資格を取得
客観的なスキル証明として、難易度の高いIT資格の取得は有効な手段です。
特に、プロジェクトマネジメント能力を示す「PMP®」や「プロジェクトマネージャ試験(PM)」、システム設計能力を証明する「システムアーキテクト試験(SA)」、IT戦略策定に関わる「ITストラテジスト試験(ST)」などの高度情報処理技術者試験は、SIerへの転職において有利に働く可能性があります。
これらの資格は、保有しているだけで一定レベルの知識と学習意欲を客観的に示せるため、実務経験が浅い部分を補う効果も期待できます。
計画的に学習を進め、キャリアアップをしやすくしてください。

2-3.リーダー(PL)の経験
SIerでは、プロジェクトを円滑に推進するためのリーダーシップやマネジメント能力が重視されます。
SESでチームリーダー(PL)やサブリーダーとして、メンバーの進捗管理、タスクの割り振り、小規模なチームの取りまとめなどを行った経験は大きな強みとなります。
例え、数名のチームであっても、主体的にプロジェクトを動かし、課題解決に取り組んだ経験は、SIerが求めるリーダーシップの素養を示す上で有効です。
具体的なエピソードを交えて、どのような工夫や努力でチームを成功に導いたのかを語れるように準備しておくのがベストです。
3.【難易度別】SESから狙えるSIerの種類
一口にSIerと言っても、その成り立ちや企業規模、得意とする分野によって、求められるスキルや転職の難易度は大きく異なります。
自身の経験やスキル、キャリアプランに合わせて、現実的に狙えるSIerのタイプを理解することが重要です。
- 超難関(S):メーカー系大手SIer
- 難関(A):ユーザー系大手SIer
- 難関(A):独立系大手SIer
- やや難関(B):メーカー系中堅SIer
- 標準(C):独立系中堅SIer
3-1.超難関(S):メーカー系大手SIer
日立製作所、富士通、NECといった国内大手電機メーカーを親会社に持つSIerです。
親会社のハードウェアやソフトウェアを組み合わせた大規模で複雑なシステム開発や、社会インフラ関連のプロジェクトを多く手掛けるのが特徴です。
親会社製品に関する深い知見や、大規模プロジェクトでの実績、高度な専門性が求められ、競争率も非常に高いため、転職難易度は「超難関」と言えます。
特定の技術分野での突出した実績や、関連製品への強い興味と学習意欲を示すことが重要です。

3-2.難関(A):ユーザー系大手SIer
金融、製造、通信、商社など、IT以外の業界の大手企業が自社及びグループ企業の情報システムを構築・運用するために設立したSIerです。(例:NTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズ、日鉄ソリューションズなど)
親会社の業界における業務知識や、その業界特有のシステムに関する深い理解が求められます。
要件定義や基本設計といった上流工程の経験、プロジェクトマネジメント(PM/PL)経験、そして親会社やグループ会社との円滑なコミュニケーション能力が重視されるため、難易度は「難関」です。
担当業界の知識習得への意欲を示すことがポイントとなります。

3-3.難関(A):独立系大手SIer
特定の親会社を持たず、独自の経営判断で幅広い業界の顧客に対してITソリューションを提供するSIerです(例:BIPROGY、富士ソフト、大塚商会など)。
多様な技術スタックへの対応力や、さまざまな業界・規模のプロジェクト経験が求められます。新しい技術への探求心や、顧客に対する提案力も重要視されます。
こちらもメーカー系やユーザー系よりは易しい「難関」に分類されます。
これまでのSESでの多様な案件経験や学習能力をアピールし、企業の得意分野や自社サービスへの貢献意欲を示すことが効果的です。

3-4.やや難関(B):メーカー系中堅SIer
大手電機メーカー系列ではあるものの、企業規模としては中堅クラスのSIerです。
特定の製品や技術分野に特化していたり、地域密着型のサービスを展開している場合があります。
大手メーカー系SIerほどではありませんが、専門分野における即戦力としてのスキルや、中規模プロジェクトでのリーダー経験、顧客折衝・提案スキルが求められます。
中堅になるので少し難易度が落ちて、「やや難関」に分類可能です。
自身のスキルセットと企業の専門分野が合致するかどうかをしっかり見極め、実績を具体的に提示することが重要です。

3-5.標準(C):独立系中堅SIer
特定の親会社を持たない中堅規模のSIerで、多様な業界の顧客(特に中堅・中小企業向け)にサービスを提供します。
大手独立系ほど広範ではないものの、複数のプログラミング言語、データベース、OSなどの実務経験やチームでの開発経験が求められます。
ポテンシャル採用の可能性も大手よりは高く、上流工程の経験があれば尚可とされ、難易度は「標準」レベルです。
自律的な学習意欲を示し、企業の主要顧客や得意分野を事前に調査し、自身の経験との共通点を訴求すると良いです。
ただし、これらの指標は年齢や学歴なども影響する場合があるので、詳しくはユニゾンキャリアまでご相談ください。
4.【一覧表】SIer転職のスキルと難易度
ここまでの内容を目安として一覧表にまとめているので、自分のスキルが足りているか確認してみてください。
SIerタイプ | 難易度 | 求められるスキル・経験例 | SESからの転職におけるポイント |
---|---|---|---|
大手メーカー系 | S(超難関) | ・親会社製品および関連技術への深い知見 ・大規模プロジェクト経験(リーダー/マネジメント尚可) ・高度な専門性 ・技術力 ・企画力 ・提案力 ・コンサルティング能力 | ・専門技術での実績を具体的に示す ・親会社製品への強い興味と学習意欲を示す ・「技術特化で安定志向」のキャリア像がマッチ |
大手ユーザー系 | A(難関) | ・親会社業界(金融・製造・通信など)の業務知識 ・要件定義/基本設計など上流工程経験 ・PM/PL経験・高いコミュニケーション ・調整力 | ・顧客折衝スキルを強調 ・担当業界の知識習得意欲を示す ・特定業界で腰を据えて働きたい場合に向く |
大手独立系 | A(難関) | ・幅広い技術スタック対応力 ・多業界 ・多規模プロジェクト経験 ・PM/リーダー経験 ・新技術への探求心 ・提案力 | ・多様な案件経験と学習力をアピール ・自社サービスや得意分野への貢献意欲を示す ・実力主義で成長したい場合に最適 |
中堅メーカー系 | B(やや難関) | ・特定製品/技術の専門知識 ・経験 ・中規模PJリーダー経験 ・顧客折衝 ・提案スキル | ・企業の専門分野と自身のスキルが合うか要確認 ・即戦力実績を具体的に提示 ・顧客に近い立場で特定技術を深掘りしたい人向け |
中堅独立系 | C(標準) | ・複数言語 ・DB・OSの実務経験 ・チーム開発経験 ・上流工程経験(あれば尚可) ・自律的な学習意欲 | ・ポテンシャル採用も視野に基礎技術+成長意欲を示す ・主要顧客や得意分野を調査し共通項を訴求 ・風通しの良い環境で幅広い経験を積みたい場合に適合 |
- S(超難関): 応募者多数・競争率が非常に高い。高い専門性と豊富な実績が必須。
- A(難関): 依然人気が高く、確かなスキルと企業文化への適合性が重視される。
- B(やや難関): 経験者採用中心。即戦力スキルを備えれば門戸はやや広い。
- C(標準): ポテンシャルも含め総合評価。企業研究と自己分析で十分対策可能。
あくまでポジションや時期によっても難易度は大きく変わります。
個人的にSIer転職の穴場だと思うタイミングは、「5月~7月」にかけてです。5月病で空く穴を企業が補填しようとするため、転職のハイシーズンの2月~4月より入りやすくなります。
5.SESからの転職を成功させるポイント

SESからSIerへの転職を成功に導くためには、自身の市場価値を高め、企業に効果的にアピールするための戦略的な準備が不可欠です。
以下のポイントを意識して、転職活動を進めていくのがよいです。
- 業務経験の棚卸しと強みの明確化
- 企業研究の徹底
- キャリアプランの具体化
- 上流工程への意識と学習姿勢
5-1.業務経験の棚卸しと強みの明確化
まずは、これまでのSESでの業務経験を詳細に振り返り、「業務経験の棚卸し」を行います。
担当したプロジェクトの規模、期間、業種、自身の役割、使用した技術、そこで得た成果や課題解決の経験などを具体的にリストアップします。
その上で、SIerが求める上流工程の経験、リーダー経験、顧客折衝経験などに繋がる要素を見つけ出し、自身の「強み」として明確化。定量的な成果(例:〇〇の改善でコストを△%削減)を盛り込むと、より説得力が増します。
このときにスキルシートを必ず更新するようにしてください。
5-2.企業研究の徹底
応募するSIerがどのような企業なのかを徹底的に研究することも重要です。
企業のウェブサイトだけでなく、IR情報(上場企業の場合)、ニュース記事、社員のインタビュー記事、口コミサイトなどを活用して情報収集をします。
チェックポイントは、事業内容、主要顧客、得意な技術領域、企業文化、福利厚生、そして現在どのような人材を求めているのかを深く理解しておくと内定が出やすいです。
また、企業研究を通じて、「なぜそのSIerで働きたいのか」という志望動機を具体的にし、面接での的確な質疑応答にも繋げることができます。
\企業の情報を調べる時間が…。/
5-3.キャリアプランの具体化
「なぜSESからSIerへ転職したいのか」「SIerでどのようなキャリアを築きたいのか」というキャリアプランを具体的にしておくことは非常に重要です。
SIerの面接では、あなたの将来の展望や成長意欲が問われます。
例えば、「顧客と直接対話し、ビジネスの根幹からシステム構築に携わりたい」「特定の業界の専門知識を深め、その道のプロフェッショナルになりたい」など、明確な目標を持つことで、志望動機に一貫性が生まれ、学習意欲の高さもアピールできます。
自分の目指すキャリアが面接官から逃げているように思われないような工夫は必要です。
\年収を上げたいだけなんだよな…。/
5-4.上流工程への意識と学習姿勢
SIerでは、システムの企画・設計といった上流工程に携わる機会が多くなります。
そのため、SESでの経験が下流工程中心だったとしても、常にプロジェクト全体やビジネスへの影響を意識して業務に取り組んできた姿勢を示すことが大切です。
また、新しい技術や業務知識を積極的に学ぶ意欲も評価されます。
現在自己学習していることや、今後習得したい技術分野などを具体的に伝えることで、成長ポテンシャルをアピールできます。
企業が技術力を求めているのか、顧客折衝能力を求めているのかなど、企業で対策が大きく変わるので詳しい企業の内部情報についてユニゾンキャリアまでご相談ください。
6.内定が出ないときはSESからSESの転職も検討を

SIerへの転職活動が思うように進まない場合、すぐに諦める必要はありませんが、一つの戦略として「より条件の良いSES企業への転職」を検討することも有効です。
すべてのSIerが未経験者や経験の浅い応募者に門戸を開いているわけではありません。
一度、上流工程の経験を積みやすいSES企業や、特定の技術・業界に特化してスキルを磨けるSES企業へ移籍し、そこでSIer転職に向けた実績と経験を積むというステップを踏むのも賢明な選択です。
例えば、プライム案件(一次請け)に近いSES企業であれば、顧客との折衝や要件定義に関わるチャンスが増えます。また、研修制度が充実している企業で専門性を高めることも可能です。
このように、目標とするSIerへの転職を最終ゴールとしつつ、中間ステップとして戦略的にSES企業を選ぶことで、結果的にキャリアアップへの近道となることもあります。
焦らず、長期的な視点でキャリアプランを考えるなど戦略的に進めていくことが大切です。2の手、3の手はしっかりと準備しておいてください。
7.優良IT企業の転職はユニゾンキャリア
SESからSIerへの転職は、情報収集や企業選び、自己PRの仕方など、一人で進めるには難しい面も多々あります。
特に自分に合った優良企業を見つけるためには、専門的な知識とネットワークを持つユニゾンキャリアまでご相談ください。
7-1.ユニゾンキャリアのサービス特徴
本記事をここまで読んでいただきありがとうございました。
SIerへの転職を考えているということは、おそらくキャリアアップしてバリバリ働きたいのではないか?と思っています。
SIerはSESの分の責任を負うポジションになるので、裁量もあるけど、責任も重いです。
ただ、SIerに憧れているだけで、ワークライフバランスを崩したくないみたいな場合は、失敗するリスクがあることもぜひ押さえておいて欲しいです。
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7-2.SESからSIerへの転職成功事例

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