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SESエンジニアの単価の上げ方とは?資格取得・キャリアパスを踏まえて解説

SES単価の上げ方とは?商流とマージン構造から交渉術まで解説!

IT業界を本音で語る「ユニゾンキャリア編集部」の真心です。

本記事のトピックスはこちら!

  • SESの単価が上がらないと感じたらまず知るべきことはどう判断すればいいの?
  • SES単価はどう決まる?マージン構造と評価基準はどう判断すればいいの?
  • 単価60万・70万・80万円は年収でいくらになるのかはどう判断すればいいの?

毎月同じ案件をこなしているのに、年収が上がらない。そう感じているSESエンジニアは多いのではないでしょうか。

技術力を磨いても単価が変わらない理由は、努力不足ではなく、SES業界の仕組みそのものにあります。単価は技術だけでなく、商流・マージン・還元率という構造的な要因で決まるため、見当違いの努力では報われません。

しかし、この仕組みを理解し、転職・契約交渉・社内交渉を戦略的に組み合わせれば、努力に見合った年収を引き出すことができます。自分の置かれた状況を正確に判断し、次に何をすべきか判断する基準を、この記事を通じて身につけてください。

記事の概要

本記事では自分の努力に見合った単価・年収を得て、キャリアの選択肢を自分で持ちたい方を対象に、SESの単価が上がらないと感じたらまず知るべきこと、SES単価はどう決まるのかとマージン構造・評価基準、単価60万・70万・80万円は年収でいくらになるのかを解説します。

目次

1.SESの単価が上がらないと感じたらまず知るべきこと

単価が上がらない理由は、技術力の不足だけではありません。実は、商流の深さとあなたの会社の還元率が、単価を左右する最大要因になっているケースが圧倒的に多いのです。

同じスキルレベルでも、所属する企業や商流によって年収が100万円以上変わることもあります。

このセクションでは、単価が上がらない本当の理由を自己診断し、単価アップに向けた最初の一歩を踏み出すための基礎知識をお伝えします。

1-1.単価が上がらないと感じる典型的な状況

スキルを磨いても、単価が上がらないのであれば、その原因は技術力よりも商流や会社の利益構造にある可能性が高いです。

SES企業の多くは、複数の企業を経由して案件を受注します。この商流が深いほど、あなたが手にする単価は低くなります。

例えば、発注元の企業が月額100万円で案件を出していても、その間に3社の企業が入ると、各社が利益を取ることで、あなたの手元には50万円程度しか残らないケースも珍しくありません。

つまり、あなたの努力の成果が、自分の給料に反映されない構造になっている可能性があるということです。

単価が上がらない原因を判断する確認項目

  • 所属している企業の商流の深さ(一次請け・二次請け・三次請け以降か)
  • 同じスキルレベルの他社エンジニアの年収相場
  • あなたの実力に対して、会社からどれだけ還元されているか(還元率)
  • 過去1年間で単価交渉を試みたことがあるか

これらの項目に照らし合わせて、自分の状況を客観的に見つめることが、最初の診断ステップになります。

1-2.SESの単価と年収・手取りの関係

SESの年収は、単価と稼働月数、そして経営状況による還元率で決まります

例えば、月額70万円の単価で12ヶ月フル稼働した場合、額面年収は840万円になります。しかし、実際の手取りはそこから税金や保険料、会社の利益分が引かれます。

さらに重要なのは、経営が不安定な企業では、実際に単価の80%しか給料に反映されないケースもあるという点です。

月額70万円の単価であっても、還元率が80%なら56万円、還元率が70%なら49万円というように、会社によって大きな差が生まれます。同じ努力でも、所属企業次第で年間100万円以上の差が出ることも珍しくありません。

月額単価還元率70%の場合還元率80%の場合還元率90%の場合
60万円42万円48万円54万円
70万円49万円56万円63万円
80万円56万円64万円72万円

上記の表から分かる通り、単価を5万円上げるよりも、還元率を10%改善する方が、手取りに与える影響が大きい場合もあります。

1-3.本記事で分かる単価アップの全体像

単価を上げるには、技術力・交渉タイミング・転職による商流改善の3つの要素を組み合わせる必要があります

この記事では、単価が上がらない本当の原因を理解した後、実際に単価を上げるための4つのアプローチを比較検討します。現職での単価交渉、転職による企業変更、フリーランス化、そして商流の浅い企業への転職という選択肢です。

それぞれにメリット・デメリット、実現期間が異なります。この記事を読み終わる頃には、あなたの状況に最も合った単価アップの道筋が見えるようになります。焦らず、構造的に理解した上で、次のステップを判断してください。

例えば、20代後半で年収500万円台のSESエンジニアが、技術力は十分にあっても単価が上がらないとします。

その場合、技術力をさらに磨くより、商流が浅い企業への転職を検討する方が、同じ期間で年収を150万円以上上げられることもあります。

一方、フリーランス化は高単価を得やすい代わりに、案件獲得の手間や税務処理、保険などのコストと不安定性を抱えることになります。

自分の市場価値、現在の会社の構造、今後のキャリア目標を総合的に判断することが、最適な判断につながります

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2.SESの単価はどう決まる?マージン構造と評価基準

SES単価が決まる仕組みを理解することは、年収を上げるための第一歩です。同じスキルを持つエンジニアでも、所属会社や商流によって手取り年収が100万円以上変わることもあります

単価が上がらない原因は技術力不足だけではなく、商流の深さやマージン構造、そして会社の還元率にあるかもしれません。

このセクションでは、SES単価がどのように決まり、どの要素があなたの年収に影響を与えるのかを、具体的な数字と一緒に解説します。

2-1.人月単価の基本的な計算方法

SES単価は「人月単価」という考え方をベースに決まります。人月単価とは、1人のエンジニアが1ヶ月間働くときの価格のことです。

例えば、人月単価が70万円なら、1ヶ月間の契約で企業側は70万円を支払い、その中からあなたの給与やマージンが差し引かれます。

この人月単価は、クライアント企業が支払う金額であり、あなたが受け取る金額ではありません。

人月単価から複数の中間マージンが引かれた後の金額があなたの給与になるため、単価が高くても手取りは想像以上に低い場合もあります

実際の計算イメージとしては、人月単価70万円でも還元率が50%なら、あなたが所属する会社に入る金額は35万円です。そこからさらに給与計算(手取りは約80%)が行われるため、手元に残る月給は28万円程度になる計算です。

人月単価だけを見ていては、実際の年収は把握できません。

人月単価を確認する際の3つのポイント

  • クライアント企業が支払う金額であり、あなたの給与ではない
  • 人月単価から複数段階のマージンが引かれることを理解する
  • 人月単価と還元率を組み合わせて実収入を計算する

人月単価を理解することで、単価交渉の際にどの金額を目指すべきかが明確になり、現在の年収が市場相場と比べて妥当かどうかを判断できるようになります。

2-2.商流の深さとマージンが引かれる仕組み

SES企業に入る前に、複数の企業を経由する「商流」が存在します。この商流が深いほど、途中の企業がマージンを抜くため、あなたの所属する企業に入る単価は下がります。

具体的な流れを説明します。クライアント企業(大手メーカーなど)が必要な人材を探すとき、1次請けの大型SES企業が受け、その下に2次請けの中堅SES企業、さらに3次請けのあなたの所属企業という階層構造ができることがあります。

クライアントが支払う人月単価100万円でも、商流が深ければ、あなたの企業に入るのは60万円程度まで下がる場合もあります。この商流の深さは、求人票には明記されていません。入社後に初めて知ることがほとんどです。

そのため、現在の職場でどの商流ポジションにいるのか、どのクライアント企業と直取引しているのかを把握することが重要です。

商流ポジション支払い企業に入る金額特徴
1次請け単価100万円90〜95万円マージン5〜10%。商流が最短。高単価が期待できる
2次請け単価100万円75〜85万円マージン15〜25%。中程度の単価圧縮
3次請け以上単価100万円50〜70万円マージン30〜50%。単価が大きく下がる

上の表を見ると、クライアント支払いが同じ100万円でも、商流が深いだけで手元に入る金額は倍近く変わることがわかります。あなたが今、3次請けの企業にいるなら、2次請けの企業に転職するだけで単価が10〜15万円上がる可能性があります。

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2-3.還元率が年収に与える影響

還元率とは、クライアントから受け取った人月単価のうち、実際にあなたの給与に充てられる割合です。還元率が高い会社ほど、あなたは多くの報酬を得られます。

SES企業の還元率は通常40〜60%の範囲にあります。しかし企業によっては「残業代込みの契約」「交通費別」「福利厚生費を別途請求」といった理由で、実質還元率がさらに低くなることもあります。

同じ人月単価70万円でも、還元率40%の企業と60%の企業なら、年収で約100万円以上の差が生じます。

還元率は採用面接時や入社書類では明記されないことがほとんどです。転職時に「単価がいくら」という情報だけで判断すると、入社後に「思ったより給与が低い」という後悔につながります。

還元率を把握する方法として、転職エージェントに質問する、面接時に「給与の算出方法」を聞く、現職の同僚に確認するという3つの手段があります。入社前に還元率を理解することで、納得のいく判断ができます。

2-4.評価基準になりやすい工程・スキル要素

単価は技術力だけでなく、担当する工程とスキルの掛け合わせで決まります。同じJavaエンジニアでも、テスト工程を担当する人と設計・開発工程を担当する人では、単価に差が生じます。

SES業界では、上流工程(要件定義・設計)ほど単価が高く、下流工程(テスト・運用保守)ほど単価が低い傾向があります。これは、上流工程にはビジネス理解と判断が必要であり、採用企業がより高い対価を払うためです。

あなたが現在テスト工程に固定されているなら、設計工程への異動や、マネジメント経験を積むだけで単価が上がる可能性があります。

また、特定の業界知識(金融・医療・通信など)や、ニーズの高い技術スタック(クラウド・AI・セキュリティ)を持つエンジニアは、市場希少性が高いため単価が上がりやすいです。

単価を上げやすい工程・スキル要素

  • 上流工程(要件定義・基本設計・詳細設計)への参画経験
  • マネジメント経験(リーダーシップ・メンバー育成・進捗管理)
  • クラウド技術(AWS・Azure・GCP)の実装経験
  • 金融・医療などの規制業界での実務知識
  • ビジネス層との調整経験(ステークホルダー管理)
  • テスト自動化・DevOps・インフラ設計などの専門技能

このリストにある項目のうち、いくつ該当するかによって、あなたの市場価値がおおよそ判断できます。現在3つ以下なら、今の企業で経験を積みながらスキルを広げることで、1年以内に単価アップが期待できます。

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3.単価60万・70万・80万円は年収でいくらになるのか

SES企業で単価が決まっても、それがそのまま年収になるわけではありません。還元率という概念を理解しないと、同じ単価でも年収に100万円以上の差が生まれます

このセクションでは、単価60万・70万・80万円の場合の年収・手取りをシミュレーションし、還元率がどの程度の影響を持つのかを可視化します。

3-1.単価60万円の年収・手取りシミュレーション

単価60万円の場合、年収は約864万円(還元率100%の場合)から約518万円(還元率60%の場合)まで幅があります

この差は、SES企業がクライアント企業から受け取る請求額(60万円)から自社のマージンを引いた金額があなたの手取り給与の基準になるためです。

計算式は「月の単価 × 還元率 × 12ヶ月」で算出できます。たとえば還元率が50%なら月額30万円が給与に反映され、年間360万円が単価由来の収入になります。

実際には基本給や賞与も加わるため、単価由来の部分はこの金額よりも控えめに見積もることが現実的です。

同じ単価60万円でも、SES企業Aは還元率50%(年収約432万円の単価部分)、企業Bは還元率70%(年収約604万円の単価部分)という企業差が生まれます。

つまり、単価だけで転職先を判断すると、実は年収が大きく下がるケースもあるのです。

3-2.単価70万円の年収・手取りシミュレーション

単価70万円は相応のスキルを持つエンジニアの水準ですが、還元率による年収差はさらに大きくなります。還元率40%なら年収約336万円の単価部分、還元率60%なら年収約504万円の単価部分になり、差額は168万円にもなります。

この単価帯のエンジニアは、案件が途切れにくく、交渉による単価上昇も期待しやすいステージです。しかし同じスキルレベルでも、所属企業の還元率次第で実手取りが大きく異なるという現実は変わりません。

たとえば、現在の企業では単価70万・還元率45%(年間378万円の単価部分)で年収550万円だとしても、還元率60%の企業へ転職すれば同じ単価で年収650万円になる可能性があります。単価交渉と並行して「自分が所属する企業の還元率は適正か」という視点を持つことが、年収を大きく上げるポイントになります。

還元率月額手取り(見込み)年間単価部分解釈
40%約28万円約336万円低還元率。基本給の補助程度の位置付け
50%約35万円約420万円中程度。実務的な還元率
60%約42万円約504万円高還元率。転職検討時の目安

上の表から分かる通り、還元率10%の差でも年間120万円程度の差が生まれます。転職活動では、これ以上に還元率が高い企業を優先的に探すことが、単価交渉よりも効果的な年収アップ手段になる場合が多いです。

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3-3.単価80万円の年収・手取りシミュレーション

単価80万円に到達するエンジニアは少数派であり、この水準で年収を最大化するには還元率の選別がさらに重要になります。還元率50%でも年間480万円の単価部分を得られ、還元率65%なら年間624万円という高い水準になります。

この単価帯のエンジニアは、すでに市場価値が高く、案件獲得が比較的容易です。そのため現職の還元率に満足できない場合、フリーランス化やより還元率の高いSES企業への移動を検討する段階に来ていると言えます。

具体的には、フリーランスとして単価80万を得れば、クライアント側の請求と自分の取得額がほぼ一致します。ただし案件獲得・税務・保険などのコストも自分で背負うため、SES企業の安定性と比較した判断が必要です。

単価80万円での年収選択肢

  • SES企業(還元率55%):
    年間528万円の単価部分 + 基本給で年収650~700万円水準
  • SES企業(還元率70%):
    年間672万円の単価部分 + 基本給で年収800万円超の可能性
  • フリーランス:
    年間960万円が見込める一方、営業・事務・税務費用が月30~50万円程度必要

3-4.還元率の違いが年収に与える差

同じ単価でも還元率が異なれば、実手取り年収は100万円以上変わる場合があります。これは、単価交渉よりも転職先企業の選択が重要である理由を示唆しています。

たとえば、単価70万円のエンジニアが還元率50%の企業から還元率65%の企業へ転職した場合、月額給与は約42万円から約45.5万円に増加し、年間で約42万円の増収になります。この増加分は、単価を70万から73万に上げるのと同等の効果をもたらします

つまり、単価交渉が難しい環境では、還元率の高い企業への転職という選択肢が、より実現可能で効果的な打ち手になり得るということです。

還元率が異なる企業への転職シミュレーション

例:単価65万円のエンジニア、現在の還元率52%(月給約28万円、年間約336万円の単価部分)が、還元率62%の企業へ転職した場合。新企業での月給は約40万円(年間約480万円の単価部分)になり、年間144万円の増加効果があります。これは単価を約70万に上げるのと同じ結果です。

重要なのは、この数値は企業規模や実績期間によって変動することです。入社初期は保険関連の手当引きや研修期間の設定で、理論値より低くなることもあります。

したがって、還元率を確認する際は「フル案件配置時の還元率」と「研修期間・待機期間の扱い」を別途確認することが、後々のトラブル防止につながります

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4.単価が上がらない人に共通する3つの落とし穴

単価が上がらない理由は、技術力不足だけではありません。むしろ、多くのSESエンジニアが直面している問題は、商流の深さ、会社の還元率、そして交渉の欠如という3つの構造的な要因にあります。

努力しているのに年収が伸びない場合、その原因がどこにあるのかを正確に見極めることが、単価を上げるための最初の一歩です。

4-1.商流が深く単価の天井が低いケース

多重下請け構造に組み込まれている場合、クライアントが出す予算がそのまま単価にはならないため、いくら技術力を高めても単価の伸び幅が限定的になります。元請けから3次受け、4次受けと階層が深まるにつれ、各段階で中間マージンが抜かれ、最終的にエンジニアの手に届く単価は大きく目減りするのです。

例えば、クライアント予算が100万円でも、元請けが30%、2次受けが20%、3次受けが15%のマージンを取った場合、実際の契約単価は35万円程度に落ち込みます。

同じスキルレベルでも、商流が浅い企業のエンジニアなら50万円の単価が得られるのに対し、深い商流では努力の伸びしろが大きく制限されるのです。

自分がどの商流階層にいるか確認する項目

  • 契約書に記載されている発注元企業が複数階層になっていないか
  • 営業担当から「〇〇会社経由での案件」という説明がないか
  • 同じスキルレベルでも社外の知人エンジニアより単価が低くないか
  • 単価交渉の際に「上(クライアント)からの予算が…」という回答が返ってくることが多いか

商流の深さは個人の努力では変えられない構造問題であり、この段階にいるなら、単価を上げるには商流の浅い企業への転職を検討する必要があります。

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4-2.還元率が低く手取りに反映されないケース

契約単価は市場相場と同等でも、会社の還元率が低い場合、実際の手取り年収は大きく下がるという落とし穴があります。還元率とは、契約単価のうち、どれだけがエンジニアの給与に反映されるかを示す指標です。

還元率50%と70%では、同じ単価70万円でも年間120万円の手取り差が生まれます。

多くのSES企業は社会保険料やオフィス維持費、営業コストなどを理由に還元率を設定していますが、企業によって大きく異なります。還元率が低い会社では、いくら単価交渉に成功しても、その効果が給与に十分反映されません。

契約単価が80万円でも還元率40%なら月給32万円ですが、単価60万円で還元率65%の企業なら月給39万円になるケースも珍しくありません。

契約単価還元率40%還元率60%還元率70%
60万円月給24万円月給36万円月給42万円
70万円月給28万円月給42万円月給49万円
80万円月給32万円月給48万円月給56万円

この表を見ると、還元率の影響が単価の伸びと同等かそれ以上に大きいことが分かります。現在の会社の還元率を把握していなければ、年収の伸びしろを過小評価してしまうリスクがあります。

4-3.交渉自体を行っていない・機能していないケース

単価交渉を一度も試みたことがない、または交渉しても断られた経験が、その後の行動を止めてしまうというケースも見られます。多くのエンジニアは「単価は決められるもの」という受動的な認識を持ち、交渉の余地があることに気づいていません。

実際には、契約更新のタイミングや十分な実績があれば、交渉の成功確率は大きく高まります。

ただし、交渉のタイミングが悪かったり、根拠が弱かったり、会社の還元率が低すぎて対応の余地がない場合は、何度試みても通らないという現実もあります。

一度の失敗で「交渉は無理」と諦めるのではなく、失敗原因を特定し、次の手段を検討することが重要です。

交渉が機能していない場合の診断チェック

  • 過去12ヶ月以内に単価交渉を正式に申し出たか
  • 交渉のタイミングが契約更新の2〜3ヶ月前だったか
  • 実績データ(処理件数、改善効果、納期達成率)を具体的に示したか
  • 業界相場やスキル相応の単価を根拠として提示したか
  • 交渉が断られた際の理由を詳しく聞いたか

交渉が機能しない理由は、タイミング・根拠・会社の対応能力のいずれかにあるため、その原因に応じた次のアクションが異なります。

タイミングと根拠が問題なら再度の交渉が有効ですが、会社の還元率や商流が根本的に限界なら、転職という選択肢が現実的になるのです。

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5.単価を上げるための具体的なアクション

単価が上がらない理由が分かったら、次は実際に行動を起こす番です。ここで大切なのは、技術力だけでなく、商流・還元率・スキルセット・上流工程への関与を組み合わせて動くということです。

4つのアクションを効果が出やすい順に積み重ねることで、あなたの努力が適切に評価され、単価へ反映される道筋が見えてきます。

5-1.自分の契約単価と還元率を把握する

まずすべきは、自分がいくらで契約されており、会社がどの程度還元しているかを正確に把握することです。これが分からなければ、交渉の根拠も、転職先の良し悪しも判断できません。

SES企業の多くは、人月単価を客先から得ていますが、そのすべてが社員に還元されるわけではありません。商流が深ければ深いほど、また会社の利益率が高いほど、あなたの手取り単価は契約単価よりも大きく低くなります

例えば、契約単価が70万円でも、会社の還元率が40%なら手取りは28万円になり、同じ70万円でも還元率60%なら42万円になります。この差は年収で約168万円になります。

確認すべき項目は以下の通りです。

契約単価と還元率の確認項目

  • 給与明細や契約書から、客先への契約単価(月額人月)を確認する
  • 自分の基本給と賞与の合計年収を計算する
  • 契約単価から手取り年収を逆算し、実際の還元率を計算する
  • 可能であれば、人事に直接「当社の平均還元率は何%か」と確認する
  • 転職を検討する際は、面接時に還元率や単価の伸びシミュレーションを提示させる

この情報は、今の会社で交渉する価値があるか、転職先でどの程度の単価が期待できるか、フリーランス化のメリットがあるかという判断に役立ちます。

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5-2.商流の浅い案件・現場へ移る

同じスキルなら、商流が浅い案件ほど高い単価が見込めます。商流が深いほど、中間業者のマージンが何重にも抜かれるからです。

SESの商流は、大きく分けて以下のように階層化しています。直客(大手企業やメガベンチャー)と直接契約する案件は単価が高く、そこからEPM企業を経由する案件はそれより低く、さらに何段階も経由する案件はさらに低くなります。

現在のあなたが配置されている案件の商流位置を理解することで、単価の天井が見えます

例えば、金融系の大手企業の直客案件なら単価60~80万円が相場ですが、そこから子会社や協力企業を経由すれば40~50万円になることは珍しくありません。

商流が浅い案件の見分け方

  • クライアント企業の規模と直接度(直客か、何層経由か)
  • 請負契約か派遣契約か、契約形態の種類
  • 案件の発注元が複数の代理店を経由していないか確認
  • 現場リーダーやPMが直接企業の社員か、協力企業の社員か
  • 単価交渉の可否や決裁者が誰か、透明性の度合い

現在の会社内で商流が浅い案件への異動が難しければ、それは転職を検討する大きな理由になります。

同じスキルを持ちながら、商流が異なるだけで手取りが50万円以上変わるので、非常に大切な判断となります。

5-3.需要の高いスキルを習得する

スキルの種類によって市場単価が大きく異なり、需要が高いスキルほど交渉時の武器になります。技術力の向上は避けて通れませんが、どのスキルを習得するかが重要です。

市場で単価が高い領域は、AWS・Azure・GCPなどのクラウドインフラ、Kubernetes・Docker などのコンテナ技術、機械学習・データ分析、セキュリティ分野です。

これらは需要に対して供給が少なく、習得した段階で単価交渉や案件選別の主導権を握れる可能性が高まります。一方、レガシー系の言語やツールは需要が減少しており、習得投資の優先度は下がります。

あなたの現在のスキルセットから、どの方向に伸ばすかも戦略的に決めましょう。

例えば、JavaやPythonの開発経験があれば、そこからAWS上のアーキテクチャ設計への足がかりを作り、単価70万円台から80万円台へのジャンプを狙えます。

一方、レガシーシステムの保守経験だけを積み重ねても、単価は上がりにくい傾向にあります。

技術トレンドは常に変わるため、今の会社で学び続ける環境があるかも重要な判断材料になります。教育費の補助やオンライン講座の時間確保ができない会社なら、それも転職を検討する理由として数えられます。

5-4.上流工程に関与する機会を作る

設計や要件定義といった上流工程の経験は、単価を上げるための最強の武器になります。同じコード量でも、設計から関わったプロジェクトの単価は、実装だけを担当する場合より高くなります。

上流工程への関与は、単なる技術力では代替できません。顧客の要件を聞き取る力、複数の実装案を比較する判断力、リスクを見通す経験が求められるからです。

この経験を積むことで、単価60万円から75万円への昇進も現実的になり、転職時の職務経歴書の説得力も圧倒的に高まります

具体的には、現在のプロジェクトで以下のような機会を作ることから始めましょう。

上流工程への関与を作る具体的な方法

  • PMやリーダーに「要件定義や設計のレビューに参加したい」と意思表示する
  • 現場で課題が挙がったときに「改善案を検討させてほしい」と提案する
  • 顧客との打ち合わせに参加し、要件の背景や制約を理解する
  • 新規案件立上時に「基本設計から関わりたい」と立候補する
  • 現場の後輩へ設計思想を伝える機会を作り、自分の経験を言語化する

現在の会社や現場がこうした機会を提供していないなら、転職を視野に入れるべきです。実装だけの経験を5年積み重ねるより、上流工程に1年関わる方が、市場価値と単価は大きく上がります。

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6.単価交渉を切り出すタイミングと伝え方

単価交渉を成功させるには、タイミング・根拠・伝え方の3つが揃う必要があります。技術力がどれほど高くても、交渉を切り出すタイミングを誤ったり、根拠なく要求を伝えたりすれば、会社は応じてくれません。

このセクションでは、実務的に通りやすい交渉の進め方と、断られた場合の次の一手まで解説します。

6-1.交渉に適したタイミングを見極める

契約更新の2〜3か月前が、単価交渉を切り出す最適なタイミングです。なぜなら、このタイミングなら会社側にも交渉結果を契約書に反映させる時間的な余裕があり、「検討してから返答する」という返事を引き出しやすいためです。

契約更新直前に申し出ると、会社は「今のままで進めるしかない」と判断してしまい、交渉の余地を失います。逆に半年以上前では、実績の積み重ねが不足している状態で訴求することになり、説得力が落ちやすくなります。

決算期直後や新規プロジェクト開始時も狙い目です。この時期は会社が新しい予算枠を組み直す段階であり、人件費の調整に応じやすくなります。

交渉に適したタイミングの確認項目

  • 契約更新日が何月か確認し、その2〜3か月前の時期を目安にする
  • 決算期がいつかを把握し、決算直後に交渉を切り出す選択肢も検討する
  • 現在のプロジェクトの区切り(終了予定日)を把握する
  • 会社の人事評価サイクルと合わせて、昇給査定のタイミングを確認する

タイミング選定は単なる「いつ話すか」ではなく、会社の意思決定プロセスを理解した上での戦略的な判断です。準備が整ったら、次に根拠を用意する段階へ進みます。

6-2.根拠として使える材料の集め方

市場相場と自分の実績が、交渉を通すための両輪の根拠です。根拠なく「単価を上げてください」と言えば、経営判断で却下されるだけです。

会社にとって納得できる理由を、データと実績で示す必要があります。

市場相場の調べ方は複数あります。転職サイトのスカウト機能で同じスキル・経験年数の求人単価を確認したり、転職エージェントに「同じスキルセットの相場はいくらか」と直接聞いたりする方法です。

SES企業の求人票には月額単価が明記されているため、複数の企業を比較すれば相場の幅が見えてきます。

自分の実績をどう数値化するかも工夫が必要です。「業務効率を改善した」という定性的な主張では弱く、「納期を10%短縮した」「バグ摘出率を30%削減した」のような定量的な成果を示すことで説得力が生まれます。

根拠の種類交渉材料
市場相場同じスキル・経験年数の求人単価
昇進・昇格実績昇進日・新しい職務内容・担当領域の拡大
スキル習得実績新言語習得 / 資格取得 / 新領域プロジェクト完了
業務成果の数値化納期短縮率 / バグ削減率 / コスト削減額

これらの根拠を集める際の注意点は、「現在のプロジェクトでの成果」に限定することです。過去のプロジェクトの話を持ち出すと、現在の貢献度が不透明になってしまいます。

6-3.交渉時の具体的な伝え方・進め方

交渉は「上司への個別相談」から始まり、その結果に応じて段階的に進めるが原則です。いきなり経営層へ訴えるのではなく、直属の上司や配属先の責任者にまず相談し、彼らを説得することが実現の最短ルートになります。

上司への切り出し方は、前向きでありながら冷静さを失わないバランスが重要です。「現在の単価では市場価値に見合っていない」という事実を、感情的にならずに伝えます。

具体的には、「自分の成長を自社で続けたいが、市場相場を踏まえると現在の単価では不安がある」という形で、自社への留意を示しながら要望を伝えるのが効果的です。

根拠を提示する際は、一度に全てを説明するのではなく、上司の反応を見ながら段階的に出すことがコツです。最初は「市場相場がどうなっているか」という事実だけを伝え、上司が「調べてみる」と言えば根拠を小出しにしていきます。

具体例:上司への切り出しシーン

「お忙しいところ恐れ入りますが、30分程度お時間をいただけないでしょうか。自分のキャリアと現在の単価について、相談したいことがあります。」という前置きで話す時間を確保し、その場で焦らず説明する。上司が「給与・単価の決定権は自分にない」と言えば、「そのような場合は、誰に相談するのが適切か」と質問を重ね、次の交渉相手を特定していく。

交渉を有利にするもう一つのポイントは、「替え交渉」を用意しておくことです。

単価そのものが上げられないなら、「案件の上流工程へのシフト」「特定スキルに対する手当」「リモートワーク許可」など、単価以外の条件改善を要求する選択肢を持つことで、完全な要求拒否を避けられます。

6-4.断られた場合に確認すべきこと

単価交渉を断られたとき、その理由が「業績不振」なのか「交渉戦略の不足」なのかを見極めることが重要です。理由によって、次のアクションが大きく変わるからです。

会社が「現在は経営状況により難しい」と答えた場合、これは一時的な問題であり、数か月後の再交渉が成功する可能性があります。その間に、さらにスキルを磨いたり、プロジェクトの成果を積み上げたりしておきます。

一方、「あなたの能力では現在のレートが妥当」と評価された場合、これは会社の人材評価に自分の現在地が反映されたサインです。

断られたら、その判定根拠を確認する質問を多くの場合入れてください。「単価を上げるには、どのようなスキルや実績が必要か」「数か月後に再度相談することは可能か」といった質問を通じて、会社が示す改善の条件を明確にします。

交渉が断られた後に確認すべき項目

  • 会社の経営状況に余裕があるか、それとも予算制約があるのか
  • 自分の実績・スキルが現在のレートに見合うと会社が判定した根拠
  • 単価を上げるために今後身につけるべきスキルや実績
  • 契約更新時や次期人事評価時に再交渉を申し出ることは可能か
  • 単価以外の条件(リモート許可・手当・昇進時期)の改善余地

ここで重要な判断が2つあります。1つ目は「会社の還元率が低すぎる場合、社内交渉だけでは天井が見えている」という現実を認識することです。

この場合、転職という選択肢を検討する価値があります。2つ目は「断られた理由が明確でない場合、会社側の評価基準が曖昧であり、交渉が成立しにくい環境」を意味するため、同様に転職検討の見直しポイントになるということです。

単価交渉の成否だけでなく、その過程で見えた会社の経営姿勢や評価基準が、今後のキャリア選択を左右します。

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7.商流・契約形態によって単価の伸ばし方は変わる

SES企業での単価交渉を考えるとき、多くのエンジニアは「技術力を上げれば単価も上がる」と考えがちです。しかし実際には自分がいる商流の位置や契約形態によって、単価の伸ばし方は大きく変わります

同じスキルレベルでも、元請けにいるエンジニアと二次請けのエンジニアでは年収が100万円以上異なることもあります。ここでは商流と契約形態の視点から、あなたの単価を上げるための現実的な選択肢を整理します。

7-1.元請け・一次請け・二次請けで変わる単価の見え方

商流の階層が深いほど、同じ人月単価であってもあなたに還元される単価は低くなります。SES業界では「人月単価60万円」という表記が使われますが、これは業界相場であり、実際にあなたが受け取る単価ではありません。

例えば、クライアント企業が提示する人月単価が60万円だったとします。元請けSES企業なら30~40%のマージンを取るため、実際の還元率は60~70%になり、あなたの契約単価は36~42万円程度になります。

そこからさらに一次請けを経由すると、もう一段階マージンが抜かれます。二次請けの場合は商流が2段階あるため、結果的に人月60万円でも手取り単価は20~25万円まで下がってしまう可能性があります

商流を把握するには、まず自分の会社がクライアント企業とどう繋がっているかを確認してください。「直接クライアント企業と契約しているか」「別のSES企業を経由しているか」を認識することが第一歩です。

商流の位置を確認する視点

  • 契約書にクライアント企業の名前が記載されているか、あるいは間に別のSES企業が入っているか
  • 請求元の会社名がクライアント企業と異なっていないか
  • 営業担当から「客先常駐」と説明されたが、実はその常駐先はエンド客ではなく別のSES企業ではないか
  • 契約単価の内訳が詳細に説明されているか、それとも一括で伝えられているだけか

商流の深さは単なる単価の差ではなく、キャリア形成にも影響します。

二次請け企業にいると、クライアントとの関係を築きにくく、市場価値を正当に評価してもらいにくい構造になっています

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7-2.SES正社員とフリーランスの単価の違い

SES正社員とフリーランスでは、同じ技術力でも手取り単価が大きく異なり、それぞれにメリットとリスクがあります。見かけ上の単価だけで判断すると、後になって後悔することもあります。

一般的に、SES正社員の契約単価が45万円だった場合、フリーランスなら60~80万円程度の案件が見つかることがあります。これは企業側の採用・研修コストや福利厚生負担がなくなるためです。

しかしフリーランスには案件獲得の営業活動、税務申告、保険加入など、毎月の給与以外に大きなコストと時間が発生します。また案件が途切れた期間の収入がゼロになるリスクも抱えています。

SES正社員の場合、月給や賞与が安定して入るため、生活基盤が堅い利点があります。同時に昇給の上限が決まっていることが多く、単価を大きく上げるには商流の良い企業への転職が必須になります。

区分契約単価の目安実手取り月額(目安)安定性単価交渉の自由度
SES正社員(二次請け)30~40万円20~30万円高い低い(会社方針に依存)
SES正社員(元請け)45~60万円35~50万円高い中程度(実績で交渉可能)
フリーランス60~100万円実収入30~70万円(案件・諸経費差引後)低い高い(案件次第)

表を見るとフリーランスの単価が高く見えますが、年間の実手取り額で比較すると必ずしも有利とは限りません。

特に案件獲得に3~4ヶ月かかるケースや、税務・社会保険料が予想以上にかかる場合、SESの正社員の安定収入の方が年収ベースで上回ることもあります。

7-3.契約形態を変えるメリットとリスク

現在の契約形態から別の形態へ切り替えるには、短期的な単価アップと長期的なキャリア形成のバランスを考える必要があります。焦って形態を変えると、想定した単価に届かないことも起こります。

二次請けSES企業から元請けSES企業への転職を検討する場合、単価が10~20万円上がる可能性があります。ただし転職直後は市場価値の再評価期間であり、前職での実績がそのまま認められない場合もあります。

元請け企業に入ってから3~6ヶ月は、単価交渉よりも信頼構築と実績づくりに注力する必要があります。

フリーランスへの転職を選ぶ場合、最初の数ヶ月は案件探しと営業活動に時間を取られます。税務申告や社会保険料(国民健康保険・国民年金)の負担も急増し、実手取りは見かけの単価より30~40%低くなると見積もっておくべきです

加えて急な体調不良で案件をこなせない時期が生じても、収入は止まります。

ケース:SES正社員(現在単価35万円)がフリーランスへ転職した場合

フリーランスで月70万円の案件を獲得できたと仮定します。

一見20万円の単価アップですが、実際には以下が発生します。税務申告料3~5万円、国民健康保険料2~3万円、国民年金保険料1.6万円、営業活動・事務作業の時間コスト、案件途切れ時の無給期間(年1~2ヶ月程度)。

これらを差し引くと、年間の実手取りはSES正社員と大きく変わらないか、むしろ下回る可能性があります。

契約形態を変える最適なタイミングは、現在の環境で一定の実績が出たあとです。技術スキルだけでなく、クライアント評価や市場における評判があってこそ、新しい形態でも単価を引き上げやすくなります

焦らず段階的に単価を上げていくアプローチが、長期的には最も効果的です。

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8.交渉が難しいときに検討すべき次の一手

単価交渉を試みたけれど、会社から「今は難しい」と断られた。または、交渉自体をする機会や根拠がないまま、モヤモヤした状態が続きます。そうした時点で、次の打ち手を用意しておくことが、単価アップの実現性を大きく高めます

現職での交渉に限界を感じたら、転職やフリーランス化、エージェント相談という選択肢が、あなたの単価と年収を次のステージへ引き上げる可能性を秘めています。

ここでは、社内交渉が通らなかった場合の次のアクション、および各選択肢の効果と判断軸を整理します。

交渉が難しいときの3つの次の一手

  • 還元率の高いSES企業への転職
  • フリーランス・独立への切り替え
  • 転職エージェントへの市場価値診断と相談

単価交渉に失敗する理由は、あなたのスキル不足ではなく、所属する企業の商流位置や還元率の限界であることが大多数です。だからこそ、会社を変えることで、同じスキルでも手取り年収が50万円以上変わるケースはめずらしくありません。

交渉を断られた後も、焦らず次の選択肢を検討する時間を作ってください。その過程で、自分の市場価値が今の会社でどう扱われているか、別の会社ではいくら評価されるのかが見える化できます。

交渉が断られたときにの確認方法

「今回ご検討いただけないということですが、来年度の契約更新時には、市場相場と実績を持って改めてお話しさせていただきたいです。その際、貴社で評価いただけない部分があれば、改善するための学習も進めたいので、フィードバックをいただけますでしょうか」このように返すことで、交渉の門戸を残しつつ、相手の本音(「予算がない」なのか「スキルが足りない」なのか)を引き出せます。

その後、転職エージェントに登録して市場価値を診断してもらうことをお勧めします。外部の目を通すことで、現職の還元率が業界平均と比べてどの位置にあるのか、転職した場合どのくらいの単価・年収が実現可能なのかが客観的に見えます。

転職先SES企業を選ぶ際は、還元率の開示姿勢・商流の浅さ・契約更新時の単価改定ルールの3点を重視してください。同じスキルを持つエンジニアでも、この3つの条件が異なるだけで、3年後の年収差は200万円を超えることもあります。

今、あなたがすべき判断は「単価を上げるか、別の会社で還元率の高い環境を選ぶか」ではなく、自分の市場価値を正確に知り、その上で最適なキャリアパスを選ぶことです。

現職での交渉結果は、あなたの能力の最終判定ではなく、単なる一つの企業の判断に過ぎません。

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9.還元率の高いSES企業を見極める方法

社内交渉で天井を感じたら、次は転職先の質を見極める番です。同じ技術力でも、所属する企業によって手取りは変わります。ここでは還元率・商流・契約条件という4つの視点から、単価アップを実現しやすい企業を見抜く方法を解説します。

9-1.還元率を開示しているかを確認する

面談や求人票の段階で還元率を開示している企業は、単価アップの余地が読みやすいと判断できます

還元率は契約単価のうちエンジニアに支払われる割合であり、非開示の企業ほど中間マージンが大きい傾向があるためです。開示を渋る会社では、交渉材料そのものが見えません。

面談時に「契約単価と還元率を教えてください」と直接聞いてみましょう。曖昧に濁す、あるいは「規定で言えません」と答える企業は要注意です。

面談で確認したい還元率のポイント

  • 契約単価と支給額の内訳を提示できるか
  • 還元率の数値を明言できるか
  • 昇給時に還元率がどう変わるかを説明できるか

還元率を提示する企業は、単価交渉のたびに根拠を示しやすく、入社後の年収シミュレーションも立てやすくなります

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9-2.商流の深さと元請け企業との関係を確認する

商流が浅く、元請けや二次請けに近い会社ほど中間マージンが少なく単価が上がりやすいです。

三次請け・四次請けになるほど各社がマージンを抜くため、同じ現場単価でも手取りが目減りする構造になっています。転職先を選ぶ際は、自社が案件のどの階層にいるかを忘れずに確認しましょう。

求人票に「直請け案件多数」「元請け・プライム案件中心」と書かれていても、実態が異なる場合があります。面談で実際の商流図を見せてもらうのが確実です。

商流の位置 単価への影響

  • 元請け・一次請け マージンが少なく単価が上がりやすい
  • 二次請け ある程度マージンが乗るが交渉余地あり
  • 三次請け以降 マージン多重で単価上昇が難しい

商流の浅い会社を選ぶことは、技術力を正しく単価に反映させるための前提条件だといえます。

9-3.契約更新頻度と単価改定の条件を確認する

契約更新のタイミングと単価改定の仕組みが明確な企業ほど、努力が反映されやすいです。

更新頻度が3ヶ月ごとなのか半年ごとなのかによって、単価見直しのチャンスの数が変わるためです。更新のたびに評価される会社なら、成果を出した分だけ早く反映されます。

具体例

更新条件の差が年収に響くケースAさんは更新頻度が1年に1回の企業に所属し、スキルアップしても年1回しか単価交渉の機会がありませんでした。

一方、3ヶ月更新の企業に転職したBさんは、半年で2回単価交渉の機会を得て、結果的に年収が早く伸びました。

面談では「単価改定は誰がどう判断するか」まで踏み込んで聞くと、社内の評価制度の透明性が見えてきます

9-4.転職エージェント・企業に聞くべき質問

還元率・商流・更新条件は、面談やエージェント面談で具体的に質問しない限り分かりません。

求人票だけでは実態が見えにくく、聞かなければ答えない企業が多いためです。転職活動は情報の非対称性との戦いでもあります。

あらかじめ質問リストを用意し、面談やエージェントとの初回面談でひとつずつ確認していきましょう。回答が具体的な企業ほど、入社後のミスマッチが少ない傾向にあります。

面談・エージェントに聞くべき質問

  • この案件の還元率はどのくらいですか
  • 自社は何次請けの立場ですか
  • 契約更新のタイミングと単価改定の判断基準は何ですか
  • 過去に同条件で単価が上がった実例はありますか

これらの質問に淀みなく答えられる企業やエージェントは、還元率や商流の管理体制が整っている証拠です。

こちらの記事「SESから転職するベストタイミングは?転職までの手順を解説」もあわせて確認し、自分の状況に合った転職時期を確認ておくと、交渉と転職活動を無理なく並行できます。

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10.SESの単価に関するよくある質問

SES単価に関して、読者の方からよく寄せられる質問をまとめました。年収シミュレーションや単価の決まり方を具体的に知ることで、ご自身の状況を客観的に判断できるようになります。

10-1.単価70万円の場合、年収はいくらになりますか?

単価70万円だけでは年収は確定せず、還元率が判断の分かれ目になります。人月単価70万円は年間で840万円の売上を意味しますが、これはあくまで会社が受け取る金額です。

実際にエンジニアの手取りに反映されるのは、会社の還元率をかけた後の金額です。還元率が50%なら年収420万円前後、60%なら500万円前後が目安になります。

同じ単価70万円でも、還元率が10%違うだけで年収は80万円以上変わります。ご自身の給与明細から逆算した実質還元率を、一度確認してみることをおすすめします。

確認すべき項目

  • 自分の契約単価(会社に開示を求める)
  • 年収を単価×12か月で割った実質還元率
  • 賞与や手当が還元率に含まれているか

単価70万円という数字だけを見て安心せず、還元率まで含めて年収を把握することが、次の一手を考える第一歩になります。

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10-2.SESの単価はどうやって決まりますか?

SESの単価は技術力だけでなく、商流の深さと担当工程で大きく変わります。同じスキルセットでも、元請けに近いほど単価は高くなりやすい構造です。

これは商流を経由するたびに各社のマージンが差し引かれるためです。二次請け・三次請けと深くなるほど、末端のエンジニアに届く金額は目減りします。

担当工程も重要な要素です。要件定義や設計といった上流工程は、実装のみの下流工程より高単価に設定されやすい傾向があります。

単価への影響要素

  • 商流の深さ 浅いほど高単価になりやすい
  • 担当工程 上流ほど高単価になりやすい
  • スキル・実績 専門性が高いほど交渉材料になる

単価アップを目指すなら、技術力の向上と並行して、自分がいる商流の位置を把握することが欠かせません

10-3.SESで単価60万円の場合、給料はどのくらいですか?

単価60万円の場合、給料の目安は還元率次第で360万円台から420万円台まで幅があります。年間売上720万円に対し、還元率50%なら年収360万円前後、60%なら430万円前後です。

この幅の大きさこそが、単価交渉と同時に還元率も確認すべき理由です。単価が上がっても還元率が低いままでは、手取りの伸びは限定的になります。

ご自身の給与明細と契約単価を照らし合わせ、実際の還元率が何%になっているかを一度計算してみてください。相場より低い場合は、交渉や転職を検討する材料になります。

単価と還元率をセットで見る視点を持てば、今後どの行動が最も年収改善につながるかが見えてきます。今の会社に留まって交渉するか、還元率の高い会社へ移るかを判断するためにも、専門家に自分の状況を相談してみるのも一つの方法です。

まずは、転職のご意向からお選びください!

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11.優良SES企業への転職はユニゾンキャリア

エンジニアの転職するタイミングに迷ったら、ぜひ一度ユニゾンキャリアへご相談ください。

11-1.ユニゾンキャリアの転職成功事例①

成功者インタビューより

転職しようと思ったきっかけを教えてください!

今まではバイトとフルートの仕事を両立していて、このままでも良いかなとは思っていたんですが、正社員経験が無くて苦労した経験もあり、社会的信用がある社員になろう思ったのがきっかけです。

ただ、自分で転職の準備するのが難しくて…最終面接までは行けたんですけど、すごい圧迫面接でイライラして思わず「は?」と言ってしまい、落ちちゃいました…(笑)

バイト先に居続けてもなんの資格も取れないし、なんのキャリアにもならなくて、人生80年まで現役でいなきゃいけないって考えたときに、家でもできるパソコン系の仕事の方が肉体労働と比べると需要があるかなと将来のことを考えたうえでIT系に転職しようと決意しました。

あとは母が病気にかかってしまって、手に職を付けようと思ったのもきっかけの一つです。

転職して叶えたかったことってあります?

最近運転免許を取得して、履歴書の資格欄に書けるようになったんですけど、まだまだ寂しいので資格欄を埋められるようになりたいです(笑)

一番いいのはフルートを演奏することと仕事を両立することですね。

ITは副業ができるイメージもあるし、地元でフルートを教えてる子もいるので、いつかリモートでも仕事ができるといいなと考えてます。

やるからにはIT業界で何でもできるようになりたいっていうのが本音です。

ただ、やはりまだうまくイメージができていないので、早く理解できるようにネットワークの基礎の資格、CCNAの勉強から頑張ります。

ユニゾンキャリアを利用してどう思いましたか?

特に不満はなかったですね。

全部が順調に進んでいって、予定が空いたらすぐに「面談しますか?」って連絡くれるし、相談したらすぐに答えてくれたりと、すごく寄り添ってくれて安心感もあります。

土日祝日も対応してくれますし、夜遅い時間にLINEした時も、「今帰り道で時間あるんで大丈夫ですよ」と対応してくださり本当に助かりました。

あと、文章力にあまり自信がなかったので、履歴書の添削もしてもらいました。本当に転職活動の全てでお世話になりました。

\優良求人に出会いたい/

要望はしっかり聞いて欲しい

11-2.ユニゾンキャリアの転職成功事例②

成功者インタビューより

─転職しようと思ったきっかけを教えてください!

インフラエンジニアとして働くことに慣れてきて、改めてインフラ技術が好きだなと思うようになり、今よりもっと仕事の幅を広げたい、スキルが身につく環境で働きたいと考えるようになったからです。

─ユニゾンキャリアの支援内容で良かったポイントはありますか?

私の希望にバッチリ沿った求人のみを紹介してくれたこと、あとは面接に対して具体的なアドバイスをくれたのがありがたかったです。特に面接対策では、こういうことを聞かれますよ、こういう風に伝えた方がいいですよ、と色々細かく教えてもらいました。そこで初めて逆質問の存在と重要性を知ったり…(笑)実は今まで面接で「何か質問はありますか?」と聞かれても「無いです!」って答えてたので、対策してもらえてなかったらどうなってたんだろうって思います。

─転職活動にかかった期間を教えてください!

転職しようと思ったのが12月の最初くらいで、本気で転職活動に取り組み始めたのが1月の上旬、今の会社の内定を承諾したのが2月頭なので、全体を通して2ヶ月くらいですね。ただ、ユニゾンキャリアさんを利用し始めたのは1月の中旬くらいからなので、そこから数えると2〜3週間くらいで内定が出ています!転職活動ってもっと時間がかかると思っていたので、最初の頃は焦りしかなかったんですけど、働きながらでもスムーズに転職できて本当に良かったです。

ユニゾンキャリアでは、あなたの希望と異なる求人に応募させる、転職を急かすといったことは一切ありません。自身のペースで、納得のいく転職ができるように、企業を厳選して紹介します。

ご相談から内定まで「完全無料」で利用できますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。